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第十話 黒鋼岩地と幻穿黒魔弓



 《黒鋼岩地》へ来た目的だった《黒鋼鉱ブラックスティール》と《鋼刃蟷螂の鎌刃》。


 その両方を十分すぎるほど手に入れた。


「依頼としては、もう帰ってもいいんだけど……」


 私は周囲を見渡す。


 黒灰色の岩山。


 切り立った崖。


 岩の隙間へ続く細い道。


 少し離れた場所には、洞窟らしき穴まで見える。


 《上級索敵》にも、まだいくつもの反応があった。


「せっかく来たんだし、もう少し見ていこう」


 調査依頼なのだから、他にどんな魔物や資源が存在するのか調べるのも仕事だ。


 決して素材が欲しいだけではない。


 ……たぶん。


◇◇◇


 岩山の斜面を進む。


 《自動収集》が次々と反応した。


━━━━━━━━━━


《高純度鉄鉱》×40


《黒鉄砂》×80


《硬岩石》×70


《魔力石英》×32


《火花石》×20


《黒鋼石片》×60


━━━━━━━━━━


「また知らない素材」


 《魔力石英》を一つ取り出す。


 半透明の灰白色。


 内部には淡い魔力光が宿っていた。


「《上級鑑定》」


━━━━━━━━━━


《魔力石英》


分類:魔力鉱物


品質:普通


周囲の魔力を微量に蓄積した石英。


魔道具、

魔力回路、

錬金触媒などに利用される。


━━━━━━━━━━


「魔道具に使えるんだ」


 次は《火花石》。


━━━━━━━━━━


《火花石》


分類:鉱石素材


品質:普通


強い衝撃を受けることで、

火花と微量の火属性魔力を発生させる鉱石。


着火具、

火属性錬金、

魔道具などに利用される。


━━━━━━━━━━


「これも取っておこう」


 使い道は後で考えればいい。


 さらに岩の隙間には、黒い苔と赤茶色の細い草が生えていた。


━━━━━━━━━━


《黒鋼苔》


分類:薬用素材


品質:普通


黒鋼鉱脈周辺に生える特殊な苔。


止血作用と耐熱性を持ち、

傷薬や耐熱薬の素材となる。


━━━━━━━━━━


《鉄根草》


分類:薬草


品質:普通


土中の金属成分を吸収して育つ薬草。


強壮薬、

硬化薬、

身体強化系錬金薬の素材となる。


━━━━━━━━━━


「硬化薬は作ってみたいな」


━━━━━━━━━━


《自動収集》


《黒鋼苔》×90


《鉄根草》×70


《岩蜜草》×60


《鉱脈茸》×40


━━━━━━━━━━


「いい感じ」


 鉱石。


 砂。


 結晶。


 薬草。


 苔。


 茸。


 同じ岩山でも、探せば色々ある。


 こういう場所は歩いているだけでも楽しい。


◇◇◇


 《上級索敵》へ複数の反応が入った。


「前に七体」


 岩陰から現れたのは、大型犬ほどもある黒灰色の鼠だった。


 前歯だけが妙に大きい。


━━━━━━━━━━


鉱喰い鼠(オアイーター・ラット)


Lv21


種族:獣系魔物


鉱石を齧って生きる大型鼠。


非常に硬い前歯を持ち、

小規模な群れを形成する。


━━━━━━━━━━


「鉱石食べるんだ」


 一体が岩壁へ齧りついている。


「あ、それ黒鋼鉱じゃない?」


 まだ私の物ではないけど。


 できれば食べないでほしい。


 《ボア・コンポジットボウ》を構える。


「《五連射》」


 五本の鉄矢が連続して飛ぶ。


━━━━━━━━━━


鉱喰い鼠(オアイーター・ラット)


×5


討伐


━━━━━━━━━━


「《瞬速射》」


 シュッ!


 シュッ!


