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第二十三話 古代地下採掘遺構と金剛晶鉱



 地下へ続く石階段。


 暗闇の奥から、青白い光が一つ。


 また一つ。


 次々と浮かび上がってくる。


━━━━━━━━━━


《未知魔物反応》


接近中


━━━━━━━━━━


「来る」


 私は《幻穿黒魔弓ファントム・ブラック・ムーン》を構えた。


 隣ではノルンも低く身構えている。


 カツン。


 カツン。


 硬い何かが石床を踏む音。


 やがて、《灯光ライト》の届く範囲へ人型の影が現れた。


「ゴーレム?」


━━━━━━━━━━


鉱晶守兵オーア・クリスタルガーディアン


Lv58~63


×8


種族:ゴーレム系魔物


━━━━━━━━━━


古代地下採掘遺構に残る

鉱石と魔晶から形成された守護魔物。


主能力:


《鉱晶装甲》


《晶石槍》


《魔力感知》


《岩腕撃》


━━━━━━━━━━


「八体」


 黒灰色の岩石で形作られた身体。


 胸や肩には青白い魔晶。


 腕や脚には、ミスリルらしい銀色の金属まで混ざっている。


「素材になりそう」


 一体が右腕をこちらへ向けた。


━━━━━━━━━━


《晶石槍》


━━━━━━━━━━


 青白い結晶槍が一斉に射出される。


「《岩壁(ロック・ウォール)》!」


 ドンッ!


 地面から分厚い岩壁を隆起させる。


 ガガガガンッ!


 結晶槍が次々と突き刺さった。


「ノルン、右!」


「ガウッ!」


━━━━━━━━━━


《白銀疾駆》


━━━━━━━━━━


 ノルンが右側の三体へ突っ込む。


 私は残る五体。


「金属が混ざってるなら」


 弦を引く。


 青白い雷矢を五本生成。


「《雷撃魔力矢ライトニング・マナアロー》!」


━━━━━━━━━━


《魔力照準》


標的捕捉:5


━━━━━━━━━━


「《多重標的射撃マルチロック・シュート》!」


 放つ。


 バヂィィィンッ!


 五本の雷矢が別々の守兵へ命中。


 鉱晶装甲を伝い、青白い雷が全身へ走る。


━━━━━━━━━━


《感電》


×5


━━━━━━━━━━


「止まった」


 そのまま右手を向ける。


「《雷縛(サンダー・バインド)》!」


 雷の帯が石床を走り、五体の脚へ絡みついた。


「今度は壊す」


 《ファントム・ブラック・ムーン》へ風属性魔力を流す。


「《疾風魔力矢(ゲイル・マナアロー)》」


 薄緑色の矢。


 さらに。


「《穿甲矢》!」


 シュンッ!


 一体目。


 胸部魔晶を貫通。


 二体目。


 三体目。


 四体目。


 五体目。


━━━━━━━━━━


《鉱晶守兵》


×5


討伐


━━━━━━━━━━


「ノルンは――」


 振り返る。


 ちょうど三体目の守兵へ前脚を振り下ろしたところだった。


 バキンッ!


