第七話 新装備と百五十のスキル
翌朝。
朝食を済ませた私は、宿の部屋で昨日上がったレベルを確認していた。
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《リリス・ルクスヴィア》
Lv30
保有SP:28,930
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「いっぱいある」
レベルが五つ上がったことで、SPもかなり増えている。
せっかくなので、前から欲しかったスキルをまとめて取ることにした。
探索。
戦闘。
魔法。
採取。
生産。
錬金。
それに成長補助や幸運系。
さらに条件を満たして表示された上位スキルもまとめて選択する。
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《スキル一括取得・強化》
新規基本スキル 100種
《索敵》
《隠密》
《気配遮断》
《弓術》
《狙撃》
《精密射撃》
《弱点看破》
《魔力強化》
《鍛冶》
《裁縫》
《金属加工》
《皮革加工》
《魔物素材加工》
《装備強化》
ほか
全てLv10
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成長・幸運系スキル 20種
《必要経験値減少》Lv10
《必要技能熟練度減少》Lv10
《幸運強化》Lv10
《採取幸運》Lv10
《採掘幸運》Lv10
《解体幸運》Lv10
《レア素材発見》Lv10
《素材品質上昇》Lv10
《錬金幸運》Lv10
《製作品質上昇》Lv10
ほか
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上位スキル 30種
《上級錬金術》Lv10
《上級調合》Lv10
《上級素材精製》Lv10
《上級装備錬成》Lv10
《上級魔力付与》Lv10
《上級鉱石精錬》Lv10
《上級金属加工》Lv10
《上級魔物素材加工》Lv10
《魔導装備製作》Lv10
《素材特性融合》Lv10
《上級剣術》Lv10
《上級盾術》Lv10
《上級鑑定》Lv10
ほか
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取得・強化スキル
合計150種
消費SP:1,500
残存SP:27,430
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「よし」
一気に増えた。
細かい確認は使う時でいい。
ゲームでも新しいスキルを取った直後に説明文を全部読むタイプではなかった。
「それより素材」
《インベントリ》を開く。
昨日の《西ルミナス森林》で集めた素材が大量に入っている。
《森薬草》。
《魔力茸》。
《月光茸》。
《青樫材》。
《鉄鉱石》。
《創晶石》。
フォレストウルフの素材。
そして――。
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《アーマーボアの遺骸》
×8
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「今日はこれ」
昨日の討伐時にも《アーマーボアの硬皮》などは手に入った。
でも遺骸は丸ごと残っている。
せっかく《解体Lv10》があるのだから、自分で解体してみたい。
それに。
「新しい装備も作ろう」
昨日装備を強化したばかり?
そんなのは関係ない。
もっと良い素材が手に入ったなら、もっと良い装備を作ればいい。
古い装備は《インベントリ》へ入れておけばいいのだから。
◇◇◇
錬金術師ギルドへ向かい、大型魔物用の解体場を借りた。
「アーマーボア八体ですか……」
「はい」
「昨日倒した?」
「はい」
「……もう驚かないようにします」
受付の女性が何かを諦めたような顔をしていた。
私は解体場へ移動し、アーマーボアを一体取り出す。
「《解体》」
Lv10の《解体》に加え、さっき取得した《解体幸運》《素材品質上昇》《希少部位発見》も働く。
作業自体はあっという間だった。
硬皮を剥がしたところで、内側に密集した黒褐色の毛皮が現れる。
「これいいかも」
《上級鑑定》。
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《アーマーボアの柔毛皮》
分類:魔物素材
品質:良質
柔らかく密度の高い毛皮。
保温性、耐摩耗性、
衝撃吸収性に優れる。
鎧下、防寒着、
防具の内張りなどに適した素材。
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「鎧下にぴったり」
残りもまとめて解体する。
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《アーマーボア》
×8
解体完了
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《アーマーボアの硬皮》×164
《アーマーボアの柔毛皮》×96
《アーマーボアの牙》×62
《アーマーボアの骨》×188
《アーマーボアの腱》×104
《アーマーボアの肉》×580
《アーマーボアの脂》×82
《アーマーボアの血》×16瓶
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「十分」
防具。
盾。
鎧下。
剣。
それに――。
「弓も作れる」
《アーマーボアの骨》は硬い。
《青樫材》は硬さと弾力を持つ。
《アーマーボアの腱》は丈夫。
組み合わせれば、かなり強い弓になりそうだ。
「全部作ろう」
◇◇◇
装備加工用の錬金室を借りる。
今回は今までの装備を改造するつもりはない。
全部、新しく作る。
必要な素材を《インベントリ》から取り出した。
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《装備製作》
使用素材
《アーマーボアの硬皮》
《アーマーボアの柔毛皮》
《アーマーボアの牙》
《アーマーボアの骨》
《アーマーボアの腱》
《青樫材》
《鉄鉱石》
《創晶石》
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「《上級錬金術》」
必要な形を思い浮かべる。
防具。
鎧下。
盾。
剣。
弓。
そして矢。
「《魔導装備製作》」
光が素材を包む。
しばらくして、次々と完成品が現れた。
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《製作成功》
《剛猪革鎧》
品質:上質
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アーマーボアの硬皮を主体とした
軽量型の全身防具。
