第七十七話 星温室の種子保管庫
「では、種子保管庫を確認しよう」
リリスが白金色の鍵を持ち上げる。
細長い鍵の内部には。
小さな星々が、液体のようにゆっくりと流れていた。
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《星温室種子保管庫の鍵》
品質:古代級
所有権
パーティー《黒月》
機能
・種子保管庫の解錠
・保管種子の状態確認
・適正数量の持ち出し
・無断複製防止
・生命情報記録
注意
保管庫内部では、火属性魔法と広域攻撃を禁止します。
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「火属性魔法は禁止」
リリスが声に出して読む。
『最後まで読んだな』
「昨日より成長してる」
「それを胸を張って言うことではありません」
フィオナが苦笑する。
「広域攻撃も禁止か」
シグレは《白雨星刀》へ視線を落とした。
「刀を抜く必要はなさそうだな」
「たぶん、戦闘用の場所じゃないよ」
『お前の言う、たぶん、は信用できん』
「今回は管理者権限もあるから大丈夫」
『邪神を召喚する前も、似たようなことを言っていたな』
「クロ、昨日のことをずっと引きずってるね」
『生涯忘れん』
リリスは鍵に魔力を流した。
白金色の光が、巨大な古代星樹の根元へ伸びる。
土の下。
銀色の根が複雑に絡み合っていた場所へ、星形の鍵穴が浮かび上がった。
鍵を差し込む。
軽く回すと。
古代星樹の根が、左右へゆっくりと分かれていった。
その奥に現れたのは。
地下へ続く、白い石造りの階段だった。
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《星温室種子保管庫》
封印解除。
内部環境を起動します。
温度:適正
湿度:適正
時間停止率:99.999%
生命維持術式:正常
侵入者識別:完了
管理者一行の入室を許可します。
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「時間が、ほとんど止まってる」
「種子が劣化しないようにするためでしょうか」
「うん。五百年以上放置されてたのに、全部無事かもしれない」
リリスの声が僅かに弾む。
『目が完全に素材を見つけた時のものになっているぞ』
「種子は大事だよ」
希少な植物を一度採取するだけなら。
素材として使い切れば、それで終わる。
しかし。
種子があれば。
土壌と環境を整え。
時間を掛けて育てることで、何度でも収穫できる。
屋敷の庭園。
将来の工房。
自分の領地。
さらに。
いつか造る人工ダンジョンや街にも利用できる。
「根こそぎ持っていくなよ」
シグレが念を押す。
「持ち出し可能数だけにするよ」
「全部持っていけないことを残念がっていませんか?」
「少しだけ」
『正直なのは結構だ』
◇◇◇
階段を下りる。
一段進むたびに。
外の温室から聞こえていた水音や葉擦れが、遠ざかっていった。
代わりに。
低く、規則正しい魔導音が聞こえてくる。
階段の先には。
円形の巨大な空間が広がっていた。
壁。
床。
天井。
すべてが白い結晶で作られている。
空間の中心には、幹のような太い白金色の柱。
そこから数千本もの枝が伸び。
一つ一つの先端へ、透明な小箱が浮かんでいた。
箱の内部には。
色も形も異なる種子が収められている。
青い宝石のような種。
小さな星形の種。
虹色に輝く種。
呼吸するように明滅する種。
黒い殻の中へ、赤い光を宿した種。
「すごい……」
フィオナの狐耳が大きく立つ。
「いくつあるのだ」
「今、数えるね」
リリスが《万象解析》を発動した。
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《星温室種子保管庫》
保管区画:1,200
保管容器:48,000
登録種子:12,684種類
現存種子総数:8,725,411粒
正常個体:8,724,978粒
要治療個体:433粒
死滅個体:0粒
未登録種子:3種類
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「一万二千六百八十四種類」
『お前が目標にしていた素材一万種類を、この場所だけで超えたのではないか』
「全部が未知素材とは限らないよ」
「それでも、途方もない数ですね」
フィオナは目の前の小箱を見上げる。
「これほどの種子を、古代の人々は何のために集めたのでしょう」
「災害や戦争で植物が失われても、復元できるようにしてたのかも」
シグレが腕を組む。
「世界が滅びかけた時のための保管庫ということか」
「可能性は高いね」
リリスは中央の白金柱へ近づいた。
表面に手を触れると。
古代文字が静かに浮かび上がる。