 胸部の魔晶が砕け散る。


━━━━━━━━━━


《鉱晶守兵》


×3


討伐


━━━━━━━━━━


「早いね」


「ウォン!」


◇◇◇


━━━━━━━━━━


《自動収集》


《鉱晶守兵の鉱晶装甲》×80


《鉱晶守兵の魔晶核》×80


《ミスリル銀鉱》・良質×50


《黒鋼鉱》×70


《魔力石英》×100


《晶石槍片》×60


━━━━━━━━━━


 さらに。


━━━━━━━━━━


《宝箱ドロップ》


《鉄の宝箱》×1


《銀の宝箱》×3


《金の宝箱》×1


━━━━━━━━━━


「お」


 この辺りまで来ると、銀箱がかなり混ざる。


 Lv60前後の守護魔物。


 そこへ《宝箱品質上昇》と幸運補正。


「金箱も一つ」


 全部未開封のまま収納する。


◇◇◇


 階段を下りきる。


 そこから先は、広い地下通路になっていた。


 壁も床も天井も石造り。


 ところどころ崩落しているものの、かなり頑丈だ。


 壁面には古い文字。


 鉱石を運ぶ人々。


 荷車。


 採掘道具。


 そんな彫刻が残されていた。


「本当に採掘施設だったんだ」


 ただし。


 今は完全に魔物の巣。


 《霊脈素材探査盤》を取り出す。


「起動」


━━━━━━━━━━


《霊脈素材探査盤》


探索範囲内


希少反応:38


高密度魔力反応:9


特殊反応:3


━━━━━━━━━━


「多い」


 かなり多い。


「まず近いところから」


 右側。


 約百二十メートル。


「行こう」


「ウォン」


◇◇◇


 通路を進むだけでも《自動収集》が忙しい。


━━━━━━━━━━


《古代銀鉱》×75


《ミスリル銀鉱》・良質×62


《月銀鉱》×41


《黒鋼鉱》・良質×58


《魔晶石》×120


《土晶石》×64


《雷晶石》×39


《青晶苔》×30


《地下霊茸》×25


━━━━━━━━━━


「採掘遺構すごい」


 歩くだけで素材が増えていく。


 そして。


 探査盤が淡く点滅した。


━━━━━━━━━━


《希少反応》


距離:12m


━━━━━━━━━━


「この壁?」


 見た目は普通の灰色の岩壁。


「《上級鑑定》」


━━━━━━━━━━


《月銀鉱脈》


品質:良質


━━━━━━━━━━


「隠れてた」


 《採掘》。


━━━━━━━━━━


《月銀鉱》・良質×108


━━━━━━━━━━


「百個超えた」


 まだ通路脇の小さな鉱脈でこれ。


「深いところはもっとありそう」


◇◇◇


 さらに奥へ進む。


 カサカサカサ――。


「上」


 《暗視》。


━━━━━━━━━━


晶殻洞蟲クリスタルシェル・ケイブビートル


Lv49~55


×23


━━━━━━━━━━


 大型の甲虫。


 青や紫色の結晶殻で全身を覆い、天井へびっしり張りついている。


「二十三体」


 これだけ密集しているなら。


「魔法の方が早い」


 右手を天井へ。


「《爆炎球(バースト・フレア)》!」


 赤橙色の巨大火球。


 着弾。


 ドォォンッ!


 爆炎が天井一帯へ広がった。


「ギギギギッ!」


 甲虫たちが一斉に飛び立つ。


「残り十三」


 次。


「《風刃嵐ゲイル・ブレードストーム》!」


 数十枚の圧縮風刃が形成される。


 シュバババババッ!


 飛行する甲虫の翅と関節を次々と切断した。


━━━━━━━━━━


《晶殻洞蟲》


×23


討伐


━━━━━━━━━━


「群れは範囲魔法が便利」


━━━━━━━━━━


LEVEL UP


Lv82



Lv85


━━━━━━━━━━


「八十五」


━━━━━━━━━━


《自動収集》


《晶殻洞蟲の結晶殻》×230


《晶殻洞蟲の翅》×180


《晶殻洞蟲の顎》×120


《晶殻洞蟲の体液》×150


《晶殻洞蟲の魔石》×230


━━━━━━━━━━


《宝箱ドロップ》


《鉄の宝箱》×5


《銀の宝箱》×4


《金の宝箱》×1


━━━━━━━━━━


「また金箱」


 全部収納。


 宝箱もかなり貯まってきた。


◇◇◇


 遺構の深部。


 通路が三方向へ分かれていた。


「どっち?」


━━━━━━━━━━


《霊脈素材探査盤》


特殊反応


左:なし


中央:1


右:2


━━━━━━━━━━


「右」


 迷わない。


「素材優先」


「ウォン!」


◇◇◇


 右側の通路へ入る。


 しばらくすると、空気が変わった。


「魔力が濃い」


 壁に露出する結晶も増えている。


 青。


 白。


 紫。


 銀。


 その中に。


「これ、新しい」


━━━━━━━━━━


《紫晶銀鉱》


分類:希少魔力鉱石


品質:良質


━━━━━━━━━━


銀系魔力金属と

紫属性魔晶成分が共生した特殊鉱石。


主適性:


