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世界滅亡宣言 ー前編ー

俺が小学校の時に読み聞かされたのは世界が海に飲み込まれる話だ。

中学校では地球温暖化について習い、高校ではきっとこれから習うんだろうな。

だが、それは突然起きた。



チャイムが鳴り終わり、俺は男三人というむさ苦しい中での昼食をしぶしぶ楽しんでいた。

俺と中学校から一緒の島隆二と高校から友達になった竹中翔だ。

隆二は俺の親友にも値しない奴だが、なんだかんだ言ってまあ仲が良いわけだ。

竹中はどっかの三人組の中に必ず居そうな女子のことなら俺に任せろ的な奴である。



とそこで、竹中が話を始めた。

こいつが話すことは決まってこれだ


「女子のパンツって神社の奉納すべきものじゃね?」


竹中はいつ何時でも女子のあの部分がどうだのあの時のあの状態がどうだのと俺たちに言い聞かせてくる。


「いや、俺考えたんだけど洗濯物干してる時に親のパンツとか見るじゃん?

あれ全く欲情しねぇからやっぱり家族じゃダメだなと思ってよ」


竹中はこうドヤ顔で言っているが、俺としたらどうでもいい。

「お前はエロ以外の話できねぇよかよ」


「竹中には妹がいるんじゃなかったっけ?」


とそこで隆二が妹ならどうだ?と

言ってきた。

それ言い換えると妹が家族じゃないって言ってるようなもんだぞ。


「ありゃ妹じゃねぇよ、置物って感じだな」


仮にも妹だろ⁉︎


「いや、だって家に帰るとひたすらアニメ見てるんだぜ?

俺が起きてる間に動いたところ見たことねぇよ」


なるほど、要するにオタクか・・・

でも、家に人がいるっていうのは心が暖まるんだろうな。

俺が思いを巡らせている間も2人はあーだこーだ言っていた。


「それ親が何か言うんじゃない?」

「親も同類なんだよ」


話にならん。


俺は話にならないと思ったので、この話をスルーすることにした。

モクモクと食べているうちに三人の中で一番早く食べ終わった。

さっきの話に参加するのを控えたのが影響したのかもしれない。


しかし、暇だな。

竹中の話も俺の脳内ゴミ箱がパンパンになるぐらい話していて、はっきり言って飽きた。

だから、俺はトイレと偽って図書館に行く。


「おい、勇太!どこ行くんだよ!」


俺が立ち上がったのを不思議に思ったのか竹中は顔をしかめる。


「トイレに行くんだよ」


やれやれ感たっぷりな声で今にもため息吐くぐらいの言い方をしてやった。

図書館に行ってくるなどと言ったら、俺も行くから待っててくれなんてなんていうゴキブリ並みにしぶとい待ち時間を費やさなければならないからな。

単なる気まぐれで行くのに理由なんていらない。



俺の学校の図書館というのは普通の学校の図書館とはわけが違うくらいでかい。

また、校舎を離れた場所に位置づいている。

そして二階建てだ。


俺は入学初日に驚かされて腰を抜かして保健室に運ばれて以降、他の全てにおいて全く驚くなくなったのは事実である。


図書館に着き、この場所独特の少々カビ臭い匂いを嗅ぎながら、なにか面白い本はないかと探していると昼ご飯の肉がまだ生だったのか、それともトマトが腐っていたのがいけなかったのか教室に暖房が付いてないのが悪いのか急にトイレに行きたくなったので、図書館のトイレを急いで探した。


司書がいなかったので、自分でトイレを探したのだが、なかなか見つからない。

もう蛇口を捻ったら漏れるぐらいまで耐えてやっと見つかった。


しかし、おかしい


トイレは誰が磨いたかは知らないがとにかく新品そのものだった。


まるで今、即席で作った感じだ。


不思議に思いながらもその思考を停止させるものがトイレにはあった。


もちろん図書館だからなのだろうが、些か俺は腑に落ちなかった。


なぜなら便器の上に一冊の本が投げ捨てるように置いてあるではないか。

しかもここは男子トイレだ。

とすると、エロ本?

んなわけェねぇか


やれやれ、トイレが終わり次第竹中に早急に手渡そう。


だが待て視点を変えてみろ、もしトイレが暇な場所だと理解している人がいてあえてここに暇を持て余す使用人が来た時のために故意に置かれたのだとしたら・・・と考えると俺は素直にその考えに従い、急いでトイレに入り、用を済ませべく、個室のドアを閉め本を開いたのだった。


だが、俺はこの本の解読に走ろうとしてすぐに気づいたことがある。

エロ本じゃなかった!


じゃなくて!


なんだこれ?インダス?漢語?


俺にはこの本の解読をすることは不可能だろう。

はっきり言って何が書いてあるかさっぱりだった。きっと目が悪かったらこんな感じに丸しか書いてない文字が浮かび上がるんだろうな


しかし、やはりこの時間というのは案外勿体無いものだ。なので、読めないが続けて読むことにする。


俺の用が済むと同時にこの本も

見終えていた。


まあ、読むというよりかはパラパラとめくっただけだ。速読・・・いや読んでないけど


さて用も足したし、そろそろ戻りますか。


俺は水で流すところで最後のページを開いた。それが悪かった、そのページから

何かが落ちた。


それは封筒のようなもので色もなんだが赤黒い、まさかこんな意味のわからない本に重要な封筒らしきものが入っているとは思いもしないだろ?


