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サトシの人生をおもしろくしてくださいっ!!  作者: エロマンガ島の勇者
シーズン2 ファミレス・スカイピーチ編
33/34

第33話 マジかよW カツ丼決戦!! クライマックス!! 

「ふん。食材が互角なのは認めよう。だが、これは勝負。どちらかが勝ち、どちらかが負ける。勝者と敗者に分かれるのだ。総合力ではワシの勝ちだ」

 

 ハクマイは言った。


「それを決めるのは、キャッスル京子さんだ」

 

 チン毛大根は言った。


「そうだな。さて、そろそろジャッジ(判定)を聞かせてもらおうか。どちらの『カツ丼』の方が良かったか? うまかったか?」

 

 ハクマイは言った。


「難しいわ。本当にどちらもおいしかったから。3分考えさせて」


 キャッスル京子は言った。


「よかろう。3分待ちましょう」

 

 ハクマイは言った。

 

 キャッスル京子は、目をつぶって、腕を組んで考え込む!!

 

 3分間、誰も言葉を発することもなく、緊張感が包み込む!!


 チン毛大根。


 ハクマイ。


 マサヒロ。


 店長。


 『ホール』の春奈。


 『キッチン』の由美。


 互角の食材を用意した、『ホール』と『キッチン』のあやみ。


 他のスタッフ(従業員)。


 全員、固唾(かたず)をのむ!!

 

 こんなに緊張する3分間は、初めてだ……!!

 

 心臓の鼓動が早くなり、体が硬直し、心が押しつぶされそうになる!!

 

 キャッスル京子は、目を開ける!!


「……決めたわ」

 

 キャッスル京子は言った。


「判定結果を伝えます。勝ったのはー」

 

 キャッスル京子は、チン毛大根とハクマイを交互に見る!!


「勝ったのは、チン毛大根さんです!!」

 

 キャッスル京子は。判定結果を伝えた!!


「なっ、なんだと!?」

 

 ハクマイは驚く。


「や、やった……勝った……えっ!? マシで?」

 

 チン毛大根は信じられないといった様子。


「マジで俺の勝ちですか?」


 チン毛大根は聞く。


「はい。チン毛大根さんの勝ちです」


 キャッスル京子は同じことを言った。


「よっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーl!」


 チン毛大根はガッツポーズをする!!


「理由はなんだ? 食材は互角、料理の腕はワシの勝ち、総合力でもワシの勝ちだろうがっ!! バカタレ!! もう1度ちゃんと考えろ!!」

 

 ハクマイは興奮する!!


「好みですよ」

 

 キャッスル京子は言った。


「好みだと?」


 ハクマイは聞く。


「チン毛大根さんの『カツ丼』の方が、私の好みに合っていたんです。私の好みの味というか」


 キャッスル京子は言った。


「貴様の好みの味ってなんだ?」

 

 ハクマイは聞く。


「私、『甘党』なんです。甘いものが大好き!! チン毛大根さんとハクマイさんの『カツ丼』を比べたとき、どちらがの方が甘いか、甘さを感じたか、それだけを考えました。その結果、チン毛大根さんの『カツ丼』の方が甘さを感じました」

 

 キャッスル京子は答えた。


「そんな馬鹿なっ!! 小僧の『カツ丼』の方が甘さを感じたから、小僧の勝ちだというのかっ!?」

  

 ハクマイは納得できない。


「そうです。その甘さこそ、私の好みの味なんです!!」

 

 キャッスル京子は答えた。

 

 あのとき、ミスっておいてよかった!!

 

 チン毛大根は思い出す。

 

 勝負の『カツ丼』を作ったときのことを!!


✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕

 

 チン毛大根は、『カツ丼』を作り始める!!


 これで『カツ丼』を作るのは2回目。


 1度作ってるから、そんなに時間はかからないだろう。


 小さめの鍋に、水、だしの素、醤油、みりん、砂糖を入れて加熱する。


「あっ、やばっ。砂糖の量ミスった」


 『調理マニュアル』に書いてある通常の量よりも、砂糖が多く入ってしまった!!


「まぁ、いいか」


 そこまで味に影響ないはず。


 チン毛大根は、そのまま料理続行する!!


 沸騰を始めた鍋に、玉ねぎを入れて、3分ほど煮込む。


 沸騰している鍋に、とんかつを入れて、1分ほど煮込む。


 円を描くように、溶き卵を回しながら入れる。


 ふたをして半熟状になった卵を見ながら、同じように残りの卵も回しながら入れる。


 どんぶりの中に、ごはんを入れて、その上に作ったカツ煮をのせる!!