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星温室種子保管計画
目的
・植物種の絶滅防止
・災害後の生態系再建
・食料種子の恒久保存
・薬用植物の保存
・精霊植物の保護
・世界環境の復元
最終管理者記録
「種子は、まだ存在しない未来の命である」
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リリスは。
その最後の一文を、しばらく見つめていた。
「まだ存在しない未来の命……」
『気に入ったか』
「うん」
素材。
薬。
料理。
装備。
種子には、多くの使い道がある。
だが。
それだけではない。
一粒の種が芽を出し。
成長して花を咲かせ。
さらに多くの種を生む。
未来へ命を残すための、小さな始まり。
「ここは、ちゃんと守りたい」
リリスが静かに言った。
「一度に大量に持ち出したりしない。種類ごとに増やせる数を確認して、屋敷でも育てる」
「師匠なら、良い管理者になれます」
「今度は勝手に全部収集するなよ」
「もうしないよ」
『以前の自動収集の件も忘れていないようだな』
「管理者や所有者がいる場所からは採らない設定にしてる」
「ならばよい」
◇◇◇
リリスは、保管庫の管理画面を開いた。
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【種子持ち出し規則】
希少度:一般~上級
持ち出し可能数
一種類につき最大100粒
希少度:希少~伝説
持ち出し可能数
一種類につき最大10粒
希少度:神話~神級
持ち出し可能数
一種類につき最大3粒
固有種・絶滅危惧種
管理核の個別承認が必要
持ち出した種子から新たな種子を増殖した場合
保管庫へ10%を返納すること。
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「公平な規則ですね」
「増やしたら一割返すんだ」
『ここから種子を借り、増やして返す仕組みか』
「それなら保管数も減らないし、外にも植物を広げられる」
リリスはすぐに《契約絶対記録》を発動する。
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《星温室種子保全契約》
管理者:ノクス
共同管理者
フィオナ・ルーヴェル
シグレ・ヤルク
管理補助獣:クロ
規則
・保管種子の独占禁止
・絶滅危惧種の無許可持ち出し禁止
・増殖後の一割返納
・生態系を乱す地域への移植禁止
・危険植物の無管理栽培禁止
・食料、薬、環境復元への利用を優先
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「これでいい?」
「良いと思います」
「危険植物もあるのか?」
「あるみたい」
リリスが分類一覧を開く。
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植物分類
食用植物:3,206種類
薬用植物:4,118種類
魔力植物:2,507種類
建築・繊維植物:1,026種類
精霊植物:721種類
危険植物:806種類
分類不能:300種類
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『危険植物が八百種類もあるではないか』
「毒とか、動く植物とか、魔物化する種類かも」
「屋敷では育てないでくださいね」
「専用の隔離温室を作ってからにする」
「育てない、とは言わないのだな」
「研究には必要だから」
シグレは溜息を吐いた。
「邪神を召喚するよりは安全か」
『比較対象が悪すぎる』
◇◇◇
まず。
リリスは要治療と表示された四百三十三粒の種子を確認することにした。
中央柱を操作すると。
透明な小箱が、枝から離れて目の前へ降りてくる。
中に入っていたのは。
灰色に変色した、小さな種だった。
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《星涙花の種》
状態:生命力低下
原因
・保存術式の一時停止
・星属性魔力不足
・生命情報の欠損
生存可能時間:推定72時間
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「このままだと、あと三日」
「治せるのですか?」
「やってみる」
リリスは小箱を開ける。
種へ直接触れず。
両手の間に浮かべた。
「《生命魔法》《過去痕跡再現》」
種子が正常だった頃の生命情報を読み取る。
「《星辰魔法》《存在情報修復》」
淡い星光が、灰色の種を包み込んだ。
表面の色が。
少しずつ、透明な青へ戻っていく。
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《星涙花の種》
