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セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
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第24話 本物

〜作戦当日〜


花丸と津雲は、新幹線にて作戦決行場所へ向かう。バスを経由し、タクシーに乗り継ぎ、目的地へ辿り着いた。


「花丸教授!」


現地に辿り着くと光が駆け寄ってくる。狩衣姿であり、髪は1つ結びで結ばれている。


花丸

「おお、陰陽師の雰囲気が出てるな!」


「あれから大変でしたよ〜。覚えること沢山あるし、毎日滝行しなきゃいけないし、ご飯も味気ないし、学校卒業してからこんな修行みたいなことすると思いませんでした」


花丸

「まぁ首突っ込んじゃったからな。運命だと思って諦めるんだなー」


津雲

「光殿、お久しぶりです」


「津雲さん、相変わらずカッコイイですね!」


花丸

「津雲さんは女性なんだぜ? 知ってたか?」


「え! そ、そうなんですか!?」


光は唖然とする。


津雲

「マテリアルスコープの方もかなり開発が進みましたよ。花丸先生も日々努力されています」


花丸

「へへへ。そのうち廻子より強くなってやるぜ」


廻子

「聞き捨てならないな。誰より強くなるって?」


廻子が意地悪な笑みを浮かべながらこちらへやって来た。


廻子

「津雲と同棲して親睦を深めてるみたいだな。元気そうでなによりだ。くっくっくっく」


「えっ、、!?」


光はアタフタし始める。


「教授と津雲さんが同棲してるんですか!?」


花丸

「あ、ああ。この間の作戦の時、矢を射られて命を狙われただろ。津雲さんに守ってもらう必要があったんだ」


「う、うう。それならゴーゾーさんでもいいじゃないですか…! 女の人と一緒に同棲なんて、まるで付き合ってるみたい、、」


郷造

「なんで俺なんだよ」


作業をしている郷造が、やや不機嫌そうに意見をする。


花丸

「僕も驚いたが、津雲さんが良いなら無碍にするのも失礼かなと思ってよ。変な事はしてないぜ?」


廻子

「ひひひ、なんだ光。そんなに慌てて」


「と、兎に角変な事になってないなら私は気にしません! 廻子ちゃんも茶化さないで!」


津雲

「ふふふ。健全なお付き合いをさせて頂いておりますよ」


郷造

「その言い方もなんか怪しいぞ〜?」


「それに! 教授は霊能力の無い一般人なんですから、こんな危険な場所に来るのは間違ってると思います! スコープがあるなら別の人でも扱える筈ですし、教授じゃなくてもいいんじゃないですか!?」


花丸

「光くん…。確かに僕じゃなくてもいいかもしれないが、開発によって作った物は非正規の試作品なんだ。誰彼構わず使わせる訳にはいかない。言い方は乱暴かもだが、被検体がいないんだ。確かに政府機関である明頭螺(あどら)公認で研究をしているが、黄梅株式会社の研究員は勿論、一般人を巻き込む訳にはいかないんだよ」


「それはそうかもしれないですけど、、」


廻子

「それに時間も限られている。(まが)()はあちこちに存在し、穢れをどんどん溜め込んでいる。何時どこで爆弾が爆発するかも分からない。いち早く研究を進めてもらって、陰陽師が使える祓具を作り出す必要がある。私は最強だが、皆が私程強い訳じゃないからな。人手が足りない以上、花丸に極上の経験値を与える必要があるってこと」