━━━━━━━━━━


鉱喰い鼠(オアイーター・ラット)


×2


討伐


━━━━━━━━━━


「弓、やっぱり便利」


━━━━━━━━━━


《自動収集》


《鉱喰い鼠の硬歯》×70


《鉱喰い鼠の毛皮》×80


《鉱喰い鼠の胃石》×30


《鉱喰い鼠の魔石》×70


鉱喰い鼠の遺骸×7


収納完了


━━━━━━━━━━


「胃石?」


━━━━━━━━━━


《鉱喰い鼠の胃石》


分類:魔物素材


品質:普通


胃内部で鉱物成分が凝縮した塊。


破砕・精製することで、

少量の鉱石や魔晶素材を得られる。


━━━━━━━━━━


「ガチャみたい」


 後でまとめて割ってみよう。


 その時だった。


 倒した魔物がいた場所に淡い光が集まる。


「ん?」


 木製の箱が二つ。


 その隣には銅色の箱。


━━━━━━━━━━


《宝箱ドロップ》


《木の宝箱》×2


《銅の宝箱》×1


━━━━━━━━━━


「……宝箱?」


 私は固まった。


「宝箱、出るんだ」


 LGOなら見慣れた光景だった。


 なのに、この世界へ来てから一度も開けていない。


「待って」


 今まで倒した魔物を思い出す。


 ブルースライム。


 角兎。


 ロックリザード。


 鉄牙狼。


 フォレストウルフ。


 アーマーボア。


 鋼刃蟷螂。


「……いっぱい倒してるよね?」


 嫌な予感がした。


 《インベントリ》を開き、宝箱で検索する。


━━━━━━━━━━


《未開封宝箱》


検索中……


━━━━━━━━━━


《木の宝箱》×128


《銅の宝箱》×67


《鉄の宝箱》×31


《銀の宝箱》×12


《金の宝箱》×3


━━━━━━━━━━


合計


241個


━━━━━━━━━━


「…………」


 二度見する。


「二百四十一個?」


 表示は変わらない。


「あ……《自動収集》」


 今まで出現した宝箱まで、全部インベントリへ回収されていたらしい。


 しかも。


「全部未開封」


 試しに木の宝箱を一つ取り出して触れる。


━━━━━━━━━━


《木の宝箱》


開封しますか?


━━━━━━━━━━


「ちゃんと自分で開けられる」


 これは嬉しい。


 勝手に中身だけ回収されるより、絶対こっちの方が楽しい。


「帰ったら全部開けよう」


 新しく出た三箱も収納する。


━━━━━━━━━━


未開封宝箱


241



244


━━━━━━━━━━


「楽しみ増えた」


◇◇◇


 さらに奥へ進む。


 今度は岩壁そのものに見えていた影が動いた。


━━━━━━━━━━


黒岩蜥蜴ブラックロックリザード


Lv27


種族:爬虫類系魔物


黒い岩肌に似た鱗を持つ大型蜥蜴。


高い防御力と保護色を持ち、

岩場での奇襲を得意とする。


━━━━━━━━━━


 一体。


 二体。


 さらに岩陰。


「九体」


 《生命感知》があるから、保護色もほとんど意味がない。


「《五月雨》」


 複数の矢を上空へ放つ。


 雨のように鉄矢が降り注いだ。


 ガキンッ!


「硬い」


 倒し切れなかった個体へ。


「《穿甲矢》」


 ドシュッ!


