優しい店主さん
お店に帰ると、喫茶店主のグレンさんが
コーヒーと軽食を用意してくれていた。
私の顔を見るなり、グレンさんが言った。
「この感想をもらえるかい? もちろん仕事だ。
ゆっくり味わって、ちゃんとした意見が欲しい!」
これもありがたい話だ。
感想が欲しいと言われた以上、気を抜くことはできない。
コーヒーに添えられていたミルクは、
普通のミルクではなく、ほのかに黄色い色をしていた。
何のミルクだろうか……。
少しだけ混ぜて飲んでみると、めちゃくちゃ甘かった。
入れすぎなくてよかった。
全部入れると、大変な事になりそうだ。
他は、どれもおいしかった。
正直に感想を伝えた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「部屋は空いてる。使うかい?」
「え?」
「2階に鍵付きの従業員用の部屋がある」
「家賃はいらない」
「ベッドや布団も置いているので、夜勤明けで眠かったら使ってくれ」
「でも……」
「遠いだろう」
「え、まぁ……」
「食事も付ける」
「え?」
「余るからな」
せっかくなので好意に甘えることにした。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
その夜。
鍵を受け取り、従業員部屋に入った。
とても静かな部屋だった。
ベッドも布団もクローゼットも、新品にしか見えなかった。
私は荷物を置き、腰を下ろした時だった。
ベッドの下に、一枚の紙が落ちているのが目に入った。
何気なく拾った。
納品書だった。
ベッド 1式
布団 1式
収納家具 1式
納品日:昨日
私は首を傾げた。
「昨日……?」
まあ、いいか。
明日は荷物を運ばないといけない。
そう思いながら私はベッドへ潜り込んだ。
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※※ 次回 6/26 21:00 公開 ※※
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