生命力
9%
↓
37%
↓
81%
↓
100%
治療完了。
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「戻った」
フィオナが嬉しそうに笑う。
「残りも同じように治すのか?」
「一粒ずつだと時間が掛かるから」
リリスの背後へ。
無数の小さな魔法陣が展開された。
「《同時工程千重》《大量同時製作》」
『製作ではないだろう』
「似たようなものだよ」
四百三十二個の保管容器が、一斉に中央へ集まる。
一粒ずつ状態を解析し。
不足している属性と生命情報だけを補う。
炎属性を必要とする種。
月光を必要とする種。
水と精霊力を必要とする種。
闇の中でしか回復できない種。
すべて異なる条件だったが。
リリスは千を超える術式を同時に制御し、正確に治療していった。
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要治療種子
433粒
↓
312粒
↓
174粒
↓
38粒
↓
0粒
治療失敗:0
生命情報損失:0
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《星温室種子保管庫》
正常個体率:100%
管理評価が上昇しました。
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「全部治った」
『戦闘より、こうした時のお前の方が楽しそうだな』
「作ったり、直したりする方が好きだから」
リリスは治療した種子を、一つずつ元の場所へ戻す。
保管庫全体に。
柔らかな光が流れた。
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新規管理者の適性を確認。
生命保全評価:最高
創造適性:測定不能
種子保管庫の第二権限を解放します。
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中央柱の根元が開き。
三つの小さな保管容器が現れた。
どれも。
ほかの種子とは明らかに違う。
一つは。
内部に小さな銀河が渦巻く、透明な種。
一つは。
白と黒が混ざり合い、絶えず形を変える種。
最後の一つは。
何も入っていないように見える。
だが。
よく見ると。
空の容器の中心だけ、周囲の光が僅かに歪んでいた。
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未登録種子:3種類
既存記録:なし
由来:不明
危険度:解析不能
管理核による仮称
・《星界創生樹の種》
・《陰陽双生花の種》
・《無形世界樹の種》
持ち出し:禁止
研究権限:許可
発芽条件:解析不能
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「創生樹……世界樹……」
リリスの目が輝く。
『持ち出し禁止だ』
「分かってる」
「本当ですか?」
「研究するだけ」
「持って帰ろうとは考えていないな?」
「少しだけ考えた」
『正直に言えば許されると思うな』
「ここで発芽条件を調べるよ」
リリスは三つの容器へ、追加の保護術式を施す。
時間停止。
因果秘匿。
存在固定。
異界干渉遮断。
特に《無形世界樹の種》は。
物質として存在しているのかさえ、まだ分からなかった。
「これは、すぐには解明できないね」
『そのくらいでよい』
「全部すぐ分かったら、楽しみがなくなるから」
シグレが珍しく同意する。
「長く調べる対象がある方が、お前には向いているかもしれん」
「うん。定期的に来よう」
◇◇◇
続いて。
屋敷で安全に育てられる種子を選ぶ。
リリスは食用、薬用、繊維用に分類し。
生態系への影響が少なく、管理の容易な種類だけを抽出した。
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【初回持ち出し申請】
食用植物:20種類
薬用植物:20種類
繊維植物:10種類
合計:50種類
持ち出し数量:2,800粒
危険植物:0種類
絶滅危惧種:0種類
生態系影響:極小
申請を承認しました。
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五十種類。
その中には。
温室内で採取した植物の種も含まれていた。
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【新規素材登録】
109 月光薬花の種
月光薬花を育てるための種子。
月光属性を含む清浄な土壌を好む。
110 銀葉治癒草の種
銀葉治癒草の種子。
清水と治癒属性魔力を与えることで発芽率が上昇する。
111 星蜜葡萄の種
