第四十一話 一万倍の成長効率
その夜。
銀の月亭の自室で、私はベッドに腰掛けながらステータス画面を開いていた。
今日、《赤鋼鬼王》との戦いで《剣聖》を取得した。これで《弓聖》と《剣聖》の両方が揃ったことになる。
それだけでも十分大きな成長だけど、スキル一覧を眺めているうちに、別のことが気になった。
「スキル、ほとんどLv10のままなんだよね」
種類だけなら大量にある。
弓、剣、魔法、錬金術、感知、隠密、料理、空間転移。必要だと思ったものはかなり取ってきたけれど、通常技能の上限そのものはずっとLv10だった。
もっと上げられないのかな。
検索してみる。
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特殊成長技能候補
《技能上限突破》
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効果:
通常技能の成長限界を拡張。
現在上限:
Lv10
↓
新上限:
Lv100
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「あるじゃん」
すぐに取得した。
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《技能上限突破》
習得完了
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瞬間、取得済み技能の表示が次々と書き換わっていく。
《弓術》Lv10/100。
《剣術》Lv10/100。
《上級料理》Lv10/100。
《古代装備錬成》Lv10/100。
今まで最大だったLv10が、全部途中の数字になった。
「……これは上げたくなる」
問題はポイント。
数百種類の技能をLv100まで強化すれば、普通ならとんでもないSPが必要になる。
そこで、成長系技能をさらに検索した。
◇◇◇
出てきた候補を見て、少し笑う。
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【成長・効率系技能】
《技能上限突破》
《技能一括強化》
《獲得経験値増加》
《必要経験値減少》
《獲得ポイント増加》
《必要ポイント減少》
《経験値圧縮》
《ポイント圧縮》
《成長同調》
《成長演算最適化》
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「全部欲しい」
取得。
さらに、新しく開放された上限まで一気に強化する。
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《技能上限突破》Lv100
《技能一括強化》Lv100
《獲得経験値増加》Lv100
《必要経験値減少》Lv100
《獲得ポイント増加》Lv100
《必要ポイント減少》Lv100
《経験値圧縮》Lv100
《ポイント圧縮》Lv100
《成長同調》Lv100
《成長演算最適化》Lv100
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その中でも、特に気になったのは四つだった。
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《獲得経験値増加》Lv100
獲得経験値:
×100
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《必要経験値減少》Lv100
必要経験値:
1/100
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総合経験値効率:
×10,000
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「一万倍」
続いて。
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《獲得ポイント増加》Lv100
獲得AP/SP:
×100
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《必要ポイント減少》Lv100
必要AP/SP:
1/100
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総合ポイント効率:
×10,000
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「こっちも一万倍」
経験値もポイントも。
今までとは比較にならない。
「……すごい」
自分で取っておいて、ちょっと引いた。
◇◇◇
成長系十個を取ったことで、さらに新しい技能候補が大量に出現した。
せっかくだから、ちょうど百個まで揃える。
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【戦闘制御】
《戦場全域把握》
《超速反応》
《攻撃軌道演算》
《防御軌道演算》
《連続行動最適化》
《武器瞬間切替》
《戦技連結》
《戦技多重制御》
《対大型戦闘強化》
《対多数戦闘強化》
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【弓・射撃】
《百矢制御》
《多重弾道分割》
《同時着弾制御》
《射撃威力収束》
《無反動射撃》
《狙撃座標固定》
《空中射撃》
《移動射撃》
《超高速連射》
《状態異常矢制御》
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【剣・双剣】
《双剣軌道制御》
《無間連斬》
《剣撃加速》
《斬撃距離拡張》
《剣気制御》
