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世界滅亡宣言 ー中編ー

家に帰り俺はいつも通りぐうたらするために早速菓子の山から好きなお菓子を取り、お菓子の袋を開けてソファーに寝っ転がりぐちゃぐちゃに置いてある学校からのプリントをどかしてリモコンを見つけてテレビをつけた。


テレビが完全につくまで、俺は周囲を見渡すとゴミやら服やらカバンやらが全てほおり投げてある。


掃除しないとなーと思いつつも掃除まで手が回らない。というか、単にやりたくないだけだ。



そして、データ受信が完了したテレビを見た瞬間俺は呆然となった。

なにせどのテレビ番組を見てもニュースだ。


しかも、そのニュースは俺も知る内容だった。


そこで指名手配のように貼られた例の紙がテレビに貼られた。



『7日後に世界は滅亡する』



相変わらずそれは気味が悪かった。

世界規模のイタズラだ。少年時代にそういう夢を抱いていたかもしれないし、某映画も少年の頃をきっかけによくわからない集団を作ったと聞く。


似たようなことをしたまでだ。


そして、この世を救うヒーローが現れて一件落着。俺にとってははギャラリーとして見ている方がいいな。


だが、見たくなりそうなテレビは全て打ち切られたので、俺は開けてしまったお菓子を食べて宿題を終わらせるため部屋に篭った。


次の日、学校が休みになった。

それほどまでに大きい事件なのだろうか。


これが最近の子供のゲーム依存症による驚きの少なさなのだろうか、いや図書館のせいだな。7日間休みということなので、俺はゲームをすることにしよう。


特にやることもないしな。


それから6日間はずっと家にいただろうか。

ずっとゲームをしていたので時間感覚が鈍っている。

さすがに6日間も家にいたら引きこもりになりそうなので久々に外に出てみようと思った。


ただ気まぐれによるものである。

俺は外に出ないことが常だったからな。

だから、散歩がてらゲームを探しに行く。


明日が例の世界滅亡の日なんだそうだが、俺は全くもって信用なんかしていない。そんなの本の中の話だろ?


知るかよ、俺が解決するわけでもねぇ。しかも善意でやるなんてまっぴらごめんだね。やるんならお金ぐらいとったっていいだろ?

命かかってるんだからさ。


さて、外に出ては見たものの、外には雪が降っていた。

今は冬である。

もう少しで冬休みというところだ。一週間休みというのは、なんというか都合のいいようでならない。

今週発売のゲームもちょうど欲しかったところだ。


しかし、俺だけだろうな今世界でこんなにテンション高いのはそんなにいないのではないだろう。

少数派というのはいわゆるニートなどのことだ。


俺も一種の引きこもりなのだから人のことをとやかく言う資格など持っていない。

道はなんとも閑散としていていつもと違う雰囲気を醸し出している。

道行く人はみんな頭を下に向けてやる気のない顔だ。

というより絶望に浸っている感じだ。


冷たい風がびゅーと吹く。確かに世界の滅亡と宣告されてそう浮かれているやつは少ないだろう。

だが、


それがどうした?


俺はそんなイタズラなど信じてはいない。

なにせ今までもそのようなことがあったではないか、その度に俺は膝をガクガクさせ、世界の終わりを覚悟していた。

しかし、何も起きないではないか。


何が予言だ!


何が文明だ!


全て嘘だ!


だから、俺は今回こそは騙されないと誓った。


そんなバカバカしい予言なんかに付き合っていられるものか。

そんな怯えた時間を過ごすのなら、家で勉強やらゲームやらで楽しんでいた方がまだましだ。

いや勉強は楽しむものじゃないが・・・・・・・


とそこで学校の近くの公園に通りかかった。

俺の家は学校からはそう遠くない。公園にはいつもと違った風景が目に映った。


みんな目が死んでる。


一言で言うとそうなる。

とにかく人が生気を失って足に餅がへばりついているようにノロノロと歩いていた。


人が群れた公園、その中に紛れて見覚えのある奴がいた。

外見から察するに大人しそうだが、中身は全く違っていて、元気のあるポニーテールの体育会系女子と言ったところだ。


「よう!千冬」


千冬は俺の小学校からの近所の友達である。

俺は久々に会った知り合いに気軽に声をかけた。


「・・・・・」

「お、おい大丈夫か?」

千冬の目はやはり死んでいる。

「・・・勇君」

「どうしたんだよお前らしくない」


千冬はいつも明るいやつだ。

毎日見てて頭の中が踊ってるなと思っていたのだが、今日に限っては違うようだ。


「・・・・勇君はここでなにをしているの?」

「俺はこれからゲーム買いに行こうと思ってたとこ」


その言葉を聞いた千冬は少し笑ったような気がした。いや怒ったのかも


「勇君……状況理解できてる?」

「世界の滅亡だろ?」


その言葉を発した途端周りのやつの目が一気に俺に向いたような気がした。

なんだよ、俺が悪者か?


