おまけ短編5 はじまりの相棒
「ねぇ、どういうほうきが強いほうきなの?」
小さな孫が、私に聞いてきた。
「ほうきを使う時、
穂の部分が光るだろう?
穂の部分を通じて、
世界に干渉しているんだ。
だから穂が多くて、
ふさふさの方が高い力が出せる。
だけど……」
「だけど?」
「一番大事なのは、相性なんだよ」
「相性?」
「ほうきは言葉は話せないけど、
意思を持ってるんだ。
道具じゃない。
相棒なんだよ」
「あいぼう……」
「魔法は、
その相棒と二人三脚で使うものなんだ」
(そういえば、
私も初めてほうきに触れたのは、
このくらいの歳だったかな?)
「ノエル、この中から、
お前に1本ほうきをあげるよ」
そう言った瞬間、なんだか場がざわついた気がした。
少し気になったけど、
いつも通り「まぁ、いいか」と流した。
私は何をするにも、雑らしい。
ふと、この子の周りを見て、ギョッとした。
全部のほうきが懐いている。
え~~!?
ここにあるのは、
どれも魔法使い用のほうきだ。
飛べるほうきは、
少しプライドが高い。
そんな連中が、
全員懐くなんて普通じゃない。
どうなってんの!?
「私、このコがいい」
そう言って差し出したのは、
師匠から譲り受けたほうきだった。
私とは相性が合わなかったコだ。
ほうきは、使われることで魔法を覚える。
しかも、このコは歴代の魔女が使ってきた。
内包する魔法は、数え切れない。
使いこなせれば、
きっととんでもない魔法使いになれるだろう。
ただ、古いほうきとの意思疎通は、
難しいと言われている。
人間も歳を取ると耳が遠くなるように、
ほうきも似たようなものらしい。
大丈夫かな?
生まれ変わってくれたら、最強なんだけど……
新しいほうきに、生まれ変わりますように……
あ、やば。
またクセで、願っちゃった……
大丈夫だよね。
そんな魔法、ないはずだし……
お読みいただき、ありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけましたら、
【ブックマーク】や【ポイント】で、
応援いただけると励みになります!