《剣圧収束》
《装甲分断》
《弱点連斬》
《反撃瞬動》
《双剣同時戦技》
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【魔法・魔力】
《八属性同時制御》
《魔法多重展開》
《魔法瞬間切替》
《魔法座標固定》
《魔法追尾制御》
《魔法威力分配》
《魔法範囲精密制御》
《魔法余波抑制》
《魔力回収》
《魔力再利用》
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【防御・耐性】
《完全姿勢制御》
《衝撃完全拡散》
《貫通被害軽減》
《多層障壁》
《瞬間障壁》
《状態異常遮断》
《呪詛耐性強化》
《精神干渉耐性》
《魔力暴走耐性》
《極限環境適応》
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【移動・空間】
《空中歩法》
《瞬間加速》
《慣性制御》
《着地衝撃無効》
《三次元機動》
《転移連結》
《転移追跡》
《転移妨害耐性》
《座標多重登録》
《空間固定》
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【感知・隠密】
《広域索敵網》
《超遠距離感知》
《魔力痕跡追跡》
《生命反応解析》
《危険未来予測》
《完全無音行動》
《存在希薄化》
《魔力痕跡消去》
《遠距離幻惑》
《戦闘隠密強化》
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【錬金・製作】
《超高速錬成》
《多重錬成》
《遠隔錬成》
《素材完全解析》
《素材完全純化》
《素材圧縮》
《特性完全抽出》
《特性再構築》
《装備自動最適化》
《装備成長付与》
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【生活・管理】
《大量調理》
《味覚最適化》
《栄養強化調理》
《疲労回復調理》
《従魔食調理》
《地図自動更新》
《道具自動整備》
《装備一括修復》
《インベントリ自動整理》
《資源自動分類》
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新規技能:
100種
取得完了
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「百個」
そして。
「《技能一括強化》」
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対象:
新規取得技能100種
Lv1
↓
Lv100
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全技能強化完了
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まだ終わらない。
今まで取得してきた技能も対象へ追加する。
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対象:
既存取得技能すべて
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《弓術》
《上級弓術》
《剣術》
《上級剣術》
《二刀流》
《上級二刀流》
《魔導弓術》
《魔力矢》
《上級錬金術》
《古代装備錬成》
《転移魔法》
《空間転移》
《極大属性魔法》
《料理》
《上級料理》
その他取得済み技能
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技能Lv:
Lv10
↓
Lv100
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一括強化完了
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さらに。
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《弓聖》Lv100
《剣聖》Lv100
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「よし」
ただし、《弓王》《剣王》にはならない。
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《弓王》
条件未達成:
《弓聖》実戦熟練度不足
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《剣王》
条件未達成:
《剣聖》実戦熟練度不足
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技能レベルだけ上げても、聖級としての実戦経験は別らしい。
「これは戦わないとダメなんだ」
むしろ、その方がいい。
◇◇◇
そこで《経験値圧縮》の詳細を開いた。
前に考えていたような「これから経験値を貯める技能」ではなかった。
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《経験値圧縮》Lv100
これまで獲得してきた
累積経験値・戦闘成長履歴を
現在の成長効率で再演算。
過去に反映されなかった
成長差分を圧縮し、
現在レベルへ一括還元する。
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注意:
同一履歴の再圧縮不可。
処理済み経験値は
再度対象にならない。
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「これ……今までの経験値全部使えるんだ」
