第十一話 三百三十二の宝箱と多重標的射撃
翌朝。
目を覚ました私は、顔を洗ってから新しい装備へ着替えた。
黒を基調とした《魔鋼板戦闘服》。
胸部や肩、前腕、腰、膝、脛を守る金属装甲は、落ち着いた銀灰色。
その上から《晶影隠密外套》を羽織り、黒い布マスクを着ける。
腰には《黒鋼刃剣》。
そして。
「……やっぱり、めちゃくちゃカッコいい」
昨日手に入れた弓を《インベントリ》から取り出した。
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《幻穿黒魔弓》
装備ランク:A級
品質:逸話級
分類:魔導弓
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黒銀色の大型弓。
月の弧を思わせる滑らかな弓身。
黒い魔力光が薄く漂い、その中を銀白色の光が静かに流れている。
一部は鋭角的でありながら、全体の形は細く洗練されていた。
派手すぎない。
でも、どう見ても普通の弓じゃない。
「名前も見た目も好き」
黒い外套にも、銀灰色の装甲にもよく似合っている。
性能を抜きにしても持っていたいくらいだった。
「……ずっと見てても仕方ないか」
名残惜しいけど《ファントム・ブラック・ムーン》を収納する。
今日の大仕事は別にある。
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《未開封宝箱》
《木の宝箱》×175
《銅の宝箱》×96
《鉄の宝箱》×44
《銀の宝箱》×14
《金の宝箱》×3
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合計
332個
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「開けよう」
◇◇◇
三百三十二個。
さすがに宿の部屋へ全部並べる気にはならない。
「まとめて開けられないかな」
《インベントリ》の木箱を十個選択する。
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《木の宝箱》×10
一括開封しますか?
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「できる!」
それなら早い。
「開封」
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《木の宝箱》×10
一括開封
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取得表示が次々と流れ始めた。
薬草。
茸。
鉱石。
食料。
ポーション。
魔石。
矢。
銅貨。
銀貨。
「おお……」
一箱一個ではない。
二つ。
三つ。
箱によってはそれ以上。
「じゃあ残りも全部」
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《木の宝箱》×165
一括開封
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視界いっぱいに取得表示が流れる。
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《主な獲得品》
《初級ポーション》×96
《初級魔力ポーション》×74
《解毒ポーション》×38
《薬草》×420
《魔力草》×260
《鉄鉱石》×380
《銅鉱石》×290
《錫鉱石》×120
《銀鉱石》×46
《魔石》×310
《青樫材》×110
《硬木材》×130
《携帯食料》×180
《鉄矢》×600
ほか多数
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「銀鉱石も出るんだ」
鉱石だけでもかなり種類がある。
普通品質の武器や防具も大量に出ていた。
剣。
短剣。
槍。
斧。
盾。
革鎧。
籠手。
靴。
「使わないのは売ろう」
次は銅箱。
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《銅の宝箱》×96
一括開封
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木箱よりも光が少し強い。
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《主な獲得品》
《中級ポーション》×82
《中級魔力ポーション》×64
《万能傷薬》×30
《上質鉄鉱》×180
《鋼鉱》×140
《銀鉱石》×90
《白銀砂》×52
《魔力石英》×96
《火晶石》×42
《風晶石》×36
《水晶石》×31
《土晶石》×39
《創晶石》×120
《中級魔石》×150
《良質装備》×27
《技能書》×8
《魔導書》×3
ほか多数
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「ちゃんと色々出る」
火。
風。
水。
土。
属性系の結晶素材まで増えた。
「こういうの好き」
何に使うかまだ分からない素材まで含めて、全部取っておきたい。
技能書を確認すると、《剣術》《盾術》《採掘》《身体強化》など、すでに覚えているものが多かった。
「被ったのは売れるかな」
次。
「鉄箱」
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《鉄の宝箱》×44
一括開封
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金属音と一緒に、さらに強い光が広がった。
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《主な獲得品》
《上級ポーション》×38
《上級魔力ポーション》×31
《高純度鉄鉱》×120
《黒鋼鉱》×96
《魔鋼鉱》×34
《ミスリル銀鉱》×12
《月銀鉱》×8
《魔力石英》・良質×42
《創晶石》・良質×36
《雷晶石》×18
《氷晶石》×21
《上級魔石》×48
《高品質装備》×11
《技能書》×6
《魔導書》×4
