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ちがくて、おなじもくひょう

この前、ジャンルランキングで18位だったんですよ!すごいのかどうか知らないけど、初めて一週間の僕は「すごい!」声に出してしまった

◆Ⅰ

殺し屋『佐藤』は“どんな場所だろうと依頼が来れば行く”という男で、『斉藤』も『伊藤』も面識があった。

 『伊藤』とは三年前にセレブ譲の護衛として雇われ共に一ヶ月間過した事もあった。その時はまだ伊藤も最強とは呼ばれておらず、まだ三下の時代だった。佐藤の体格は殺し屋とは思えない様な体格で、百九十センチ位ある長身に肩を超す長い黒髪。簡単に折れそうな細い体格で滑り台の様に湾曲な撫で肩。そのシルエットからあの日、伊藤には佐藤と捉える事が出来た。

 斉藤とは一度、同じ業界の『淺川』と三人で「人を平気で蹂躙する弁護士を殺してくれ」という依頼を受け、それからも何度か話した事もあった。


◆Ⅱ 

 殺し屋と言っても、人によって殺害方法が異なり、あらゆる呼び名があった。毒を使い命を奪う『毒殺屋』、車で的確に轢いいて地面に摩擦を生じさせて命を奪う『轢き屋』。

 その中でも伊藤はナイフを振り回し、躊躇無く人の命を剥ぎ取る事から『刺し屋』と呼ばれていた。そういう者すべてを統一させて『殺し屋』と呼ばれる様になっていた。

 そして、その刺し屋『伊藤』の元へ『追跡屋』と呼ばれる人物が彼の復讐に手を貸した。


【斉藤】

 喫茶店のカウンターで腰を預け、私はアイスコーヒーを片手に窓から覗ける景色を瞳に広げていた。カランッと氷がグラスの中で転がり、冷えた水滴を手の平で感じた。

 ガラスの先で歩く人々。犬に引きずられている女の子や、スーツに身を包み仕事に向かうサラリーマン。同じ空の下で、同じ地上に足を着けているのに、一人一人違う目標がある。そう考えると何故か感動した。

 この喫茶店にいる客も店員も目標があり、限られた時間の中で戦っている。携帯を弄る女子高生、グラスを磨く男。そして、私も同じく一つの目標に沈んで行く。

 スーツの上着に仕込んだ拳銃を確かめる。右手の指先が確かに実体のある物に触れ、確信する。「最近のは待ち合わせ時間も守れないのか」待ち合わせ時間は午前の十時の筈だったが、もう二十分は経過していた。このアイスコーヒーも二杯目だったりする。

 携帯電話を開き、時間を確認してはすぐに仕舞う。念の為携帯して来た小説は最後まで読み終わり、もう一冊持って来れば良かったと後悔をする。

 その時、客が来た事を知らせる扉に付いた鈴が鳴り、産毛を焼く様な熱から鳥肌が立つ様な冷え切った店内の境界線を跨ぐ。

 その店に入って来た客は私と待ち合わせをしている人物だった。自分が想像していた人物と一致し、私が右手を振る。『伊藤』は私の合図に気付き、此方に赴く様に歩く。


「年寄りを待たさないでくれないかな」

「へいへいすまんねー」

 

 私の言葉に適当に返事を吐き、隣のカウンターに腰を下ろす。腰を椅子に密着させると同時に「俺もアイスコーヒー。ガムシロップは二個」と指を二本立てて店員に指図した。

 何というか、今の時代の若者そのままというか、礼儀の知らない奴だな、と脳裏で呟き咳払いした。


【佐藤】

 追跡屋が私の居場所を突き止めた。・・・いつ?脳が困惑と煩悶が生じた疲弊を訴え、うろたえる。視界が歪み、頭に水が溜まったかの様に重い。

 右へ左へ重みが掛かり、首がポッキリと折れそうだった。目眩を招き、奇異な感覚が襲う。

 何者かに脳を嬲られている様な感触が広がり、溢れた汁を咀嚼する。右往左往しながら眩む目を擦る。足元が不安定になって恐怖という二文字が地面に広がる幻覚が視界に広がった。

 闇一色の地面に飲み込まれる様な感覚に沈み、呼吸が困難で酸素を吸えない。「うぁ・・・うぁぁあ・・」と声を漏らし、闇の地面から白色の腕が生えて伸びて来る幻覚まで生じた。


「やめろ・・・・やめろ・・・」


 瞼を腫らし、溢れた涙は恐怖に濡れていた。夥しい数の腕はゴムの様にうにょうにょ動き、「うぁ・・うぁぁ・・・うああぁぁ」螺旋を描いて吐き気を伴った。

 咄嗟に自分の左手の手首を噛み締め、血の気を引かせる。血管を潰す勢いで歯を食い込ませ、口の中に血の味がした。

 涙は滞る事無く大量に流れる。歯に沁みて血の生苦い風味と塩気が波紋を描いた。

 拳銃を握り締め、靴の踵を踏み潰して履いて外に出た。気付けば向かう場所も無く駆けていた。恐怖から逃げる様に、地面を強く蹴り涙に頬を濡らして「うあああああああああああああああああああ!!」


【伊藤】

 新着メール一件、赤と緑交互に点滅する携帯の画面を開く。そのファイルを開き、目を通す。『お前が探している殺し屋『佐藤』の居場所を教える。逃げられても大丈夫だ、GPSで奴の居場所はすぐに特定出来る。だが、ちゃんと千八百万は渡せよ』そう書かれたメールの下には『佐藤』の住所と自分の銀行口座が記されていた。

 斉藤からのメールの返信もまだだが、俺はすぐに追跡屋からのメールに返事をした。照りつける太陽の下で汗を滲ませながら当に待ち合わせ時間を二十分オーバーしている事に気付く。

 「やべ」すこし早足になりながら、喫茶店の看板を探す。同時にメールの返事も考えて、忙しなかった。

 左目の先が捉えたそれらしき喫茶店の前に立ち止まり、店名を確認する。合っている事を確認し、木製の扉を押す。

 店内に踏み入れた瞬間に、鳥肌が立つ様な冷房が身を包んだ。「さむっ」半袖のTシャツだけじゃ肌寒いと視線で訴えながら『斉藤』らしき人物を探す。

 老人で黒のスーツを着ていると言っていたが、辺りを見渡していると、こっちを見て手を振っている老人を捉えた。

 その方向へ進み、斉藤の隣にある椅子を引いて腰を下ろした。「年寄りを待たさないでくれるかな」俺が座るいなやそう注意して来た斉藤に、「へいへい」と適当に返事をして斉藤が片手に持っていたグラスを見て店員にアイスコーヒーを頼んだ。

 斉藤は「やはり君だったか」と言い、どうやら俺の事を存じている様だった。「俺はしらねぇけどな」自分の有名人ぶりに自惚れる。

 そして、復讐の二文字が闇と光を抱えて螺旋を描く。奈落に墜落して行く復讐の中で生き残るのは――俺だ。




もう少しでコロシチェッカーも終わりとなってきました。チェッカーが完結すると、『コロシルーム』が始まります。

アメブロでは書いた事のない作風なんでどうしてもライトノベルの様な書き方になっちゃうなぁーと。思います。

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