第5話 マジかよW 天使アマンダーのめちゃめちゃ展開②
さぁ、いよいよね。
アマンダーは、予定どおり北極海から、最強の生命体『謎の物体X』が出現したのを見る。
アマンダーは胸が高鳴った。
元の天使の姿なら、天空から見下ろすことができたが、今は人間の女の姿に化けている。
だから、今いる豪華客船からしか眺めることができない。
『謎の物体X』は、高さが海上から上空の空まで伸びていた。
そして、全身青色の『超巨大サイコロ』の姿をしていた!!
まさに怪獣の大きさをサイコロに変えたかのような姿。
生物なのかもわからない物体である。
アマンダーは、ふぅーと息を吐いた。
予想以上に体力が消耗している。
『謎の物体X』は、アマンダーの意思に導かれるかのように、日本のサトシが住んでいる街へと向かう!!
そのスピードは、まるでF1(モータースポーツのフォーミュラ1)のように速く、あっという間に日本のサトシの街へと着いてしまった!!
アマンダ―は、豪華客船のデッキから、『謎の物体X』が向かった先に目をやる。
アマンダーは、ふぅーと再び息を吐く。
人間の姿ではなく、元の天使の姿なら、こんなに疲れないのに。
勝手に元の天使の姿になると、『天空界』から追放される。
それだけは嫌だった。
「ちょっと、すいません。お嬢さん、私と踊りませんか」
育ちがいいい貴族生まれのような男が、声をかけてきた。
アマンダ―は、心の中で舌打ちをした。
『謎の物体X』をしっかりと見たくて、いつものミノタウロスの仮面を取ってしまい、素顔をさらしてしまっていた。
波のようなうねりのある長い金髪を、海風がなびく。
赤いドレスがフワッと、海風に舞う。
「ごめんなさい、またの機会にお願いします」
アマンダーは、深々と頭を下げて、誘いを丁重に断った。
オルーレは、今頃、眠ってるはず。
これで、確認終了……。
アマンダ―は、よろめきながら、自分の部屋へと戻って、ベッドに倒れ込んだ。
サトシは、親と共に急いで家の玄関から出た!!
父親が運転する車に母親と共に乗り、この街から出ようとする。
最初は、サトシの話を両親は信じてなかった。
しかし、テレビの緊急速報、北極海に出現した『謎の物体X』のニュースを見て、顔色が変わり、すぐに避難しようということになった。
オルーレが結界を張って家は無事だったんだから、今回も大丈夫なのではという考えもあった。
でも、テレビで見た、あの『超巨大サイコロ』の姿をした、通称『謎の物体X』は、見た瞬間ヤバイと感じた。
あの得体の知れないヤバイ奴が、この街に残虐非道な攻撃をしてくる。
もうそれだけで、いても立ってもいられなくなり、結局、両親と共に家から出ることを選んだ。
だけど、みんな考えることは一緒で、道路が大渋滞で進まない……!!
「仕方ない。遠回りだけど、道を変えよう」
父親はそう言って、ハンドルを切る。
母親は「今日の晩ごはん、何にしようかねぇ」と、呑気なことを言っている。
これから死ぬかもしれないのに、能天気だな。
サトシの心が、少し和らぐ。
その時だった!!
後ろから、青いレーザー光線が一直線に向かってきた!!
ズドォォォォォォォォンという爆発音が鳴り響く!!
渋滞していた車のほとんどが粉々に吹き飛ばされる!!
粉々にならずに吹き飛ばれた車は、地面に強く叩きつけられ、次から次へとガソリンに引火して、爆発を繰り返す!!
あっという間に火の海となる!!
サトシは、衝撃で車の窓を突き破って外へと放り出され、地面に強烈に叩きつけられる!!
両足からバキッという鈍い音がした。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁ、誰かぁぁぁぁぁ」
周囲は火の海で、全身火だるまになってる人達が悲鳴をあげている。
サトシは、意識が朦朧としながら立ち上がる。
『謎の物体X』からの攻撃か?
父さん母さん無事か?
激痛が足を駆け巡って思わず座り込む。
両足とも骨折したみたいだ。
黒い煙とガソリンの匂いが漂っており、目がしみてしょうがない。
鼻は感覚が麻痺しており、片方から鼻血が流れ出る。
「ゲホゲホッ」
煙を吸い込んだせいだろうか、咳が止まらない……。
ドォォォォォォォォォォン!!
ドォォォォォォォォォォン!!
遠くから爆撃みたいな音が聞こえる。
サトシは両方の耳を触る。
左の耳が潰れていた。
右の耳は出血しているが、なんとか大丈夫みたい。
サトシは激痛に耐えながら立ち上がり、足を引きずりながら、ゆっくり、一歩、一歩、進む。
熱い、熱すぎる。
周囲が炎に包まれているから当たり前か。
下を向けば、黒コゲになった人間の死体。
全身がグシャグシャに潰れている人間の死体。
そんなのばかり。
なので上だけを向く。
グシャグシャになって転がってる車から、ラジオの声が聞こえてきた。
ラジオは奇跡的に無事だったようだ。
<いまだに、あのサイコロの物体はー……攻撃を続けていますー……自衛隊は……全滅したようです……どうか……このラジオを聴いてる人……希望を捨てずに生きて……>
そこでボンッという音と共に車が引火して、そのまま爆発した!!
サトシは爆風で吹き飛び、地面にめり込んでいる折れた標識に、背中から激突する!!
サトシは地面に転がり落ちて倒れ込んだ。
まずい、意識が飛びそうだ………。
立たなきゃ、早く、ここから……。
また、後ろから、青いレーザー光線が一直線にこちらへ向かってくる!!
2発目かよ。
あ、これ死んだな。
サトシは覚悟して、目をつぶった。
ズドォォォォォォォォォォォン!!
2回目の爆発音が鳴り響く!!




