↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
PR
21/29

第20話 エニグマ

倉柿

「お疲れ様です、花丸教授」


花丸は鬼狂山から自身の地元である桜梅桃李株式会社まで戻る。


花丸

「ただいま。かなり大変だったぞ、、」


倉柿

「映像を見ていましたよ。あんな世界がこの世にあるんですね、、。しかし頑張って頂けた甲斐があったので、沢山データが取れました。お祓いのツールも更にアップデート可能でしょう」


花丸の肩からデバイスが伸びてくる。


エリック

『花丸先生、新しい情報も更新出来ました。資料としてまとめてありますので、また目を通してください。それとも簡単にご説明しましょうか?』


花丸

「そうして貰えると助かる」


エリック

『まず霊体をレイブラスターで撃つことにより力が減退する理由です。基本的な霊体はそもそも負のエネルギーを利用して活動しています。分類として、浮遊霊、地縛霊、怨霊、そして悪霊、集合霊や先日の集合悪霊。定義がズレますが、憑依霊やオコゲ氏の様な、崇拝対象の祟り神が挙げられます』


花丸

「他にもいるだろう。守護霊だとか、精霊とか神霊みたいな。廻子の思業式神なんてどうだ?」


エリック

『それらについてはデータがまだ集まっていませんので、ハッキリと御説明出来兼ねます。大まかに予想して答えるのならば、廻子氏のエネルギーを利用して活動している、という仮説を立てておきましょう』


花丸

「んー、まぁそうかもな。そもそも写真を撮ろうとしたら殺られちまう可能性もある」


エリック

『その可能性はありますね。確実な方法でデータを集めるのが良いと判断します。高いリスクを払うべきでは無いと私も思います』


倉柿

「悪霊が喋っていたな。波長がどうとか言っていたが」


エリック

『ええ。魔界という、周囲全体を覆うある種の世界そのものの定義に、大蛇の悪霊がベースとして存在した為です。あの場において悪霊がルールとして存在し、それを理解出来た為、花丸先生や光氏は悪霊の波長を認識する事が出来ました』


倉柿

「…なるほど」


エリック

『話を戻します。負のエネルギーにより活動する霊体のエネルギーリソースを幾つか解明することが出来ました。レイブラスターによりそれを明らかにする事でエネルギーを減少させられる、その正体は本来この世に存在しないという【事実】です』


花丸

「事実?」


エリック

『そうです。写真を撮り、霊体の情報を明らかにする。そうする事でこの世全体に認識される存在として【不可解な恐怖エネルギー】が取り払われるのです』


花丸

「不可解な恐怖エネルギー??」


エリック

『人間は神や悪魔、そして霊魂等の不確実で不明瞭な存在を恐れています。人によっては強弱がありますが、何か不可解な事が起きれば運が良かった、悪かった、神に守られた、悪魔に取り憑かれた等々、理から外れた存在の影響に置き換えて考えたりします』


倉柿

「そうだね。多かれ少なかれ誰しもそういう思考はある筈」


エリック

『人間は太古より神を信仰し、悪事を働く事に対して神の裁きを恐れ、そして悪魔の存在を忌避し、勧善懲悪を定義付けて社会性を保ってきました。霊体の存在を強める要素として、恐怖や憎悪のエネルギーが、そのリソースの1つになっているのです』


花丸

「ふむ、じゃあそのエネルギーを収集して使用する事は出来るか? 」


エリック

『残念ながら現段階では不可能です。理由は情報として形に残した瞬間、その不可解エネルギーは消滅してしまうからです』


花丸

「そうか…。じゃあ何故写真にして情報に変えたのに、アイツ等は動き続ける事が出来たんだ?」


エリック

『それはですね、他にもエネルギーリソースがあるからです。怨みのエネルギーなんかは、寧ろ認識される事で更に力が増します。例えば呪った相手は呪いを掛けられたという事実を認識した事で影響が出始めるとされています。怨みのエネルギーもそうです。具体的に定義付けて分けると……』