高い防御力と耐衝撃性能を持ちながら、
動きを妨げにくい。
《創晶石》による
魔力伝導補助を備える。
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「いい」
黒褐色を基調とした革鎧。
胸、肩、腕、腰、脚をしっかり守っているけれど、金属鎧ほど重くない。
続いて。
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《剛猪毛鎧下》
品質:上質
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《アーマーボアの柔毛皮》を主体に製作した
防護用の鎧下。
上衣:暗灰色
下衣:黒
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衝撃吸収
耐摩耗
保温
温度調節補助
軽度防水
魔力伝導補助
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「こっちも上質」
早速触ってみる。
柔らかい。
でも普通の布よりずっと丈夫だ。
鎧の下に着るなら、前の《厚布の鎧下》より明らかに良い。
次。
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《剛猪小盾》
品質:上質
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《青樫材》を主体に、
アーマーボアの硬皮と牙、
鉄材を組み合わせた小型盾。
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防御力上昇
耐衝撃性能大幅上昇
耐久性上昇
突進攻撃耐性
魔力伝導補助
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「盾も新しくなった」
そして。
今一番使っている武器。
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《剛牙鉄剣》
品質:上質
分類:片手剣
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精錬鉄と
《アーマーボアの牙》を使用した戦闘用剣。
硬い魔物素材を切断することを目的とした
高い斬撃力と耐久性を持つ。
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斬撃力上昇
貫通力上昇
耐久性上昇
硬質素材への攻撃補正
魔力伝導補助
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「おお」
灰銀色の刀身。
以前の《鉄牙剣》より少し厚く、硬い相手を叩き斬るのに向いている。
《鉄牙剣》は《インベントリ》へ収納した。
まだ十分使える。
予備として取っておこう。
「でも次は、もっと切れる剣が欲しい」
この剣は上質。
それでも、もっと上がある。
新しい魔物素材を見つけたら、また作ればいい。
◇◇◇
そして。
「これも楽しみ」
錬金台の上には、新しい弓が置かれていた。
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《剛骨牙弓》
品質:上質
分類:複合弓
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《青樫材》
《アーマーボアの骨》
《アーマーボアの牙》
《アーマーボアの腱》
《創晶石》
から製作された強弓。
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高威力射撃
射撃安定
射程上昇
貫通補正
耐久性上昇
魔力伝導補助
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「強そう」
青樫を基調に、白灰色の骨材と牙が組み込まれた弓。
引いてみる。
「軽い」
本来ならかなり強い張力があるはずなのに、《身体強化》や《筋力強化》のおかげで簡単に引ける。
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《弓術》Lv10
《狙撃》Lv10
《精密射撃》Lv10
《軌道予測》Lv10
《貫通強化》Lv10
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「せっかく取ったし、使わないともったいない」
剣だけで戦う必要はない。
遠くなら弓。
近づかれたら剣と盾。
その方がずっと便利だ。
「矢もいっぱい作ろう」
鉄鉱石は大量に余っている。
青樫材もある。
必要なだけ作れる。
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《鉄矢製作》
《鉄鉱石》
《青樫材》
《アーマーボアの腱》
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《上級金属加工》
《上級木工》
《上級錬金術》
発動
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《青樫鉄矢》
品質:上質
×1,000
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鉄製の鏃と
青樫製の矢柄を持つ戦闘用矢。
通常の木矢より耐久性が高く、
高威力の弓でも安定して使用できる。
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「千本あれば、とりあえず十分かな」
全部へ収納する。
でも戦闘中に毎回から一本ずつ取り出すのは面倒だ。
「そうだ」
私はアーマーボアの革とアルケリウム、それから魔石を取り出した。
「矢筒も作ろう」
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《魔導装備製作》
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《自動補充矢筒》
品質:上質
分類:魔導具・矢筒
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《インベントリ》と連動する
特殊な魔導矢筒。
収納した矢が減少すると、
登録済みの同種の矢を
《インベントリ》から自動補充する。
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登録矢種
《青樫鉄矢》
自動補充:有効
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「便利!」