《魔力蓄積》


《魔法耐性》


《魔導装備強化》


《魔力増幅》


━━━━━━━━━━


「《採掘》」


━━━━━━━━━━


《紫晶銀鉱》×52


━━━━━━━━━━


「まだ知らない鉱石いっぱいあるなあ」


 収納。


◇◇◇


 その先。


 巨大な採掘場跡へ出た。


「広い……」


 地下とは思えない規模。


 高い天井。


 何段にも削られた岩壁。


 中央には巨大な縦穴。


 周囲には古い石造りの足場が何層も巡らされている。


 《霊脈素材探査盤》が強く反応した。


━━━━━━━━━━


《特殊反応》


直下


━━━━━━━━━━


「下か」


 縦穴を覗く。


 かなり深い。


「直接降りるのは危ないね」


 周囲を探す。


「あった」


 古い螺旋坂。


「こっち」


◇◇◇


 さらに下層へ。


 百メートル以上降りた頃。


 《上級索敵》へ大きな反応が入った。


「一体」


 動かない。


 でも魔力量が大きい。


 最下層。


 そこに。


 巨大な人型が立っていた。


 黒い岩石の身体。


 全身を覆う、青黒く光る金属結晶。


 胸部には金色を帯びた巨大な魔晶核。


「《上級鑑定》」


━━━━━━━━━━


金剛晶鎧巨兵アダマン・クリスタルガーディアン


Lv86


種族:大型ゴーレム系魔物


区分:


《遺構守護個体》


━━━━━━━━━━


古代地下採掘遺構の最深部を守る

高位大型守護ゴーレム。


通常の《鉱晶守兵》とは異なり、

極めて高硬度な希少金属鉱物を

全身装甲として取り込んでいる。


━━━━━━━━━━


主能力:


《金剛晶装甲》


《重晶拳》


《晶砲》


《地殻衝撃》


《高位魔力障壁》


━━━━━━━━━━


「この装甲……」


━━━━━━━━━━


《金剛晶装甲》


主成分:


《アダマンタイト原鉱》


━━━━━━━━━━


「アダマンタイト!」


 初めて見る高位金属。


 ミスリルとは明らかに違う。


「欲しい」


「グル……」


「うん。強いね」


 Lv86。


 今の私はLv85。


 しかも守護個体。


 でも。


 左腕には。


━━━━━━━━━━


月蝕魔導腕輪エクリプス・ブレスレット


S(ランク)


伝説級(レジェンド)


━━━━━━━━━━


 右手には。


━━━━━━━━━━


幻穿黒魔弓ファントム・ブラック・ムーン


A(ランク)


逸話級(エピック)


━━━━━━━━━━


 それにノルン。


「やってみよう」


「ウォン!」


◇◇◇


 巨兵の胸部が光った。


━━━━━━━━━━


《晶砲》


充填開始


━━━━━━━━━━


「ノルン、散開!」


「ガウッ!」


 左右へ。


 直後。


 ドォォォンッ!


 金色を帯びた青白い光線が最下層を貫いた。


「《光盾(ライト・シールド)》!」


 白金色の障壁を斜めに展開。


 ギィィィンッ!


 光線を横へ逸らす。


 背後の岩壁へ直撃。


 ドゴォンッ!


「威力高い」


 でも。


「撃つ時に胸の核が見える」


 まず装甲。


「《雷撃魔力矢ライトニング・マナアロー》!」


 バヂィィィンッ!