エリックはデバイスに一覧を表示していく。


* 不可解のエネルギー

* 怨みのエネルギー

* 憎しみのエネルギー

* 恐怖のエネルギー

* 怒りのエネルギー

* 絶望のエネルギー

* 悪意のエネルギー

* 嫉妬のエネルギー

* 強欲のエネルギー

* 傲慢のエネルギー

* 色欲のエネルギー

* 怠惰のエネルギー

* 暴食のエネルギー

* 悲しみのエネルギー

* 苦痛のエネルギー

* 狂気のエネルギー

* 復讐心のエネルギー

* 不安のエネルギー

* 嫌悪のエネルギー

* 執念のエネルギー

* 孤独のエネルギー

* 後悔のエネルギー

* 屈辱のエネルギー

* 罪悪感のエネルギー

* 憂鬱のエネルギー

* 憎悪のエネルギー

* 欲望のエネルギー

* 執着のエネルギー

* 虚無のエネルギー

* 欺瞞のエネルギー

* 不信のエネルギー

* 妄執のエネルギー

* 殺意のエネルギー

* 呪いのエネルギー

* 穢れのエネルギー


花丸

「お、多い多い! 道理で動ける訳だよ!」


エリック

『霊体によってエネルギー総量の個体差はあります。憎しみや復讐心、怒りのエネルギーは取り分け強い傾向にありますが、人は理解されると気持ちが収まるという性質がある為、不可解のエネルギーが取り払われると他も多少減少するとデータが出ています』


倉柿

「なるほど。しかし除霊まで出来てしまう理由が分からないね」


エリック

『それはシンプルな仕組みです。本来浄霊の仕方は、霊との対話と理解、ネガティブなエネルギーの除去により完了します。花丸先生はレイブラスターでデータを撮り、不可解のエネルギーを除去し、ステッキで殴打する事で霊殻にダメージを与えます。そして漏れ出した霊核のエネルギーに含まれる不可解のエネルギーもデータ化させることで他のエネルギーも瓦解していきます。要は霊体が形状を保てなくなり崩壊しているのです』


花丸

「とりあえずレイブラスターだけでは霊体を祓えないって事だな。しかし、なんだか残酷な事をしてるような気がしてきたな、、」


エリック

『霊核を損壊させた事で魂が消滅する訳ではありません。現に人間は負のエネルギーをリソースとする霊体からサイキックアタックを受けると霊核に傷が付きます。肉体があれば時間を掛けて修復出来ますし、無意識とはいえ抵抗もしているのです』


倉柿

「生霊、みたいなものか」


エリック

『そうですね。生霊は基本、白いモヤモヤとした物体として認識されます。勿論、気持ちによって変化したりするので様々な色はあります。しかし意思がハッキリとしているので不可解のエネルギーは少ないです。マテリアルスコープで人間を覗けば、フワフワとしたエネルギー体を確認出来るでしょう』


花丸

「生霊ね。不本意に出してしまうらしいな」


エリック

『そうですね。出すとエネルギーを消費するので、あまり出さない方が良いそうですが、そうもいかないようです』


倉柿

「解析御苦労。他に報告可能な情報はあるか?」


エリック

『今回の取得情報により、幾つかのガジェットツールとマテリアルスコープのアップデートが可能でしょう。今すぐ開発に取り掛かりますか?』


花丸

「よし、廻子と連絡を取って、次の作戦まで時間の許す限り開発に着手する事にしよう。作戦当日に使えませんなんて事があったら不味いからな」


倉柿

「ご安心を。現在使用中のマテリアルスコープ、オルクスダイバースーツとは別に、同タイプのマテリアルスコープとオルクスダイバースーツも作成中です。作戦に支障が無いよう開発を進めるつもりです」


花丸

「おお、抜かりないな」


エリック

『かしこまりました。では開発に取り掛かりましょう』


……。


花丸は家に帰宅する。暫くして玄関のチャイムが鳴る。


花丸

「む、誰だろう」


花丸は玄関まで向かい、ドアノブに手を掛ける。


花丸

「…」


ふと、ある出来事が脳裏によぎる。光が自分を庇い、矢を射られた。あれは間違いなく花丸に対しての狙撃だった筈。となると、今、自分が命を狙われている事は自明の理である。花丸は直ぐにドアを開ける事はせず、覗き穴から外を見てみる。


花丸

「…え!」


ドアを開けると、そこに津雲が立っていた。


津雲

「こんばんは。花丸先生」


津雲はニッコリと微笑みを浮かべている。手にはビニール袋が握られており、野菜などがはみ出している。


花丸

「津雲さん? どうされました?」


津雲

「私、花丸先生と同居するつもりで参りました」


花丸

「なんですって、、?」


津雲

「不束者で御座いますが、暫くの間よろしくお願いします♪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。