花丸

「幽霊という概念自体が、なんというか信憑性に欠けるものだからな…。代わりがいないんだよ。廻子もちゃんと僕を守ってくれるし、僕が何とかするしかないんだよ」


「…分かりました」


やや悄げた様子で頭を下げる。


「教授は私が守ります! 必ず!」


廻子

「くくく、この調子だよ。お前を守るって聞かないんだ」


花丸

「気持ちは嬉しいが…。寧ろ僕が光くんを守らなきゃいけないだろ。立場的に?」


「いいえ。教授は危なっかしいので、私が必要なんです。私には分かります」


津雲

「心強いですね。光氏もめきめきと精進されておられますし、やる気もかなりある様です。きっと花丸先生を守れるくらい強くなれる筈ですよ」


「私は津雲さんより強くなる」


津雲

「あら!」


廻子

「おお、思い切ったな。津雲は強いぞ〜? 何十年かかる事やら」


花丸

「いっ、そんなに強いのか」


廻子

「おおとも。やろうと思えば、百人の武装した人間を相手取って無傷で勝てる。郷造もな」


花丸

「ええ? それは霊能力の無い人間って事か?」


廻子

「そうだ。一端の陰陽師なら2、30人程度はあしらえる程の実力だ。花丸も安心して津雲に守られたらいいぞ」


「私が守るの!」


郷造

「陰陽術ってのはそれ程稀有な能力って事だ。まぁ状況によるだろうが、ただの人間を倒す前提で仕掛ければ難しくは無い」


花丸

「口答えするつもりは無いが、現代武器は苦手じゃなかったのか?」


郷造

「俺達の術の性質上、あの場で刺客に向かって術を放つ訳にはいかなかったんだよ」


廻子

「そうだな、あの時のように遠くから狙撃されたり、立ち位置が悪かったりすると上手く対処しかねるな。だが津雲がいたら分からなかったぞ。津雲は一流の形代使いだからな。凄腕の陰陽師はそれなりに自分の特色を持っている。光、お前もそのくらいになれるといいな」


花丸

「そういうもんなのか〜?」


花丸の肩からエリックが首を伸ばしてくる。


エリック

『確認されている陰陽術を使用すれば、一般人を無力化、制圧する事は可能でしょう。それをされないのは良識のある方々だからでしょうね』


廻子

「花丸の家でポルターガイストを起こしてるし、電化製品を目の前で破壊したりしてるだろ?」


「目指すは最強の陰陽師です! やるからには1番にならないとですね!」


廻子

「簡単に言ってくれるな」


郷造

「局長、準備完了だ」


廻子

「ヨシきた。それじゃあ【城】へ向かうぞ」


一行は目的地である立ち入り禁止の城へ向かう。


花丸

「しかし城が作戦の目的地だとはな。こういう普通入れない歴史的価値のある場所に入れるのは、ある意味役得と言っていいのかな」


廻子

「気を引き締めろ。この間の場所よりも危険な作戦になるだろうからな」


花丸

「えっ、、」


津雲

真虎城(まとらじょう)は街中にある大きな城ですが、30年前に復旧後、一般の観光客による立ち入りを可能にしたのです。しかし、従業員が精神を病んで入院後亡くなったり、落石事故で人が亡くなったり、観光の帰りに不慮の事故に遭って亡くなったりと不幸が重なった事で不吉な噂が立ち、完全に閉鎖となる運びとなりました」


郷造

「ドローンで観察したが、外観は綺麗なままだったぜ。だがそこかしこに封印の札が貼りまくられていたな」


「は、入って大丈夫でしょうか…。私達呪われませんかね、、?」


廻子

「もう怖気付いたのか? 私達はオカルト専門だって事を忘れたのか?」


「いやいや、、! 私は大丈夫ですよっ? 花丸教授が大丈夫かなーって」


花丸

「いざとなったら光くんが守ってくれるからな。安心して背中を任せられるぜ」


「あ、あはは…。ですよね! 私がしっかりしないと!」


山道を登り、城門に辿り着く。


花丸

「ふぅ、着いた…。マテリアルスコープを小型化しておいてよかったぜ」


「ん?」


門を潜り、砂利道を踏みながら入城する。すると驚くべき事に、沢山の人間が集まっていた。


「ようこそ陰陽師道師団(おんみょうどうしだん)の皆様」


すると、団体の中でこちらに気付いた僧が話し掛けてくる。


花丸

「…あれは?」


廻子

「全国各地から集まった霊能力者共だ」


津雲

「お待たせしました。鬼狂山の陰陽道師団、ただいま到着しました」


津雲が近付いて対応する。


「私の名は暮ヶ浦光鳴(くれがうらこうめい)と申します。本日はお越し頂き、誠に感謝致します」


「なんか、凄そうな人達ですね」


廻子

「中には実力者もいるだろうな。だが、本物は私達で間違いはない」

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