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あれから数週間後姫花に絡み出した芹香は頻繁に俺達の前に現れるようになった。 主に姫花に絡んでいるのだが。 そしてとある昼休み……
「姫花大丈夫か?」
「姫、最近疲れてるね? 原因はわかるけど……」
「あたしが芹香ちゃんに姫花に関わらないでって言ってあげようか?」
「ううん、大丈夫だよ。 心配してくれてありがとう。 あ、あの…… その代わりと言っちゃなんだけど…… り、陸君、少しくっついていいかな?」
姫花はまるでお願いと言うように俺を見上げそう言った。 大丈夫って言ってるけどストレス感じてるに違いないな。
俺は姫花にコクンと頷くと姫花は俺の胸に両手を当てそっとくっついた。
「陸君の心音が聞こえてくる…… なんだか落ち着く」
俺の胸に耳を当て姫花は安らいだ顔になっていた。
こんな俺でも姫花にこんな顔をさせられるんだと思うと俺も少し笑顔になる。
「いいな姫花。 あたしもりっくんにやってみよ!」
「ズルい空。 私も次やる……」
そして少しの間姫花は俺の胸に顔を埋めた後俺の顔に向き直りパッと笑顔になった。
「ありがとう陸君、元気漲ってきた!」
「あれだけ陸の胸の中で幸せそうな顔してればわかるわよ」
「りっくん次あたしね!」
空も姫花と同じようにして俺の胸に顔を埋めた。そして海も我慢出来なかったのか空と一緒に顔を埋めてきた。
「陸君って凄いね。私だけじゃなくて海ちゃんと空ちゃんも幸せそうに出来て」
「いや、俺の何が凄いかわかんないけどな、優柔不断なだけじゃないか?」
そう言うと姫花は口を押さえてクスクスと笑う。
「うふふ、でも実際私陸君といると凄く幸せな気分になるよ。 海ちゃんも空ちゃんもそんな顔してる。やっぱり陸君好きだなぁ」
「だって陸だもの。 私がこんな気持ちになれるのは陸だから」
「あははは、2人の想いを聞いてたらりっくんの心臓の音少し早くなってるよ。 照れてるのかな?」
「そりゃそんな事言われたら照れるだろ……」
そして午後の授業が終わり部活の時間になる。 空がバレーボール部に行き俺達も図書室へ行こうとすると最近では見慣れた影が横から出てきた。
「やっほ! これから部活?」
「そうだけど。 そういえば芹香って部活とか何入ってるんだ?」
「お! 私に興味あり? 私はね、裁縫部に入ってる事になってるかな! 1回しか行ってないけどね」
つまりこいつもサボり部か…… まぁそうじゃなかったら学校終わりにそっこーでカラオケとかに行ってないもんな。
「で? こんな所で何してんだ?」
「決まってるじゃん? 姫花に構いに来たの!」
「ええ? また私?」
「何? 嫌なの? 姫花って相変わらず冷たいよね、前からそう」
「え?」
一瞬芹香の声が低くなり表情も暗くなった気がしたけどすぐいつもの調子に戻った。
「姫、そんな事してないでテストも近いんだからとっとと図書室行って勉強しましょ?」
「え? あ、うん。 じゃあ行こっか陸君」
姫花に続き行こうとしたら芹香にグイッと手を引っ張られた。 力いっぱい引かれたせいか海や姫花よりも全然小さい芹香に尻餅をつかせられる。
「あれ? 陸!?」
「陸君?」
「私が陸を捕まえちゃった」
そう言った瞬間海や姫花の見ている前で芹香は俺にキスをしようとした。だがすんでの所で姫花が俺を引っ張り阻止した。
「芹香ちゃん今何しようとしたの!?」
「何って見ててわかんなかった? 姫花もしかしてまだした事ないの? 陸も可哀想にねぇ、お預けなんて」
その時パァンと乾いた音が響いた。
「え…… 姫?」
「は?」
姫花が芹香の頬を平手打ちしていた。それは一種の出来事だったので俺と海は驚いた。
「ご、ごめん。 でも………… 芹香ちゃんいい加減にして! 私の事が嫌いなら私だけにして!? 陸君を巻き込まないで!」
「はぁ!? いい加減にするのはそっちよ!」
今度は芹香が姫花に向かって平手打ちをした。
「バカ姫花ッ!!」
「姫ッ!」
俺と海は姫花に駆け寄った。 そしてその間に芹香は走り去って行った。




