弟32話 マジかよW カツ丼決戦!! もう、どうにでもなれ!! ③
チン毛大根は思い出す。
『カツ丼勝負』が始まる前。
『24時間超絶ブラック労働(しかも無給)』が終了する直前。
『ホール』で接客中の午後3時30分頃~4時までのことを。
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「大学って『埼玉』だっけ?」
春奈は聞く。
「はい。『埼玉農業大学』です」
あやみは答える。
「『山形』の『牧場』と『埼玉』の『農業大学』、そしてここか。いろいろ大変そうだな」
チン毛大根は言った。
「チン大根さんも大変ですよね? ここで24時間働いた後、ハクマイさんと『カツ丼勝負』するんでしょ?」
あやみは聞く。
「(口が勝手に動く)知ってたのか。ご褒美に俺様のウインナーを舐めさせてやろう。こんなチャンスめったにないぞ。ヘヘヘッ」
チン毛大根は言った。
「もう、みんな知ってると思う。『カツ丼勝負』は勝てそう?」
春奈は聞く。
「無理です」
チン毛大根は即答する。
「今日の夕方5時からですよね?」
あやみは確認する。
チン毛大根は店内時計を見る。
時計の針は、午後3時30分を指している。
春奈は、あやみに、
「私、『休憩』に入るから、あとはお願いね」
と、言って、足早に去って行く。
それが合図であったかのように、出入り口から客が入ってくる。
テーブル席の客が追加注文してくる。
チン毛大根とあやみは、それぞれ対応する。
時計の針は、午後3時40分を指している。
客は2、3人ぐらいで、暇な時間帯。
チン毛大根は、客が使った、テーブルの後片づけと席の掃除をする。
あと少しで4時だ。
やっと、『不眠不休』の『24時間超絶ブラック労働(しかも無給)』が終わる。
「『カツ丼勝負』、諦めないでください」
あやみが声をかけてきた。
「最後まで諦めないつもりだけど、たぶん無理だろうな」
チン毛大根は言った。
「どうして? 料理の腕はすごいけど、ハクマイさんも同じ人間です。つけ入るスキはあると思います」
あやみは言った。
「例えば、どんな?」
チン毛大根は聞く。
「う~ん……食材とか? ハクマイさんより、いい食材を使うとか」
あやみは言った。
「(口が勝手に動く)『キッチン』の由美も同じこと言ってたぜ!! よく聞け。暇さえあれば、スケベなことを妄想してる官能小説娘よ!! これは遊びじゃないんだぜ!! 真剣勝負なんだぜ!! ハクマイも同じことを考えて、こちらより上の食材を用意してくるはずだ!! 料理の腕も食材も太刀打ちできない」
チン毛大根は言った。
「ハクマイさんが、チン大根さんより上の食材を用意するんであれば、さらにその上をいってやりましょう!!」
あやみは力強く言った。
「(口が勝手に動く)さらにその上をイッテやりましょう、か……。そうだな。今日はおまえで1発イッテやるぜ!!」
チン毛大根は言った。
「何言ってるんですか!? ハクマイさんが、こちらより上の食材を用意するんであれば、こちらは、さらにその上の食材を用意するんですよ」
あやみは同じことを言った。
「(口が勝手に動く)そんな都合良く、ハクマイが用意する食材よりも、上の食材を用意できるかっ!! そんなこと考えてる暇があったら、俺様にどうやって痴漢されたいか、レポート書いて提出しなさい。ヘヘヘッ」
チン毛大根は言った。
「ハクマイさんが用意しそうな食材、なんとなくわかります」
あやみは言った。
「(口が勝手に動く)ほぅ。言ってみろ。逆に俺を痴漢するような勢いで。バレないように、こっそり俺のアソコを触ってるイメージで。今日、おまえと1発やることを想像してヌクことは決定してるが、返答によっては、2発ヌクことも考えてやろう。ヘヘヘッ」
チン毛大根は言った。
「おそらく、ハクマイさんが用意する食材は、肉は『鹿児島県産の黒豚』、タマゴは『夢王』、米は『新潟県魚沼産のコシヒカリ』だと思います。食材としては超有名だし、最高級食材です」
あやみは言った。
チン毛大根は腕を組みながら、
「だとすると、その食材より上の食材を用意すればー」
と、言って、考え込む。
「いや、その上ってあるのか? それが最高級食材なんだろ?」
チン毛大根は言った。
「……ありますよ。上かどうかわからないけど。私は、互角か、それ以上だと思ってます」
あやみは言った。
「それはなんだ? どんな食材だ? すぐ用意できるのか?」
チン毛大根は聞く。
あやみはスラスラと答え始める。
「肉は、『山形』の『平田牧場の金華豚』。ウチの実家も『山形』の『牧場』だから、繋がりがあって、最近、親が仕送りで送ってきました」
続けて、
「タマゴは、『埼玉』の『たかはしタマゴ』。少し前に『埼玉農業大学』のレポートのために、購入しました」
続けて、
「米は、『山形県産のつや姫』。小さい頃から、ずっと食べてます。今も自炊で使ってます」
続けて、
「一旦、家に戻らないといけないけど、チン大根さんが『カツ丼』を作る頃には、用意できるかな」
と、答えた。
「マジか!? マジで俺が『カツ丼』を作る頃には、用意できるのか?」
チン毛大根は驚く。
「たぶん」
あやみはうなずく。
客が出入り口から入ってくる。
「ついでに、食材説明のメモ用紙もつけておきますね」
あやみは言った。
「ありがとう!! ここまでしてくれるなんて!! 本当に感謝する!!」
チン毛大根は頭を下げる。
「お礼なら勝ってからにしてください!! 絶対に負けないで」
あやみは、ファイティングポーズをとって、客の出迎えに行く。
そして、とうとう午後4時となる!!
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チン毛大根は、ポケットからメモ用紙を取り出す。
『メモ用紙』には、あやみが用意した食材の説明が書かれている。
チン毛大根は、メモ用紙を見ながら、再び、自分が料理した『カツ丼』の説明を始める!!
「『幻の金華豚』は、生産頭数が少なく、とても貴重です。長い時間をかけて、丁寧に育てられています。繊細で柔らかい肉質、上品な脂の甘み、とろけるような口溶けで、極上の味わいを体験できます。豚肉の常識を変えるでしょう」
と、説明して、続けて、
「『自称・世界1おいしい・たかはしタマゴ』は、最高級のタマゴで、『キングオブエッグ』と呼ばれるほど、超濃厚な黄身でコクが強いです」
と、説明して、続けて、
「『山形県産つや姫』は、10年の歳月をかけて開発された、最高級の米です。大粒の大きさで、炊き上がりは、真っ白でツヤツヤした輝きです。甘味、うまみ、粘りなど、米のバランスも抜群です」
と、説明した!!
「説明どおり、肉もタマゴも米も最高だった!! ハクマイさんの『カツ丼』も最高だったけど、この『カツ丼』も最高!!」
キャッスル京子は言った。
チン毛大根は、スタッフ達が座ってるテーブル席に目をやる。
あやみと目が合う。
あやみはウインクする。
うまくいったね、という意味だろう。