つまり。
今まで倒してきた魔物。
ボス。
守護者。
徘徊個体。
《蒼雷銀角飛竜》。
《赤鋼鬼王》。
その全部。
過去に得た経験値履歴を、今の一万倍効率で計算し直せる。
「今すぐレベル上がる」
かなり。
面白い。
◇◇◇
でも、私だけじゃない。
「アルにも付けよう」
さらに。
「ノルンとヴァルカも」
《成長同調》。
詳細。
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《成長同調》Lv100
パーティーメンバーへ
経験値成長補正を共有可能。
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共有可能:
《獲得経験値増加》
《必要経験値減少》
《経験値圧縮》
《成長演算最適化》
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「できる」
私は部屋を出た。
◇◇◇
隣。
ノック。
「アル」
「何だ?」
扉。
開く。
「経験値効率一万倍にしていい?」
「……」
「アル?」
「寝る前に聞く数字じゃないぞ」
「嫌?」
「嫌なわけがない。説明してくれ」
アルの部屋で《成長同調》を見せる。
経験値獲得量百倍。
必要経験値百分の一。
総合効率一万倍。
さらに過去の経験値を再演算できる《経験値圧縮》。
「つまり、今まで戦って得た経験値も再計算されるのか?」
「うん」
「今すぐ?」
「うん」
「……やろう」
「早い」
「一万倍と言われて断る理由があるか!」
確かに。
◇◇◇
そのまま二人で宿の裏庭へ。
「ウォン?」
ノルン。
「グル?」
少し離れた騎獣区画から、ヴァルカもこちらを見る。
「二匹にも付ける」
「ノルンとヴァルカにもか?」
「パーティーだから」
「なるほど」
対象。
三人。
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《成長同調》
共有対象:
アルドラ・ヴァルグレイヴ
ノルン
ヴァルカ
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経験値効率:
×10,000
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共有完了
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「ウォン?」
「グオ?」
二匹とも。
よく分かってなさそう。
「今からいっぱいレベル上がるよ」
「ウォン!」
「グオオッ!」
「分かったのかな」
「たぶん雰囲気だけだろう」
私もそう思う。
◇◇◇
まず。
私。
「《経験値圧縮》」
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対象:
リリス・ルクスヴィア
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過去累積経験値履歴:
検索中……
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《ゴブリン》
《森林魔物》
《守護者》
《岩窟魔物》
《徘徊個体》
《蒼雷銀角飛竜》
《双尾黒鋼帝蠍》
《地砕岩獅子王》
《赤鋼鬼》
《赤鋼鬼王》
その他多数
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経験値履歴確認完了
現在経験値効率:
×10,000
再演算開始
━━━━━━━━━━
表示。
高速。
流れる。
過去の戦闘。
全部。
再計算。
そして。
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《経験値圧縮》
完了
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圧縮経験値:
現在レベルへ還元
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リリス・ルクスヴィア
Lv116
↓
Lv527
━━━━━━━━━━
「……」
四百十一。
一気。
「Lv527」
アル。
隣。
黙ってる。
「アル?」
「反応に困っている」
「いっぱい上がった」
「いっぱい、で済ませるな!」
◇◇◇
次。
アル。
━━━━━━━━━━
《経験値圧縮》
対象:
アルドラ・ヴァルグレイヴ
━━━━━━━━━━
過去累積経験値:
傭兵時代戦闘履歴
魔物討伐履歴
護衛戦闘履歴
冒険者戦闘履歴
パーティー共有経験値
その他戦闘経験
━━━━━━━━━━
現在経験値効率:
×10,000
再演算開始
━━━━━━━━━━
「……傭兵時代まで入るのか」
「アルが今まで積んできた経験だからね」
「私、自分で思っていたより戦っていたんだな」
それは。
そうだと思う。
Lv85まで。
一人で。
ずっと。
戦ってきた人。
結果。
━━━━━━━━━━
アルドラ・ヴァルグレイヴ
Lv92
↓
Lv491
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「……四百九十一」
「私と三十六差」
「昨日まで二十四差だった気がするんだが?」
「歴史の差?」
「変なところで壮大な言い方をするな」
でも。
アル。
嬉しそう。
◇◇◇
「次、ノルン」
「ウォン!」
━━━━━━━━━━
《経験値圧縮》
対象:
ノルン
━━━━━━━━━━
過去累積経験値:
野生戦闘履歴
狩猟経験
徘徊個体戦闘履歴
パーティー戦闘履歴
━━━━━━━━━━
再演算完了
━━━━━━━━━━
ノルン
Lv503
━━━━━━━━━━
「五百超えた」
「ウォォォン!」