━━━━━━━━━━


《金剛晶装甲》


損傷:軽微


━━━━━━━━━━


「硬っ」


 ほとんど傷がない。


「じゃあ水」


「《水流魔力矢(アクア・マナアロー)》!」


 さらに。


「《穿甲矢》!」


 左膝関節。


 バシュッ!


━━━━━━━━━━


《左膝関節》


損傷:小


━━━━━━━━━━


「関節なら通る」


 巨兵が歩き出した。


━━━━━━━━━━


《重晶拳》


━━━━━━━━━━


「《疾風加速(ゲイル・アクセル)》!」


 一気に横へ。


 ドゴォォンッ!


 巨大な拳が石床を砕く。


「ノルン!」


「ガアアアッ!」


 ノルンが背後へ回り込む。


 後膝へ噛みつく。


 ガキンッ!


「ウォッ!?」


「やっぱり硬い」


「なら私が壊す」


 弓を引く。


「《魔穿狙撃マナ・ピアース・スナイプ》」


━━━━━━━━━━


《魔力超収束》


開始


━━━━━━━━━━


 《エクリプス・ブレスレット》が強く輝く。


「属性は水」


「《水流魔力矢(アクア・マナアロー)》」


 さらに。


「《疾風加速(ゲイル・アクセル)》!」


━━━━━━━━━━


《魔穿狙撃》



《水流魔力矢》



《疾風加速》


複合成立


━━━━━━━━━━


「左膝」


 放つ。


 シュン――。


 バシュンッ!


 青黒い装甲へ細い穴。


 そのまま内部の関節核まで貫く。


━━━━━━━━━━


《左膝関節》


大破


━━━━━━━━━━


「通った!」


 巨兵が片膝をつく。


「ノルン、今!」


「ガアアッ!」


━━━━━━━━━━


《白銀疾駆》


━━━━━━━━━━


 壊れた関節へ突進。


 ドゴンッ!


━━━━━━━━━━


左脚機能


大幅低下


━━━━━━━━━━


◇◇◇


 巨兵が両腕を床へ叩きつける。


━━━━━━━━━━


《地殻衝撃》


━━━━━━━━━━


「下!」


「《岩壁(ロック・ウォール)》!」


 足元から斜め上へ岩盤を隆起させる。


 直後。


 ズドドドドドッ!


 石床から無数の岩晶が突き上がった。


「危なっ」


 ノルンも跳躍して回避。


「次は胸」


 片膝をついたことで狙いやすくなった。


 ところが。


━━━━━━━━━━


《高位魔力障壁》


発動


━━━━━━━━━━


 青金色の六角形障壁。


「でも」


 今の私には。


「《魔穿狙撃》」


━━━━━━━━━━


《障壁貫通補助》


有効


━━━━━━━━━━


「《雷撃魔力矢ライトニング・マナアロー》」


 青白い雷。


「《疾風加速(ゲイル・アクセル)》」


 風。


「ノルン!」


「ウォン!」


━━━━━━━━━━


《銀嵐刃》


━━━━━━━━━━


 ノルンの巨大な風刃が障壁へ激突。


 ドォンッ!


 障壁が揺れる。


「今!」


 放つ。


 パキィィンッ!


━━━━━━━━━━


《高位魔力障壁》


貫通


━━━━━━━━━━


 そのまま胸部。


 バヂィィィンッ!


━━━━━━━━━━


《守護核》


損傷


━━━━━━━━━━


 巨兵が右腕を上げる。


「撃たせない」


「《雷縛(サンダー・バインド)》!」


 青白い雷帯。


「《氷鎖(アイス・チェイン)》!」


 さらに氷の鎖。


━━━━━━━━━━


《二重拘束》


《雷縛》



《氷鎖》


━━━━━━━━━━


 動きが止まる。


「最後」


 《ファントム・ブラック・ムーン》へ白金色の光。


「《光輝魔力矢(ルミナス・マナアロー)》」


「《魔穿狙撃》!」


 超収束。


 放つ。


 シュン――。


 白金色の閃光が守護核へ突き刺さる。


 パキンッ。


━━━━━━━━━━


《守護核》


完全破壊


━━━━━━━━━━


 巨兵から光が消えた。


 ゆっくり前へ倒れる。


 ドォォォォンッ!