「知ってるんなら、なんでそんなワクワクした顔ができるのさ!」


今日ゲームが発売だからだよ!

というのは嘘で

「おかしいのはお前らだろ?今までこういうことはよくあったし、その度に嘘だとわかったのもそうだ、今回もそういうもんだろ?」


その後千冬はハッとした顔になってすぐにもとの顔に戻った。なにを悟ったのだろうか。


「勇君はテレビを見ていなかったの?それか外にでも出ようとしなかったの?」

「俺はゲームしてたからな!」


なぜだが、俺にもわからないがドヤ顔になってしまった。


「勇君……これから言うことはあまり大きな声では驚かないでね」

「お、おうなんだ?」


驚かないのには世界チャンピオンになれるくらい自信がある。


「この世界に明日人類史上最悪の出来事が起こる隕石も近づいているし、火山も活発になっている、そして7日前からのコンピューターの異常、勇君はきっとゲームばかりしていてわからなかったんだろうけどいろいろな情報が飛び交っていたんだよ」


俺はその言葉を聞いて・・・阿呆らしいと思った。


隕石 火山 コンピューターの異常


そんな大震災三つを辞書から適当に引いて並べたような文字たちを見ても俺はまだポジティブだ。


「うん、わかった。

もう何も言わなくていい、ちょっと頭を捻って考えような

まず第一に隕石、これはデマだ。

前にも似たようなことが言われたけど、なかった。

次に、火山、これはハワイの日夜行ってるやつのことだ。

最後にコンピュータの異常、ゲームに支障をきたす筈だがなにもなかった。

結果、全て嘘だ」

「じゃあ、勇君上を見てあれを説明できる?」


とそこで、千冬が空を指差したので、俺もそれに従って空を見上げた。


俺の目に止まったのは明るいなーぐら・・・・・・・・・


あ、あ?ああ⁉︎

ううう、嘘だろ⁉︎


俺の目に止まったのはというか思考が思い至ったのはとんでもないことだった。


太陽がない


一体何があったんだ⁉︎


「ち、千冬どういうことだ⁉︎」

「隕石だよ」

「はっ?」

「隕石が太陽を隠したんだよ」


なるほ……いやそれじゃあ、宇宙学的に成り立たない。


「ううん、あの隕石が燃えてるから太陽入らないんだよ」


な、なるほど

いやだから納得してどうんすだよ


「隕石が落ちてきていることがわかれば、他の二つもわかるよね?」

「ま、まさかな……じょ、冗談だろ?」

「私が冗談を言わなきゃいけない理由なんて無いよ」

「だ、だけど7日間もあったんだぜ?ちょっとした抵抗ならできたはずだ!」

「勇君もさっき言ったように確かに人は疑っていた。

だからなんだよ、その疑いがはっきりと答えが出たのが3日前だからどうしようと間に合わなかった」


こうも早くおれの心がへし折れたのは初めてだろう。

俺はその後膝を落としわけもわからず泣いていた。その俺を千冬がギュッと抱いてくれた。

女子に抱かれてるっていうのに嬉しくない。


--------------------------------------


何時間経ったのだろうか……俺はいつしか泣き止み地面にうずくまっていたのに気付いた。

地面でうずくまって寝てるっていうのもなんか変な人だと思われそうだ。


その時にはもう公園には俺一人しかいなかった。

いや、よかった。


全世界でも家に帰っていないのは俺だけだろう。

夕日が俺の涙が流れた頬を照らし、少し寒くなっていくのを感じながら、俺は絶望の寒さを味わっていた。

なんてことをしてしまったんだ。俺にはまだやるべきことがあったのに


「ふっ」


何カッコつけてたんだ俺は。

始めから俺は臆病者だ。

わかっていたことだ。

それをゲームで補い、ましてや友達に大きな貸しを作ってしまい、それを返すのは無理そうだ。

この6日間俺はひたすらにゲームをし続けていた。

だが、ゲームをしていなければきっぱりとけじめをつけて旅立てたのではないだろうか。

何も残っていない。

俺の手の届く範囲にあったものは全て消えていく。

一体なんの仕打ちだろうか。

俺はただただ打ちひしがれていた。

もう考えても何も出てこない。

俺は家に帰ることにした。


家に帰る道でもトボトボと歩く人を見かけたり、さっきは気付かなかったが野垂れ死んでいる人までいた。夕方だからか少し赤く暗い雰囲気が真っ黒に塗られた気持ちで押しつぶされそうだ。


俺はその中をとにかくゲームを買うためだけにランランと抜けて行ったのだと思うと本当に自分がバカバカしくなってくる。

俺はさっきよりも寒さに敏感になっていた。


俺は悲しみを堪えとにかく家に向かった。

俺にとっての帰る場所はそこしかないのだから。

しかし、家は妙に明るい雰囲気が漂っている。

暖かさが滲み出ているようだ。


ん?なんだ?