《小宝玉》×5
ほか多数
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「……ん?」
見慣れない名前。
「ミスリル?」
私はすぐに取り出した。
淡い青銀色。
鉄より明るく、銀よりもわずかに青い。
手に持つと、見た目から想像するより軽かった。
「《上級鑑定》」
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《ミスリル銀鉱》
分類:希少魔力金属鉱石
品質:普通
高い魔力親和性を持つ
青銀色の希少金属鉱石。
鋼より軽く、
高い強度と魔力伝導性を持つ。
武器、防具、魔導具など
幅広い高級装備に利用される。
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「ミスリルあるんだ!」
思わず声が大きくなった。
異世界に来たなら、一度は欲しい素材。
「軽くて強くて魔力も通る……いいなあ」
十二個だけ。
装備一式を作るには少ないかもしれない。
「もっと欲しい」
新しい採取目標ができた。
その隣の《月銀鉱》も鑑定する。
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《月銀鉱》
分類:希少金属鉱石
品質:普通
月光に似た魔力波長を持つ銀系魔力金属。
魔力隠蔽、
光属性、
幻影系の付与と相性が良い。
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「これもファントム・ブラック・ムーン系に合いそう」
使えそうな素材が一気に増えた。
「宝箱、楽しい」
◇◇◇
次は銀箱。
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《銀の宝箱》×14
一括開封
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銀白色の光が部屋を満たした。
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《主な獲得品》
《高級回復ポーション》×12
《高級魔力ポーション》×12
《高純度魔晶核》×8
《ミスリル銀鉱》・良質×32
《月銀鉱》・良質×18
《魔鋼鉱》・良質×16
《鋭晶鉱》・良質×18
《高純度銀鉱》×25
《雷晶石》・良質×12
《氷晶石》・良質×14
《風晶石》・良質×15
《創晶石》・良質×25
《魔導書:追尾矢》×1
《技能書:高速狙撃》×1
《技能書:射撃集中》×1
《魔力の大宝玉》×1
《高品質装備》×8
《希少級装備》×3
金貨×86
ほか
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「ミスリル三十二!」
さっきの十二と合わせれば四十四。
「何か作れそう」
でも。
私は自分の《アーマード・コンバットウェア》を見る。
作ったばかり。
「すぐ交換するのはもったいないかな」
今は保管。
ミスリルがもっと集まった時に、新しい装備を一から作ればいい。
「それにしても……」
宝箱だけで素材集めがかなり進む。
狩り。
採取。
採掘。
宝箱。
全部やれば、素材がどんどん増えていく。
「最高かも」
次は魔導書。
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《魔導書:追尾矢》
分類:技能習得書
品質:高品質
使用することで
《追尾矢》を習得する。
放った矢へ魔力誘導を与え、
標的を一定範囲内で追尾させる。
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「これ、絶対弓と相性いい」
すぐ使用する。
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《追尾矢》Lv1
習得
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「Lv10まで」
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《追尾矢》
Lv1
↓
Lv10 MAX
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《高速狙撃》と《射撃集中》も習得し、まとめてLv10へ。
「いい感じ」
そして。
残ったのは三つ。
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《金の宝箱》×3
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「これは一個ずつ」
金箱だけは、一括開封する気になれなかった。
◇◇◇
「一個目」
金箱へ触れる。
「開封」
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《金の宝箱》
開封
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《戦技書:多重標的射撃》×1
《ミスリル銀鉱》・良質×30
《月銀鉱》・良質×20
《月影の大魔石》×1
《高純度魔晶核》×6
《高純度創晶石》×15
《完全回復ポーション》×3
金貨×100
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「またミスリル!」
これでかなり増えた。
でも一番気になるのは。
「戦技書?」
黒い表紙。
そこには一人の射手と、複数の標的へ分かれて飛ぶ矢が描かれている。
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《戦技書:多重標的射撃》
品質:逸話級
使用条件:
《上級弓術》Lv10
《魔導弓術》Lv10
《多重射撃》Lv10
《魔力照準》Lv10
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条件達成済み
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使用することで
