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【本編完結】飛べない魔女と古ぼけたほうき  作者: 秋月心文


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12/22

優しい店主さん

 お店に帰ると、喫茶店主のグレンさんが

 コーヒーと軽食を用意してくれていた。


 私の顔を見るなり、グレンさんが言った。


「この感想をもらえるかい? もちろん仕事だ。

 ゆっくり味わって、ちゃんとした意見が欲しい!」


 これもありがたい話だ。

 感想が欲しいと言われた以上、気を抜くことはできない。


 コーヒーに添えられていたミルクは、

 普通のミルクではなく、ほのかに黄色い色をしていた。

 何のミルクだろうか……。


 少しだけ混ぜて飲んでみると、めちゃくちゃ甘かった。

 入れすぎなくてよかった。


 全部入れると、大変な事になりそうだ。


 他は、どれもおいしかった。


 正直に感想を伝えた。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「部屋は空いてる。使うかい?」


「え?」


「2階に鍵付きの従業員用の部屋がある」


「家賃はいらない」


「ベッドや布団も置いているので、夜勤明けで眠かったら使ってくれ」


「でも……」


「遠いだろう」


「え、まぁ……」


「食事も付ける」


「え?」


「余るからな」


 せっかくなので好意に甘えることにした。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 その夜。


 鍵を受け取り、従業員部屋に入った。


 とても静かな部屋だった。


 ベッドも布団もクローゼットも、新品にしか見えなかった。


 私は荷物を置き、腰を下ろした時だった。


 ベッドの下に、一枚の紙が落ちているのが目に入った。



 何気なく拾った。


 納品書だった。



 ベッド 1式

 布団 1式

 収納家具 1式


 納品日:昨日



 私は首を傾げた。


「昨日……?」


 まあ、いいか。


 明日は荷物を運ばないといけない。


 そう思いながら私はベッドへ潜り込んだ。

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※※ 次回 6/26 21:00 公開 ※※

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