俺は呆気にとられながら、その封筒は水とともにゴゴォォという詰まるような音を立てて流れて行ったのである。


「やべぇぇ⁉︎」


咄嗟のことで呆気にとられていたが、考えればこの本は他人のものだ。


しまったなぁ…まあラブレターやら呼び出しやらの手紙系等だったのならまた書き直せばいいし、謝れば許してくれるだろう。


俺は言い訳を考えトイレを後にした。

トイレに一切の疑問などもちやしなかった。



俺は本を返すべく司書のところへと

向かった。

その女性はさっきはいなかったものの、今はもう置物のごとく背筋をビシッと決めて座っていたので緊張気味に話しかける。


「すいません、これトイレに置いてありました」

「トイ……いえなんでもありません。でなんでしたっけ?ああ…本ですね。」


先生はトイレと言うのは下品だと思っているのか言葉を濁しながら本を見た。


「これはうちの学校のものじゃないですね」


まるで用意されていたのとでも言うかのように、率直に言った。


「え?でも図書館にあったんですよ」

「とにかく、これは違います……うーん、では一時預かってくれませんか?」



仕方ないので、一時俺が預かることにした。


教室に戻ってくるなり、俺は例の本を解読するのに耽っていた。


だが、やはり読めない。


数分立っても解読できない、もしかして、これは解読するためにあるのではなくて・・・と考え始めようとした瞬間。教室のドアがガシャンと開いた。


静かにしろよ、本読んでんだから

俺はその方向に目を向けるとそこには非常に焦った顔の島隆二がそこに立っているではないか。


ふと周りを見ると教室はガランとして俺の他に誰もいないことに気づいたのは今になってからだ。


そこで俺は質問する。


「なあ、みんなどうし……」

「そんなことはどうでもいい、というかそのことも含めてお前も早く来い!」


俺の質問が一瞬に打ち消された。

そんなことよりとは、また自分勝手な!


よく見ると、隆二はどうも落ち着かないようだ。


こいつはいつも平常心を保っている。

きっと富士山の噴火でも起こらない限り、驚きはしないだろう。


つまり富士山の噴火が起こるぐらいのものすごいことなのだろうか。


暇してたところだ、俺は隆二に連れられ教室を出た。


俺は後ろから隆二について行く、しかし俺は思う。


なにもそう安々とお前らのお楽しみに引っかかるわけにもいかない。


俺とて羞恥心たるものお持ちであるのだから。


よって俺は今隆二に対して人間観察実行中だ。

まあ思った以上早くに終わったんだがな。

隆二の顔を見ればあっさりわかる。


なぜかって?


隆二の顔がニヤついているからだ。平常心を保っているつもりなのだろうが、俺を驚かすか何かするかわ知らないが、とにかくこいつは俺を騙そうとしているんだろうな。


と俺の思考が完結したと同時に隆二は立ち止まった。


そこは学校の廊下、人はあまり通っていない、そしてクラスの連中が集まっている。


みんなクソ真面目な顔をしているが、隆二だけはニヤけているので連中の心情も丸分かりだ。

そう、隆二は昔っから演技下手くそだよな。


しかし、俺は空気が読めるのでみんなに従うことにしようか。

とそこで、クラスの男子学級委員が俺の前に出てきた。

はてさて俺は何かしただろうか?


「あなたですか…………はぁ」

「へっ?」


俺の予想していた言葉とはあまりにもかけ離れていたのでつい素っ頓狂な声を上げてしまった。


しかも、話そうとしたところで、なんかめんどくせぇとか思ってるその重苦しい溜息は一体なんだ⁉︎


「なに変な声あげてんのよ!あんたがさっきどっかに行ったのは私も承認になれるくらいよ!」


と女子学級委員も言う。


「ええと、はい確かにトイレに行きました」


俺はここでもネタを使っておいた。

いや、図書館のトイレには行ったか

しかし、返ってきた答えは


「あなたはトイレに行ってないわ」


ん?なぜわかる?


「ここの2人が教えてくれたわ」


とそこでびしっと指を指した先にいたのは隆二と翔だ。


こいつら、俺を追ってトイレに来たのかよ!ゴキブリつうか、ネズミかよ


「はい……………嘘ついてました。図書館にいました」


ここは素直に従おう


「図書館?ここに来たのではないの?」

「何しにこんなところにこなければならないんだ!

第一、図書館とは逆方向だぞ⁉︎」


女子学級委員は顎に手を当てて考えすぐ答えが出たようだ。


「それもそうね、じゃああなたがこれを貼ったのではないのね。

一体誰がこんな気持ちの悪いいたずらをしたのかしら」


学級委員はご立腹の模様だ。


一体何があったというのだろうか。

そう思い、俺は掲示板を見てみると、新聞やらボランティアの参加などの紙切れを通り越した圧倒的な存在感の紙が貼ってあった。


『7日後に世界は滅亡する』


そう書かれた文字は真っ赤、周りは墨汁をぶちまけたように真っ黒だった。確かに気味が悪い。


しかし、それと同時に俺も一つの予想が湧いた。そうイタズラだ。


よくよく考えてみれば、この紙はよく

目立つ。


なのに誰も気づかなかったということは、俺が図書室に行っていた時間帯にちょうど貼られたということになる。


確かに俺が一番怪しいな。


そんなんで揉めていると、臨時の放送があった。


『えー学校中に滅亡すると書いた紙を貼ったものは至急職員室………』


なんと学校中に貼られていたらしい、しかし俺は無実だ。


図書館にいてそんなことができる

はずもない。

そんな他人のことをいちいち心配している余裕などないのだ。

早く教室に戻ってあの本の続きが読みたい。いや読めないんだがな。


そんなんがあって、俺はそそくさと教室に戻った。今の事件を俺は信じない、みんな信じないだろうさ


いつもの教室だ。


しかし、俺の机の上に置いてあった本は無くなっていた。

んーまあもともと俺のじゃないしなこれでよかったのかな。

少々事件があったが、些細なことだ。


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