弓系戦技
《多重標的射撃》
を習得する。
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「マルチロック・シュート……!」
複数の敵を同時に狙える。
欲しかった感じの技だった。
「使う」
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《戦技書:多重標的射撃》
使用
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新規戦技習得
《多重標的射撃》
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複数標的を同時捕捉。
各標的へ矢を割り当て、
一斉射撃する弓系戦技。
魔力矢使用時は、
捕捉数に応じた複数の魔力矢を
同時生成可能。
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「これ絶対楽しい」
《追尾矢》まで覚えた直後。
相性が良すぎる。
「後で絶対試そう」
◇◇◇
「二個目」
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《金の宝箱》
開封
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《魔導書:分裂矢》×1
《魔導書:魔力障壁》×1
《ミスリル銀鉱》・高品質×12
《雷晶核》×3
《氷晶核》×3
《風晶核》×3
《鋭晶鉱》・良質×20
《万能完全治療薬》×3
金貨×120
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「高品質ミスリル」
思わずそっちから確認する。
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《ミスリル銀鉱》
品質:高品質
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高純度のミスリル成分を含む希少鉱石。
精錬後は一般的なミスリルよりも
高い強度、
軽量性、
魔力伝導性を発揮する。
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「これは大事に使おう」
十二個だけ。
こういう少量の高品質素材は、適当に使いたくない。
《分裂矢》も習得してLv10。
《魔力障壁》も同じように取得した。
「最後」
◇◇◇
三個目の金箱を開く。
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《金の宝箱》
開封
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《月影狙撃の指輪》×1
《魔力の大宝玉》×1
《敏捷の大宝玉》×1
《幻影魔晶》×5
《月銀鉱》・高品質×10
《ミスリル銀塊》×8
《高純度創晶石》×20
金貨×150
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「銀塊?」
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《ミスリル銀塊》
分類:精錬金属
品質:良質
精錬済みのミスリル。
武器、防具、魔導具へ
そのまま加工可能。
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「鉱石だけじゃなくて精錬済みまで出るんだ」
これは便利。
そして指輪。
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《月影狙撃の指輪》
装備ランク:B級
品質:逸話級
分類:魔導指輪
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《遠距離命中強化》
《照準速度上昇》
《遠距離視認強化》
《魔力矢制御補助》
《隠密射撃補助》
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「これも使える」
右手へ装備。
二つの大宝玉も使う。
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《魔力補正》
恒久上昇
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《敏捷補正》
恒久上昇
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そして《インベントリ》を見る。
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《未開封宝箱》
0
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「全部開けた」
三百三十二個。
すごい量だった。
でも。
「楽しかった」
しかも今回。
ミスリル。
月銀。
属性晶石。
属性晶核。
幻影魔晶。
知らなかった素材が一気に増えた。
「今度はミスリルの鉱脈も探したいな」
また行きたい場所が増えた。
◇◇◇
昼前。
私は王都西門から外へ出た。
目的は新装備と新しい戦技の試運転。
黒い《アーマード・コンバットウェア》。
銀灰色の魔鋼板。
その上から《クリスタル・シャドウクローク》。
フードを被り、黒い布マスク。
そして。
「《ファントム・ブラック・ムーン》」
《インベントリ》から弓を取り出す。
黒銀色の弓身。
月のような弧。
銀白色の魔力光。
「……やっぱりめっちゃカッコいい」
昨日も何度も思った。
今日見ても同じ。
「これで強いんだから最高」
そのまま《ルミナス丘陵》へ向かった。
◇◇◇
しばらく進む。
《上級索敵》が反応した。
「十一体」
草地の向こう。
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《角兎》
Lv4~6
×11
