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第4話VSスライムその4 決着、そして俺達は雰囲気で囲碁を打っている

「――ってことで、これで終わりか? 本当に? また飛び込んでこない?」


「大丈夫なのです。スライムは可能性のない所には飛んでこないです。生存本能で」



 その後、なんやかんやで終わりまでたどり着いた。いや、途中にもいろいろあったんだよ。コウとかよく分からん言葉も出てきたし。当然スルーしたが。

 分からんルールは全てスルーだ。俺たちは雰囲気で囲碁を打っている。


 まあ、それはともかくとして、戦い終わった図がこれだ。

 白い方が俺、黒い方がスライムだ。


挿絵(By みてみん)


「それで、勝ってんのか、これ?」


「まず、今回は無いけど、明らかに生き残る可能性のない分身を消すです。その後に、それぞれの陣地を数えるです」


「で、どこが陣地よ」


「み、見て分からないですか? ほら、あきらかにそれっぽい所が陣地なのです!!」


「いや、わからんから、陣地の定義から教えて」


「……端っこと自分の分身に囲われた、何も無いスペースが陣地なのです。たぶん」


「やっぱり、お前も分かってねーじゃねえか!!」


「そんなの常識なのです!! 雰囲気でわかるです!!」



 やっぱり、こいつも雰囲気で囲碁を打っているようだ。


 盤面は4つに分かれている。

 万里の長城を作った後は横に壁を伸ばしていったからな。

 うち二つはスライムに埋め尽くされているが、残りには手つかずの土地がある。


 俺の分身と端っこに囲まれた土地、これが俺のポイントになる場所らしい。

 城壁に囲まれた手つかずの土地なら商業的価値も生まれるというようなイメージだろうか。


「でも、それ、日本ルールならではみたいなのです」


「知らんわ……」


 俺の脳みそに、余計な国際関係まで持ち込まないで欲しい。


 もう、俺は細かい所はこいつに任せることにしている。

 やってくれる奴がいるなら、もう、それでいいじゃん。

 どうせなら、楽しいとこだけ味わわせてくれ。


「…………盤面でこちらの方が明らかに良し。さらにこちらが後攻なので6.5ポイントのハンデがもらえるのです、なので――」


 女神はこちらを向いて、少し目を伏せると静かに笑った。

 その顔は、先ほどまでのアホっぽさとは無縁の、どこか寂しげで――


「ありがとうなのです。ボクを倒してくれて――」


「なんだそれ。え? どういう……?」


 そういうと、女神の体は足元から静かに崩れていく。

 徐々に形を失い、液体のようなものに変わっていった。


 それは、まるで、先ほどまで戦っていたスライムそのもので……


「騙してごめんなさいなのです。ボクは――


 ――女神様なんかじゃなくて化けていただけ、だったのです」


「…………どうりで女神にしてはアホっぽいと」


「これでも女神様よりは賢いのです!!」


「本家は、スライム以下かよ!?」


 ヤバい女神がいたものだな、おい。

 女神……スライムが言うには、本物の女神は、すでにこの世界には居ないのだという。50年前に来た勇者と駆け落ちして、どっかの世界に行ってしまったらしい。


 結果、世界はこの場所を残して魔神の領域に。

 魔神がここを潰さないのは、そこそこ強い勇者が来るのを待っているためだという。


「絶対に自分が負けないくらいのイキってる勇者を、ボコボコにするのが魔神最大の娯楽らしいのです」


「こっちはこっちでロクなもんじゃねえ!!」


 ***


「それで、俺はこの後、どうすりゃいいんだ?」


「次の相手は用意されているのですが……そこに行く前にボクと修行なのですよ」


 この場所には、過去の勇者が残した書物も多くあるという。

 正直めんどいが、今のままでは勝ち目もないか。


 そういえば、勇者と駆け落ちしたという女神。

 勇者は日本人限定ってことは、駆け落ちしたのは当然日本人だから――高確率でうちの世界来てねえ?

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