星蜜葡萄を育てるための種子。
星光を蓄える支柱と、魔力豊富な土壌を必要とする。
112 魔力蓄積苔の胞子核
魔力蓄積苔を増殖させる胞子の集合核。
余剰魔力の多い場所で育ちやすい。
113 虹雫茸の胞子
七属性へ適応する透明な胞子。
周囲の属性環境によって、成長後の性質が変化する。
114 天穀米の種籾
古代に栽培されていた上位米の種籾。
白米、玄米の両方に加工でき、魔力回復効果を持つ。
115 星月大豆
月光と星光を受けて育つ大豆。
豆腐、味噌、醤油、納豆などへの加工に適する。
116 白銀綿花の種
丈夫で柔らかな白銀繊維を作る綿花の種。
衣服、包帯、魔導布の原料となる。
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現在確認済み累計:116種類
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「お米がある」
リリスの視線は。
完全に《天穀米の種籾》へ固定されていた。
『数千種類ある中で、最初にそこを見るのか』
「大事だから」
「大豆もありますね」
フィオナが《星月大豆》を指差す。
「味噌と醤油を増やせる」
「納豆も作れるのですよね?」
「うん」
シグレも、種子の説明を読む。
「米と味噌が安定して手に入るなら、ありがたい」
「屋敷に専用の水田と畑を造ろう」
『敷地に余裕はあるのか』
「十二万平方メートルあるから大丈夫」
「庭園をすべて畑に変えるなよ」
「景観に馴染むようにする」
すでに。
リリスの頭の中では。
屋敷の一角へ造る小規模な棚田。
大豆畑。
薬草温室。
果樹園。
魔力植物の栽培区画。
それらの設計が始まっていた。
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《都市機能設計》発動。
《領域環境自在化》発動。
屋敷敷地内栽培区画の仮設計を開始。
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『今すぐ設計するな』
「忘れないうちに」
「帰ってからにしてください」
「はい」
◇◇◇
保管庫を出る前。
リリスは中央柱へ、定期管理の設定を登録した。
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【種子保管庫管理設定】
・毎日の環境自動診断
・七日ごとの生命情報確認
・異常発生時の管理者通知
・絶滅危惧種の優先保護
・無断侵入時の非殺傷拘束
・保管種子の自動複製禁止
・管理者不在時の完全封印
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「これで、また五百年放置されても大丈夫」
『五百年も放置するつもりか』
「私は不老不死だから、定期的に来られるよ」
「それなら放置にはならないな」
「次は、一週間後くらいに確認しよう」
リリスが鍵を抜く。
透明な小箱が再び白金柱の枝へ戻っていき。
地下保管庫の時間が、静かに停止した。
四人が階段を上がると。
古代星樹の根が閉じ。
入口を完全に覆い隠した。
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《星温室種子保管庫》
封印完了。
次回定期確認:7日後
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「今日は平和でしたね」
フィオナが安堵したように言う。
「戦闘もなかった」
シグレも周囲を見る。
『種子を治療し、持ち出し規則も守った。珍しく問題が起きなかったな』
「いつも問題を起こしてるみたいに言わないで」
三人が同時にリリスを見る。
「……昨日は起こしたけど」
『昨日だけではない』
「今日は大丈夫だったからいいよね」
「まだ迷宮から出ていません」
フィオナが温室の奥を見た。
古代星樹の反対側。
銀色の蔓に隠されていた壁へ。
新しい扉が現れている。
十二個の星が円を描く、白金色の扉。
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第十二階層への門が解放されました。
転移地点を登録しますか?
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「登録だけして、今日は帰ろう」
『珍しく慎重だな』
「屋敷に帰って、お米を育てたいから」
「理由はそちらですか」
「大切な理由だよ」
リリスが扉へ触れ。
第十二階層への転移地点だけを登録する。
その先へ進むことはせず。
四人は、収穫した星蜜葡萄と。
五十種類の種子。
そして。
将来育つかもしれない、数多くの命を抱えて。
王都の屋敷へ帰還した。