━━━━━━━━━━


《遺構守護個体討伐》


金剛晶鎧巨兵アダマン・クリスタルガーディアン


Lv86


討伐成功


━━━━━━━━━━


「やった」


「ウォオオン!」


◇◇◇


━━━━━━━━━━


LEVEL UP


Lv85



Lv91


━━━━━━━━━━


「六つ上がった」


 そして。


━━━━━━━━━━


《自動収集》


発動


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱》×40


《金剛晶装甲片》×80


《高密度魔晶核片》×60


《高純度ミスリル銀鉱》×90


《高純度月銀鉱》×55


《金剛晶》×30


《守護核片》×20


━━━━━━━━━━


「アダマンタイト」


 一個取り出す。


 青黒色の金属鉱石。


 銀色の筋が走っている。


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱》


分類:


超高硬度希少金属鉱石


品質:普通


━━━━━━━━━━


極めて高い硬度と耐久性を持つ

高位金属アダマンタイトの原鉱。


加工難度:


極高


━━━━━━━━━━


「もっと欲しい」


 四十個だけじゃなく。


 ここが採掘施設なら、鉱脈そのものが残っているかもしれない。


◇◇◇


━━━━━━━━━━


《遺構守護個体討伐》


宝箱確定


━━━━━━━━━━


 銀と金を混ぜたような光。


 現れたのは。


━━━━━━━━━━


《白金の宝箱》


×1


━━━━━━━━━━


「白金!」


 Lv86。


 遺構最深部の守護個体。


 アダマンタイト装甲。


 この相手なら納得。


「開けたい……」


「ウォン」


「帰ってから」


 収納。


━━━━━━━━━━


《白金の宝箱》


未開封


━━━━━━━━━━


◇◇◇


 守護巨兵の背後。


 巨大な石扉。


 中央には古い鉱石の紋章が刻まれている。


 守護核が破壊されたことで、扉を覆っていた魔力も消えていた。


━━━━━━━━━━


《霊脈素材探査盤》


特殊反応


距離:42m


━━━━━━━━━━


「この先」


 扉を押す。


 重い。


「ノルン、手伝って」


「ウォン!」


 ゴゴゴゴゴゴ――。


 石扉がゆっくり開く。


「……え?」


 その向こうを見て。


 思わず立ち止まった。


 小さな空洞じゃない。


 巨大な採掘空洞だった。


 左右の岩壁。


 正面。


 さらに高い天井まで。


 ほとんど全部が鉱脈。


「……壁全部?」


 青黒色の《アダマンタイト原鉱》。


 銀白色の《高純度ミスリル銀鉱》。


 淡い月光色の《高純度月銀鉱》。


 紫色に輝く《紫晶銀鉱》。


 それらが太い鉱脈となり、壁から天井まで何十メートルにもわたって連なっている。


「これ、百個とかの量じゃない」


 《霊脈素材探査盤》も激しく光っていた。


━━━━━━━━━━


《超大型複合鉱床発見》


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱大鉱脈》


《高純度ミスリル銀大鉱脈》


《高純度月銀大鉱脈》


《紫晶銀大鉱脈》


《金剛晶群生層》


《高純度魔晶層》


━━━━━━━━━━


「大鉱脈……!」


 私は嬉しくなって、すぐ壁へ近づいた。


「《採掘》」


 さらに。


「《自動収集》」


 採掘対象を。


 目の前の一部だけじゃない。


「この空洞全体」


━━━━━━━━━━


《広域採掘》


開始


━━━━━━━━━━


 壁。


 天井。


 床際。


 鉱脈が露出した場所から次々と光が走る。


 ガラガラガラ――!


