第34話 マジかよW シーズン2 ファミレス・スカイピーチ編 ラスト
「ごちそうさま」
ハクマイは去って行く。
「さて、私も行くとするか」
ハクマイの後を追うように、マサヒロも去って行く。
「疲れた~。判定するのって、案外疲れるわ~。気楽に食べれない」
キャッスル京子も去って行く。
店長が手をパンパンと叩く!!
「さぁ、営業再開です。みんな、持ち場に戻って」
店長は言った。
スタッフ達が、ゆっくりと持ち場に戻って行く。
「やったわね!!」
『ホール』の春奈が声をかけてきた。
「『新潟の魚沼産コシヒカリ』用意しておいたんだけど。使わなかったのね」
『キッチン』の由美も声をかけてきた。
「勝ちましたね。あっ、引き分けか。食材とメモが、役に立ったみたいでよかったです」
食材を用意した、『ホール』と『キッチン』のあやみも声をかけてきた。
「春奈さん、由美さん、あやみさん、みんな、ありがとう!! 感謝してる!! あと、乱暴で下品な言葉を言って、すみませんでした!! もう大丈夫です!!」
チン毛大根は頭を下げる。
「フォローに苦労したわ。あんなに連発するなんて。思わず笑っちゃったけど。発作はもう出ないの?」
春奈は言った。
「はい!! もう出ません!!」
チン毛大根は力強く言った。
「乱暴で下品な言葉使いだったけど、おもしろかった」
由美は微笑む。
「すみませんでした!! 笑って水に流してください」
チン毛大根は頭を下げる。
「変なこと言う人だなとは思ってたけど、あれって発作だったんですか!?」
あやみは聞く。
「はい、そうです!! もう出ません!! 変なことばかり言って、すみませんでした!!」
チン毛大根は頭を下げる。
「さっきから、頭下げてばっかりね。乱暴で下品な言葉を吐いてた人とは思えない」
春奈は言った。
由美とあやみは、「アㇵㇵㇵッ」と笑った。
「すみませんでした!!」
チン毛大根は頭を下げる。
「そろそろ、『キッチン』に戻るわ。じゃあね、大根君」
由美は『キッチン』へと向かう。
「あたし、残業しないと」
あやみは言った。
「残業? ここって、残業あったんですか?」
チン毛大根は春奈に聞く。
「あやみちゃんは、途中でチン君の『カツ丼』の食材を用意するため、抜けているから、その中抜けした時間だけ働いてもらうのよ」
春奈は答えた。
「あやみさん、本当に申し訳ない!! 正直、あやみさんの食材とメモがなければ、互角の勝負に持ち込めなかった。とても感謝してる」
チン毛大根は言った。
「なんか照れますね」
あやみはモジモジする。
「マジありがとう」
チン毛大根は感謝する。
「やっぱり、なんか照れる。あたし、そろそろ行きますね。チン大根さん、またね」
あやみは、『キッチン』へと向かう。
「チン君は、これで完全に終わりよね? どうだった?」
春奈は感想を聞く。
「きつかった!! もう、本当に!! マジで!!」
チン毛大根は答えた。
「まぁ、そういう感想になるよね。『不眠不休』で『24時間休憩なし』だもんね」
春奈は言った。
「しかも『無給』です!! さらに、それが終わったら、人生を賭けた『カツ丼勝負』だったし!! もう、きつかったという感想しかないです」
チン毛大根は言った。
「そうよね。でも、そういうきつい体験って、いつの日か振り返ったときに、笑い話として花を咲かせるんじゃない?」
春奈は言った。
「そうなんですかね? 今は、そんなふうには思えないですけど」
チン毛大根は言った。
営業が再開されて、出入り口から客が入ってくる。
「お客さんがきたから、行くわ。本当にご苦労さま。またね」
春奈は客を出迎える。
チン毛大根は『スタッフルーム』に行く。
『スタッフルーム』で、『カツ丼勝負』の『キッチン』の調理服から、元の学生服に着替える。
なが~~~~~い1日だった。
『カツ丼勝負』の時間を含めると、1日以上か。
早く休みたい……!!
もう動きたくない……!!
と、いうか動ける状態じゃない……!!
身も心も疲労が限界を超えてる……!!
家に帰る力は残ってるんだろうか?
チン毛大根は、わずかな力を振りしぼる。
一歩、一歩、ゆっくり、進む。
チン毛大根は、『スタッフルーム』を出た。
『ホール』では、春奈が接客中。
チン毛大根は、目立たぬように、一直線にスタッフが出入りする『裏口』へ。
『裏口』から外へと出る。
外は、すっかり夜となっていた。
チン毛大根は、スマホの時計表示を見る。
21時30分と表示されていた。
チン毛大根はヨロヨロと歩く。
体中が悲鳴をあげる……!!
歩くだけが、こんなにきついとは!!
ヨロヨロと歩くこと1時間。
やっと、自宅に着いた。
チン毛大根は、玄関のドアを開ける。
チン毛大根は、くたびれた様子で、
「ただいま~」
と、言った。
「おかえり。オルーレから話は聞いてるわ。ごはん、食べてきた?」
母親が出迎える。
チン毛大根は、くたびれた様子で、
「まだだけど。疲れすぎて食欲わかない……。とにかく横になりたい……」
と、言った。
「そう。お風呂わかしてあるから、起きたら入りなさい。ごはんは冷蔵庫に入れておくから、レンジで温めて」
母親は言った。
「わかった」
チン毛大根は、階段を上がって、自分の部屋へと入る。
「なんとか戻ってこれた……」
チン毛大根は、ベットに倒れ込んだ。
もう、動けない……。
動きたくない……。
疲れた……疲れすぎた……。
ガチャッ。
オルーレが、ドアからひょっこりと顔を出す。
「やっと帰ってきた。どうだった? おもしろかった?」
オルーレは聞く。
アミムラも、ドアからひょっこりと顔を出す。
「もう寝ちゃった? 感想聞きたいんだけど」
アミムラも聞く。
2人は『なんでもできる力』を使って、チン毛大根の家族ということにして、一緒に住んでる。
オルーレが妹、アミムラが姉という設定。
『なんでもできる力』を使って、チン毛大根の部屋の隣に、新しくオルーレの部屋、その隣にアミムラの部屋を設置してある。
そして、2人は、ファミレス『スカイピーチ』のできごとに、最後まで参加せず、見てもいないので、どうなったか、気になって仕方がなかった。
チン毛大根からの返事はない。
もう、眠ってしまったようだ。
オルーレは、残念そうに、
「あー、もう寝ちゃってる」
と、言った。
「そっとしておきましょう。よっぽど、疲れたのね」
アミムラは言った。
チン毛大根は、寝言で、
「ギャーーーッ!! 『カツ丼』に喰われる!! やめて!! 誰かーーー!!」
と、叫ぶ。
オルーレとアミムラは、顔を見合わせる。
「かわいそうに。『カツ丼』の悪夢を見てるのね」
オルーレは言った。
「『カツ丼』の悪夢を見るなんて……いったい、どういう展開で終わったの? 『カツ丼』がどう関係してくるの? 気になるわ」
アミムラは言った。
「ギャーーーッ!! 『カツ丼』に喰われる!! やめろぉぉぉぉぉ!! 誰かーーー!!」
チン毛大根の寝言は続く。
オルーレとアミムラは、「アㇵㇵㇵッ」と笑う。
「お疲れさま、チン毛大根。よい悪夢を」
オルーレは、そっとドアを閉めた。