 最後に三つ葉を添えて、『カツ丼』が完成した!!


 チン毛大根は、『カツ丼』をおぼんの上にのせる。


 そして、そのままキッチンを出る!!


✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕


 まさか、あれが『勝敗』を分けるポイントになるなんて!!


 あれで、ハクマイの『カツ丼』より『甘いカツ丼』になってしまった!!

 

 でも、その『甘いカツ丼』が、キャッスル京子にとっては、好みの味だった!!


「ワシは認めんぞ!! こんな、こんな馬鹿な判定があってたまるかっ!!」

  

 ハクマイは結果を受け止めきれない!!


 マサヒロは、ハクマイの肩に手を置く。


「あなたの負けです、ハクマイさん。『十人十色(じゅうにんといろ)』というやつですよ。人の考え、好み、性格、価値観などは、人それぞれ異なり、まったく同じ人はいない。別の人が判定したら、ハクマイさんの『カツ丼』の方が好みに合って、ハクマイさんが勝ったかもしれない。でも、今日の勝負は、チン毛大根の『カツ丼』の方が、キャッスル京子の好みに合っていたんです。認めましょう」

 

 マサヒロは言った。


「クソッ……!! クソッ!! クソォォォォォォォォォォォォ!!」

 

 ハクマイは、悲痛な叫び声をあげる!!


「ワシが……このワシが……こんな小僧に……こんな小僧にぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 ハクマイは、膝から崩れ落ちる!!


「ハクマイ…………」

  

 チン毛大根は、あわれみの視線を送る。


「この『カツ丼勝負』、チン毛大根の勝ちとする!!」

 

 マサヒロは言った。

 

 マサヒロは、『カツ丼敗者契約書』を手に持って、この場の全員に見えるように高く上げる!!


「ハクマイさん、この『カツ丼敗者契約書』どおり、この『ファミレス・スカイピーチ』の『奴隷』として、超絶ブラック労働を一生やり続けてください!!」

 

 マサヒロは宣告する!!


「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!」

 

 ハクマイは、再び、悲痛な叫び声をあげる!!


 ハクマイは、両膝を床につけて、うなだれる!!


「マサヒロさん、引き分けじゃ駄目か?」

  

 チン毛大根は言った。


「引き分け? どうしてですか?」

 

 マサヒロは不思議そうに聞く。


「たまたま、キャッスル京子さんの好みに合って、俺が勝ったけど、総合力では、ハクマイの方が上だ。人は『十人十色』なんでしょ? 別の人がジャッジをしていたら、結果は逆になってたかもしれない。ちゃんと勝った気がしないんだ」


 チン毛大根は答えた。


「それでも、勝ちは勝ちです。あなたは勝利者です」


 マサヒロは言った。


「そこをなんとか引き分けで。引き分けなら、勝者も敗者もいないから、契約は無効でしょ?」


 チン毛大根は言った。


「そうですが……」


 マサヒロは迷っている。


「お願いします!! この『カツ丼勝負』、引き分けで!!」


 チン毛大根は、手を合わせてお願いする。


 マサヒロは、キャッスル京子を見ながら、

「……やれやれ。キャッスル京子さん、もう1度判定をしてください。この『カツ丼勝負』、引き分けですか?」

 と、聞く。


 キャッスル京子は、チン毛大根とハクマイを交互に見る。


「……はい。引き分けです。どっちも、最高の『カツ丼』でした!!」

 

 キャッスル京子は答えた。


「ありがとうございます」


 チン毛大根は頭を下げる。


「どういうつもりだ? ワシに貸しでも作るつもりか?」

 

 ハクマイは聞く。


「そんなこと考えてない。ただ、本当に勝った気がしなかったから」

 

 チン毛大根は答えた。


「情けは無用だぞ」


 ハクマイは言った。


「情けなんか、かけるかよ。俺は、そんなお人よしじゃないぜ」


 チン毛大根は言った。


 ハクマイは「フッ」と笑った。


「チン毛大根、まだ『カツ丼』の(あま)りはあるか? 食べてみたい」


 ハクマイは言った。


「少しだけなら」

 

 チン毛大根は『キッチン』へと行く。


 チン毛大根は、余った『カツ丼』をおぼんにのせて、ハクマイのテーブル席に置く。


 ハクマイは割り箸を持って、チン毛大根の『カツ丼』を食べ始める。


 ゆっくりと一口、二口食べて、その味をかみしめる。


 そして、そのまま一心不乱(いっしんふらん)に食べる!!


「どうです? 俺の『カツ丼』は?」


 チン毛大根は聞く。


「これが答えだ」


 ハクマイは、空になったどんぶりを見せた!!

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