矢筒へ二十本入れる。
一本抜く。
直後。
シュン。
《インベントリ》から矢が一本転送され、再び二十本になった。
「おお……」
もう一本。
シュン。
また補充。
「これなら残り本数を気にしなくていい」
《インベントリ》に矢が残っている限り、勝手に補充される。
「ゲームっぽい」
こういうのでいい。
便利なスキルがある。
素材もある。
だったら便利な物をどんどん作ればいい。
◇◇◇
新しい装備へ着替える。
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《現在装備》
武器
《剛牙鉄剣》
品質:上質
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遠距離武器
《剛骨牙弓》
品質:上質
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矢
《青樫鉄矢》
品質:上質
残数:1,000
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矢筒
《自動補充矢筒》
品質:上質
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盾
《剛猪小盾》
品質:上質
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鎧
《剛猪革鎧》
品質:上質
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鎧下
《剛猪毛鎧下》
品質:上質
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「全部上質」
昨日までの装備は、そのまま《インベントリ》へ収納した。
捨てる必要はない。
でも使う装備は新しい方。
「これでかなり戦いやすくなったかな」
剣を腰へ。
小盾を左腕へ。
弓と矢筒を背負う。
装備が増えたけれど、《身体強化》があるので重さはほとんど気にならない。
それに、弓は常に背負っておく必要もない。
使わない時は《インベントリ》へ入れておけばいい。
「よし」
◇◇◇
錬金室を出ると、ガレスさんと鉢合わせた。
「リリス」
「おはようございます」
「朝から何を作って――」
ガレスさんの目が私の装備へ向いた。
一度止まる。
「……昨日と全部違わないか?」
「新しく作りました」
「全部?」
「剣と盾と鎧と鎧下と弓と矢と矢筒です」
「…………」
「ガレスさん?」
「いや」
額へ手を当てられた。
「一晩で随分思い切ったな」
「素材があったので」
「昨日作った装備は?」
「《インベントリ》です」
「改造したんじゃないのか?」
「新しい素材があるなら、新しく作った方が早いので」
「……確かにな」
ガレスさんが少し笑う。
「錬金術師らしいというより、冒険者の装備更新としてはかなり豪快だ」
「次はもっと強い剣を作りたいです」
「もう次か」
「はい」
「その剣、今完成したばかりだろう?」
「でも新しい素材が手に入ったら作れますよね?」
「まあ、作れるが……」
私は期待してガレスさんを見る。
「何かあります?」
「ある」
ガレスさんが素材図鑑を取り出した。
「今のアーマーボアの牙より、刃物向きの素材がな」
開かれたページには、大型の蟷螂が描かれていた。
その両腕。
巨大な鎌。
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《鋼刃蟷螂》
Lv25~30前後
種族:蟲系魔物
鋼のように硬く鋭い
鎌状の前脚を持つ大型魔物。
森林深部や岩山周辺に生息。
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主素材
《鋼刃蟷螂の鎌刃》
《鋼刃蟷螂の外殻》
《鋼刃蟷螂の魔石》
レア素材
《鋭刃核》
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「これ欲しい」
「即答か」
「剣にすごく向いてそう」
「向いている。特に鎌刃は優秀な刃材だ」
「他には?」
「欲張るな」
そう言いながら、ガレスさんは次のページを開いた。
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《黒鋼鉱》
分類:金属鉱石
品質:普通~
通常の鉄より硬く、
粘りにも優れた上位鉄系素材。
武器、防具、
高耐久工具などに利用される。
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「黒鋼……」
「鋼刃蟷螂が確認される岩山周辺では、黒鋼鉱が採れる場所もある」
「両方欲しい」
「だろうな」
頭の中に新しい武器が浮かぶ。
黒灰色。
中型。
片刃。
鋼刃蟷螂の鎌刃を使った、斬撃特化の剣。
「名前まで浮かびそう」
「まだ素材すら持ってないぞ」
「先に考えるのも楽しいので」
「ただし、そこへ行くなら先に冒険者ランクを上げろ」
「Eランクですね」
「ああ」
そういえば昨日、昇格試験の話が出ていた。
「じゃあ、冒険者ギルドに行ってきます」
「今からか?」
「はい」
「……本当に行動が早いな」
◇◇◇
冒険者ギルドへ入る。
受付にいるエレナさんへ近づいた。
「おはようございます」
「おはようございます、リリスさん――」
視線が止まった。
剣。
盾。
鎧。
弓。
矢筒。
そしてもう一度、私の顔。
「……昨日の装備は?」
「新しいの作りました」
「昨日、装備を試しに森へ行きましたよね?」
「はい」
「それを今日もう交換したんですか?」
「良い素材が手に入ったので」
「…………」
エレナさんが静かに息を吐いた。
「もう装備について驚くのはやめます」
「前にも似たようなこと言ってませんでした?」
「言いました。そして失敗しました」
何が失敗なんだろう。
「ところで、Eランクの試験なんですけど」
「ああ、それならちょうど話そうと思っていました」
エレナさんが一枚の書類を取り出した。
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《Eランク昇格試験》
受験者
リリス・ルクスヴィア
試験実施
明日
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「明日?」
「はい。実績確認が終わりました。受験資格に問題ありません」
「受けます」
「今度は正式に言って大丈夫ですよ」
「やった」
Eランク。
その先には、新しい依頼。
新しい土地。
新しい魔物。
新しい鉱石。
《鋼刃蟷螂》。
《黒鋼鉱》。
そして、その素材から作る新しい黒い片刃剣。
「明日、頑張ろう」
腰の新しい剣に触れながら。
私はもう、その次に作る装備のことまで考えていた。