 普通なら何日。


 いや。


 何週間かけても掘り切れなさそうな大鉱床。


 それが《採掘》と《自動収集》によって、次々と《インベントリ》へ送られていく。


━━━━━━━━━━


《採掘成功》


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱》×2480


《高純度ミスリル銀鉱》×3620


《高純度月銀鉱》×2150


《紫晶銀鉱》・良質×1480


《金剛晶》×860


《高純度魔晶石》×1240


《地晶核》×120


《雷晶核》×86


《月白魔晶》×310


《魔力結晶砂》×2600


━━━━━━━━━━


「……いっぱい」


 さっきまでの採取量とは桁が違う。


「そうだよね」


 壁一面。


 天井まで。


 全部鉱脈なんだから。


「これくらいないとおかしい」


 《アダマンタイト原鉱》だけでも二千四百八十。


 守護巨兵から取れた四十を合わせれば。


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱》


総保有数:2520


━━━━━━━━━━


「二千五百!」


 これなら。


 武器。


 防具。


 盾。


 ノルン用装備。


 魔道具。


 かなり色々作れる。


「でも全部使う必要ないよね」


 大量に保存しておける。


 《インベントリ》なら劣化もしない。


「最高」


 まだ採掘し終わっていない鉱脈も一部残っている。


 根こそぎ採って空洞を崩落させるのも嫌なので、構造を支える場所はそのままにした。


「十分すぎる」


◇◇◇


 さらに天井付近。


 普通の採掘では届かない高さにも、大きな鉱脈が走っている。


「上もまだある」


 私は右手を上げた。


「《岩柱(ロック・ピラー)》!」


 土属性魔法。


 足元から巨大な岩柱を隆起させ、自分ごと高い位置へ運ぶ。


「便利」


 天井近く。


 そこにも。


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱脈》


《高純度ミスリル銀鉱脈》


《金剛晶群生》


━━━━━━━━━━


「《採掘》」


━━━━━━━━━━


《追加採掘》


《アダマンタイト原鉱》×740


《高純度ミスリル銀鉱》×920


《金剛晶》×260


《高純度魔晶石》×380


━━━━━━━━━━


「まだこんなに」


━━━━━━━━━━


《アダマンタイト原鉱》


総保有数:3260


━━━━━━━━━━


「三千超えた」


 満足。


 かなり満足。


 岩柱をゆっくり下げる。


「今日一番嬉しいかも」


「ウォン!」


◇◇◇


 でも。


 《霊脈素材探査盤》を見る。


━━━━━━━━━━


《特殊反応》


残り:1


━━━━━━━━━━


「まだある」


 これだけの巨大鉱床ですら。


 最後の反応じゃない。


「じゃあ何?」


 反応は。


 採掘空洞の最奥。


 鉱脈の間に隠れるように開いた、小さな横穴。


 そこから。


 淡い虹色の光。


「虹色……」


 今まで採った鉱石とは明らかに違う。


 《上級索敵》。


「魔物はいない」


 《魔力感知》。


 強い。


 それも。


 アダマンタイト大鉱脈より強い。


━━━━━━━━━━


《霊脈素材探査盤》


特殊反応:


至近距離


━━━━━━━━━━


判定:


不能


━━━━━━━━━━


「これだけ素材を識別できる探査盤でも分からないんだ」


 《ファントム・ブラック・ムーン》を持ち直す。


「行こう、ノルン」


「ウォン」


 横穴へ足を踏み入れる。


 一歩。


 二歩。


 奥へ進むほど、虹色の光が強くなっていく。


「何があるんだろう」


 アダマンタイトを三千個以上も採れた巨大鉱床。


 そのさらに奥。


 最後の特殊反応が。


 静かな虹色の輝きを放ちながら、私たちを待っていた。

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