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「試すにはちょうどいい」
《上級隠密》。
《気配遮断》。
《魔力隠蔽》。
《クリスタル・シャドウクローク》の隠密補助。
角兎たちはまったくこちらへ反応しない。
私は《ファントム・ブラック・ムーン》を構える。
魔力を流す。
黒銀色の弓身へ、銀白色の線が浮かび上がった。
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《魔力照準》
発動
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一体。
二体。
三体。
視界へ次々と照準印が現れる。
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標的捕捉
11
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「全部いける」
弦を引く。
銀白色の魔力が集まった。
一発じゃない。
一本。
二本。
三本。
次々と魔力矢が生成され、《ファントム・ブラック・ムーン》の周囲へ浮かぶ。
十一本。
「……すご」
黒銀色の魔弓。
その周囲へ浮かぶ銀白色の矢。
黒い魔力光。
「めちゃくちゃカッコいい……!」
ちょっと眺めていたい。
でも撃つ。
「《多重標的射撃》」
放つ。
音はなかった。
十一本の魔力矢が一斉に飛ぶ。
右。
左。
上。
草むら。
岩陰。
それぞれ別の標的へ。
逃げようとした角兎へ向かった一矢は、《追尾矢》の効果で滑らかに軌道を曲げた。
次の瞬間。
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《角兎》
×11
討伐
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「……一発」
全部。
同時。
「これ便利すぎる」
一体ずつ狙う必要がない。
標的を捕捉。
魔力矢を生成。
一斉射撃。
「しかも気づかれてない」
最後まで、角兎たちは私の位置を見つけられなかった。
「もう一回やりたい」
◇◇◇
少し先の林。
今度はもっと多い。
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《フォレストウルフ》
Lv12~16
×18
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「十八」
《魔力照準》。
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標的捕捉
18
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魔力矢が次々と生まれる。
十八本。
《ファントム・ブラック・ムーン》の周囲を銀白色の矢が扇状に囲んだ。
「これ、本当に好き」
《魔力収束》。
《狙撃強化》。
《追尾矢》。
「《多重標的射撃》」
無音。
十八本の光が森へ散った。
木々の隙間を通る。
逃げる個体を追う。
岩陰へ回り込んだ個体へは大きく軌道を変える。
ドッ。
ドッ。
ドッ。
着弾音だけが森の中で小さく続いた。
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《フォレストウルフ》
×18
討伐
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「……強い」
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《自動収集》
発動
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《フォレストウルフの毛皮》
《フォレストウルフの牙》
《フォレストウルフの爪》
《フォレストウルフの魔石》
遺骸×18
収納完了
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そして。
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《宝箱ドロップ》
《木の宝箱》×8
《銅の宝箱》×4
《鉄の宝箱》×1
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「…………」
さっき三百三十二個、全部開けた。
綺麗にゼロにした。
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《未開封宝箱》
0
↓
13
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「また増えた」
少し考える。
「まあいいか」
また貯めればいい。
今度は何が出るか分からない。
ミスリルより上の素材だって、そのうち出るかもしれない。
◇◇◇
次は《ブラック・ファング》も試す。
林の奥。
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《アーマーボア》
Lv20
━━━━━━━━━━
こちらへ突進してくる。
《ファントム・ブラック・ムーン》を収納。
腰から黒い片刃剣を抜く。
刀身内部の銀白色の魔力経路が淡く光った。
「《一閃》」
すれ違う。
ザンッ!
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《アーマーボア》
討伐
━━━━━━━━━━
「こっちもいい」
硬い外皮ごと綺麗に切れていた。
《ブラック・ファング》。
《ファントム・ブラック・ムーン》。
《アーマード・コンバットウェア》。
《クリスタル・シャドウクローク》。
そして、新しく手に入れた大量の素材。
「ミスリルも集まったし」
その先には、まだ知らない金属があるかもしれない。
まだ知らない魔物。
鉱石。
結晶。
宝箱。
「次はどこ行こうかな」
私はもう一度を取り出した。
黒銀色の弓身に、銀白色の光が静かに流れる。
「……何回見てもカッコいい」
しばらくは、これが私の一番お気に入りになりそうだった。




