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第3話 VSスライムその3 『眼』が二つあればいいらしい。それはそれとして、陣地とは……

「ちょっと待て。囲むって外側だけじゃないの!?」


「ええ!? そこからですか? 当たり前じゃないですか!!」


「だから、その当たり前は、俺にとって当たり前じゃないんだって……」


 最初から思っていたことだが、この女神……

 説明が壊滅的にヘタだ。

 というか、教える気があるようにはとても思えない。


「だから、大気に触れている部分を全部ふさぐって言ったじゃないですか!! 内側でも空いてるところがあったら当然ダメなのです!!」


「じゃあ、スライムを消すためには、スライムの、体の中の、あの狭い隙間に分身をぶっ刺さないとダメってコトッ!?」


「外側全部埋めた後なら、どうにかなれーの精神で突っ込めばいけるです!!」


「分身でもやりたくねえ……」



 つまりはこういうことらしい。


 体の中のスキマ……もう眼で良いか、が一つの場合は、周りを全部囲んだ後に突っ込めば消せる。だが、眼が二つの場合はどうやっても消せない。それが囲碁のルールだということだ。



「――で、俺の分身を消されたところは、自動的にその『眼』になるから……」


「スライムはもう一個、『眼』を作ってしまえば絶対に消えない形になってしまうのです。」


「つまり、さっきの簡単に分身を消された手は……」


「百害あって一利なし!! 利敵行為ってやつなのです!!」


「マジかー」


 衝撃の事実に軽くへこむ。

 負けるのは仕方が無い事だと割り切っているが、利敵行為は普通にイヤだ。



 そのとき、ふと新たな疑問が湧いてくる。


「なあ、その『眼』が二つあったら消えないんだよな?」


「そういうことなのです!」


「じゃあ、お互い『眼』が二つあったら、生き残るんだよな?」


「当たり前です! なにを気にしてるですか!?」


「ということは――どうやって勝ち負けつけるんだよ!?」



 そう、一回目の時は、俺の分身が全滅して女神が諦めたから、俺は死んだのだ。


 だが、今回はそうはなりそうにない。


 スライムたちは『眼』がそれぞれ二つあるし、おれの城壁も『眼』を二つ作るのは難しくない状態だ。



「そんなのは決まってるです!! 陣地が広い方が勝ちなのです!!」 


「じ、陣地……?」


「陣地は生命力に変換されるです。分身を消した時に得られるものと同じなのです。その合計が大きい方が勝つです。実際にどつき合うフェーズは省略です。見てられないので……」


「い、いや、そんな一気に言われてもだな。だいたい、その陣地ってどうやって決めるんだよ?」


「それはお互いの合意に決まってるです」


(合意……? スライムと?)



 また、新たな概念が出てきた。

 というか、分からない事しかない。


 勝敗がお互いの合意って、それゲームがなりたつのか。

 合意しなかったら延々と続くのか。


 それにさっきみたいに、スライムが陣地内に飛んできたら、それは俺の陣地なのか、スライムの陣地なのか。


 分からない、分からない、分からない………

 俺はひたすら考えたが、チンプンカンプンだ。


 そして俺は考えるのをやめた―――


 ***


「――というわけで、終わりの判断とかはお前に任せるからな!!」


「了解なのですよ!!!」



 一応分かる奴が隣にいるのだから、そいつに丸投げで良いだろう。


「よし!! 今回はとにかく、全滅しないで生き残る!!」


 俺は、当初の目的を思い出し、ゲームを継続するのだった。

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