俺はゆっくりとドアノブを捻り中へ入った。


「お兄ちゃん!おかえり!誕生日イブおめでとう!」


俺は咄嗟のことで何のことだかわからなかった。

そいえば、妹帰ってきてたんだっけ

ゲームやってて全然気づかなかった。


「誕生日………だと?」

「そうだよ明日はお兄ちゃんの誕生日じゃん!」

「そいえば……そんなこともあったな……」

「あたしお兄ちゃんのためにいろいろ準備したんだよ!」

「お、おう」


妹はさあ入ってという感じで俺をリビングに促してた。

リビングは朝とはまるで別の世界のように装飾が施されていた。

そこかしこに折り紙で作った輪っかがあり。

テーブルにはケーキや俺の好物の肉まで用意されていた。


「こ……これは⁉︎」


妹は照れている。

そいえばこいつは今の状況を把握しているのだろうか


「ところで、お前明日が何の日かわかってこれをやってるんだろうな?」

「お兄ちゃんの誕生日でしょ?」

「いや、そうじゃなく」

「えへへ、わかってるよだから最後にはやっぱり楽しいことしたい思って」


こいつはやはり滅亡のことについては十分わかっているらしい。


それもそうか妹は外に出たりしたし、世の中の人より倍ぐらい情報のない俺は違うだろうよ。

それを踏まえた上で最後の夜にしかもこんなひきこもりのような俺なんかにこんな盛大な誕生日を開いてくれて…なんて優しいやつなんだ!


「喜んでもらえた?」

「おう、もちろんだ!」


それから俺はこいつとご飯を食べた。最後の晩餐にしてはあまりにも充実しすぎているほどだった。


「ありがとな」

「えっ⁉︎どうして?」


俺はこの6日間、妹に悲しい思いをさせたかもしれない。

1人でご飯を食べていた情景が目に浮かぶほどだ。


「最後に相応しいパーティーだったよ」

「当然のことをしたまでだよ」

そうか、当然か……俺はなんでこんなやつを放ったらかしにしていたのだろうか………

「お兄ちゃん……私はずっと家族だから1人で悲しまないで、みんな悲しいんだよ」


妹は俺を慰めるような言葉かけてくれて妙に安心できた。


「そうだな、苦労かけてごめんな」

「苦労なんて…そんな」

「さあ、明日は命日で誕生日だ早く寝よう」


俺どっかの武士みたいだな、なんか誇らしい


風呂に入り、妹も風呂に入る。

ちょっくら覗いてくるかとかエロいことを考えていたが、

明日にはこの地球がなくなってしまう。

ということを考えてその思考は消えた。

考えるとやはりどうにも信じられないし眠れないという感情が抑えきれない。


だが、実際その風景が見えるのだ。ついさっき窓越しに空を見ていたら、確かにそこには月以外のものが上空にあるのが見えた。


さらに、冬なのにだんだん暑くなってきているのも肌に感じるほどだ。

やはり、この超常現象については誰にも予測できなかったのだろう。


しかし、予測できるといえば、あの紙を貼った組織だろう。

あの紙の事件から察するに、首謀者は世界的な組織だろう。

あの正体を探す気力もない政府はどうにも役に立たない。

じゃあ、なんとなく関わってそうな宇宙のこと調べてるあの組織なのだろうか?


いや今更考えたって遅い。


ああ………今日は寝れないかもな…

と思ったその時俺の部屋のドアが開いた。


入ってきたのは寝間着姿の妹だった。


「おおお、おい⁉︎どうした⁉︎」


俺はとっさのことで身を構えた。


「眠れないの一緒に寝ちゃダメ?お兄ちゃん?」


誰かこの状況を説明して欲しいってもんだ。

または、妹の取り扱い説明書でもいい。おかしい、こいつってこんなに積極的だったか?


いやしゃべってないしわかるわけないかというか、あったの数日前だし


まあ、俺も頭混乱してるし、こいつだってそのはずだ。

だからこんな行動に出たのかもしれない。

うん、きっとそうだ。そう理解しよう。そして、ここは受け入れるべきだ。


「んーじゃあ、いいぞ」

「ありがと、お兄ちゃん」


しかし、こいつは一体どういうつもりなんだろうか。

というか、こいついると寝れねぇ

エロいことを考えたがやめだやめ

まるで明日、地球が滅亡しないと心で思っているかのような考えをしながら俺は前言撤回を言う前に寝た。


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