ノルン。
遠吠え。
白銀の毛。
一瞬。
淡い光。
広がる。
身体。
大きくは変わらない。
でも。
魔力密度。
明らかに増した。
「ノルン、強くなったね」
「ウォン!」
「こいつ、かなり昔から戦っているからな」
「経験いっぱい持ってた」
「お前より人生経験が長い可能性もあるぞ」
「ノルン先輩」
「ウォフ?」
「呼び方は変えなくていいだろう」
◇◇◇
最後。
「ヴァルカ」
「グオッ!」
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《経験値圧縮》
対象:
ヴァルカ
━━━━━━━━━━
過去累積経験値:
戦闘騎獣訓練履歴
実戦履歴
騎乗戦闘履歴
パーティー共有経験値
━━━━━━━━━━
再演算完了
━━━━━━━━━━
ヴァルカ
Lv95
↓
Lv497
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「グオオオオオッ!」
巨大な翼。
広がる。
赤黒い鱗の隙間を。
深紅の魔力が走る。
ヴァルカ。
かなり嬉しそう。
「あと三で五百」
「グオッ!」
「今から何か倒しに行く?」
「やめろ」
アル。
即答。
「冗談」
「今のは少し本気だっただろう」
「……ちょっと」
「やっぱりか!」
◇◇◇
四人。
改めて。
表示。
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《パーティー成長情報》
リリス
Lv527
経験値効率:
×10,000
━━━━━━━━━━
アルドラ
Lv491
経験値効率:
×10,000
━━━━━━━━━━
ノルン
Lv503
経験値効率:
×10,000
━━━━━━━━━━
ヴァルカ
Lv497
経験値効率:
×10,000
━━━━━━━━━━
「全員高い」
「一晩で言う台詞じゃない」
「でも本当」
「そこが怖いんだ!」
◇◇◇
次。
ポイント。
《ポイント圧縮》。
これも。
同じ仕組み。
━━━━━━━━━━
《ポイント圧縮》Lv100
これまでのAP/SP獲得履歴を
現在のポイント効率で再演算。
未反映差分および
圧縮レベルアップで発生した
新規ポイントを一括還元。
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同一履歴:
再圧縮不可
━━━━━━━━━━
「これも今すぐ」
対象。
私。
━━━━━━━━━━
過去AP/SP履歴再演算
+
Lv116
↓
Lv527
レベルアップ分ポイント計算
━━━━━━━━━━
《獲得ポイント増加》Lv100
獲得量:
×100
━━━━━━━━━━
《必要ポイント減少》Lv100
必要量:
1/100
━━━━━━━━━━
総合ポイント効率:
×10,000
━━━━━━━━━━
結果。
━━━━━━━━━━
《ポイント圧縮》
一括還元
━━━━━━━━━━
AP:
+5,145,000
━━━━━━━━━━
SP:
+5,145,000
━━━━━━━━━━
「五百万」
「……」
「アル?」
「もう数字に驚くのをやめようと思っている」
「慣れた?」
「諦めただけだ」
◇◇◇
大量のポイント。
せっかく。
ある。
「じゃあ、既存技能全部Lv100にする」
「まだやるのか!?」
「そのためのポイント」
《技能一括強化》。
全技能。
指定。
━━━━━━━━━━
《技能一括強化》
対象:
取得済み通常技能すべて
━━━━━━━━━━
《鑑定》
《インベントリ関連》
《自動収集》
《弓術》
《上級弓術》
《剣術》
《上級剣術》
《二刀流》
《上級二刀流》
《魔法各種》
《上級属性魔法》
《極大属性魔法》
《索敵》
《隠密》
《転移》
《錬金術》
《古代装備錬成》
《料理》
《上級料理》
その他すべて
━━━━━━━━━━
Lv100
到達
━━━━━━━━━━
最後。
━━━━━━━━━━
《弓聖》Lv100
《剣聖》Lv100
━━━━━━━━━━
ただ。
━━━━━━━━━━
《弓王》
実戦熟練度:
不足
━━━━━━━━━━
《剣王》
実戦熟練度:
不足
━━━━━━━━━━
「そこは変わらない」
「むしろ安心した」
「何で?」
「全部ポイントだけで終わったら、お前は明日の朝には弓帝と剣帝まで行きそうだからだ」
「できるなら行くけど」
「知っている!」
◇◇◇
翌朝。
銀の月亭。
朝食。
白米。
焼き魚。
卵。
野菜。
汁物。
私は普通に食べる。
アルも。
普通に食べる。
「……」
「何?」
「Lv491になった翌朝でも、朝飯は変わらないんだな」
「変える必要ある?」
「ないな」
「でしょ?」
白米。
一口。
「美味しい」
「それも昨日と変わらんな」
「美味しいものは毎日美味しい」
「名言みたいに言うな」
◇◇◇
食後。
ノルン。
ヴァルカ。
裏庭。
状態確認。
ノルンはLv503。
ヴァルカはLv497。
アルはLv491。
私はLv527。
「……全員かなり強くなった」
「今日、ギルドへ行ったらどう説明する?」
「普通に」
「エレナが倒れないか?」
「大丈夫じゃない?」
「一晩で四人とも数百レベルになった報告を聞かされるんだぞ」
「……」
考える。
「先に座ってもらう?」
「それがいい」
「ウォン!」
「グオッ!」
ノルンとヴァルカも賛成みたい。
「じゃあ行こう」
「ああ」
そして。
歩き出す。
新規技能。
百個。
既存技能。
すべてLv100。
経験値効率。
一万倍。
ポイント効率。
一万倍。
過去の経験値まで圧縮して、全員一気に成長した。
これで。
かなり強くなった。
「次は何しよう」
「せめてギルドへ着くまで新しいことを思いつくな」
「まだ何も言ってない」
「その言い方がもう怖いんだ!」
朝の銀の月亭に。
今日もアルの声が響いた。




