オチ
『悔しかったら俺を惚れさせてみろ』
だと?
って、オイ。
笑っちゃうぞ? ん?
脱力しないのも山々なんだけど。
それよかずっとしたいことが。
乾いた笑い声とかあげていい?
この御曹司って奴、どうにも救えない。
救えないバカ。
救えないねホント。
救えないくらい傲慢。
で、不遜。
人の思いをバカにしてるとしか思えない。
人のことを何だと思っているんだろう。
私のことを何だと思っていやがるんだ?
私の言葉をどう思っていたんだ?
私はあんたに何と言った?
何と言い続けた?
本当に気付いていなかったのか?
私がどれだけあんたに向かって。
『コーキくぅぅーん、すっごーい、ソンケー、キョーコ、かんどーっ。かっこいー、きゃーステキーッ!』
と繰り返してきたと思うんだ。
どうしてそんなことしたか、本当にわからない?
脳味噌足りてないふりしてまとわりついた意味もわからない?
御曹司、あんたって奴は。
本当に、他人からの好意に鈍感だよな。
………………。
ああ、いいさ。
あんたがそうなら。
あんたがそうなら、私だって受けて立つ。
『惚れさせてみろ』だと?
ああ、いいじゃないか。
やってやるよ。
覚悟しな、御曹司。
ね、コーキくん?