━━━━━━━━━━


黒岩蜥蜴ブラックロックリザード


×9


討伐


━━━━━━━━━━


《黒岩蜥蜴の鱗》×180


《黒岩蜥蜴の皮》×130


《黒岩蜥蜴の爪》×90


《黒岩蜥蜴の魔石》×90


遺骸×9


━━━━━━━━━━


《宝箱ドロップ》


《木の宝箱》×2


《銅の宝箱》×2


《鉄の宝箱》×1


━━━━━━━━━━


「また出た」


 素材。


 経験値。


 技能熟練度。


 戦技熟練度。


 宝箱。


「狩りがどんどん楽しくなる」


◇◇◇


 黒鋼岩地には、さらに別の魔物もいた。


━━━━━━━━━━


黒鉄山羊ブラックアイアンゴート


Lv28


━━━━━━━━━━


 黒灰色の金属質な角。


「武器素材になりそう」


━━━━━━━━━━


鉄殻蠍アイアンシェルスコーピオン


Lv32


━━━━━━━━━━


「蠍」


━━━━━━━━━━


鉄棘百足アイアンスパインセンチピード


Lv31


━━━━━━━━━━


「百足まで」


 種類が多い。


 そして全部素材が違う。


「いい場所だなあ」


 私は弓を構えた。


◇◇◇


 しばらく狩り続ける。


 《黒鉄山羊》には《鷹眼射》。


 《鉄殻蠍》には《穿甲矢》。


 群れで動く《鉄棘百足》には《五月雨》。


━━━━━━━━━━


《追加討伐》


黒岩蜥蜴ブラックロックリザード》×22


鉱喰い鼠(オアイーター・ラット)》×34


黒鉄山羊ブラックアイアンゴート》×18


鉄殻蠍アイアンシェルスコーピオン》×16


鉄棘百足アイアンスパインセンチピード》×21


━━━━━━━━━━


 素材も次々増える。


━━━━━━━━━━


《黒鉄山羊の角》


《黒鉄山羊の毛皮》


《黒鉄山羊の蹄》


《鉄殻蠍の甲殻》


《鉄殻蠍の鋏》


《鉄殻蠍の尾針》


《鉄殻蠍の毒袋》


《鉄棘百足の外殻》


《鉄棘百足の棘》


《鉄棘百足の脚甲》


━━━━━━━━━━


 宝箱も。


━━━━━━━━━━


《追加宝箱》


《木の宝箱》×39


《銅の宝箱》×20


《鉄の宝箱》×8


《銀の宝箱》×2


━━━━━━━━━━


「銀!」


 《宝箱品質上昇》と《幸運強化》。


 それに女神様の幸運補正。


 色々効いているみたいだ。


「開けたい……」


 でも我慢。


 今日は探索。


 大量開封は王都でやる。


◇◇◇


 岩山の奥。


 小さな洞窟を見つけた。


「ここも見ていこう」


 《暗視》。


 《上級索敵》。


 洞窟へ一歩入った瞬間、天井から無数の影が飛び立った。


━━━━━━━━━━


晶羽蝙蝠(クリスタルバット)


Lv23~26


×28


━━━━━━━━━━


 翼膜に混ざる半透明の結晶が、洞窟内の光を反射して輝いている。


「綺麗」


 でも全部こちらへ向かってくる。


「《五連射》」


 五本。


 さらに五本。


 また五本。


 矢筒から減った分は《インベントリ》から即座に補充される。


━━━━━━━━━━


晶羽蝙蝠(クリスタルバット)


×28


討伐


━━━━━━━━━━


《晶羽蝙蝠の晶膜》×280


《晶羽蝙蝠の牙》×190


《晶羽蝙蝠の魔石》×280


━━━━━━━━━━


《宝箱ドロップ》


《木の宝箱》×4


《銅の宝箱》×6


《鉄の宝箱》×4


━━━━━━━━━━


「また増えた」


 先に素材を確認する。


━━━━━━━━━━


《晶羽蝙蝠の晶膜》


分類:魔物素材


品質:良質


魔力結晶成分を含んだ軽量な翼膜。


高い魔力伝導性を持ち、


魔導具


軽装防具


魔力布


隠密装備


などの素材として利用できる。


━━━━━━━━━━


「隠密装備……」


 黒い外套が頭に浮かんだ。


「これ、絶対作ろう」


 さらに奥へ。


━━━━━━━━━━


鋭晶鉱レイザークリスタル


品質:良質


×36


━━━━━━━━━━


「剣に使える」


 その近く。


 青白い魔力光を放つ鉱脈。


━━━━━━━━━━


魔鋼鉱マナスティール


分類:希少魔力金属鉱石


品質:普通


高濃度の魔力を長期間受けた

鉄鉱脈から生成される魔力金属。


高い強度と魔力伝導性を持つ。


━━━━━━━━━━


魔鋼鉱マナスティール》×18


━━━━━━━━━━


「魔鋼」


 手に取る。


 鈍い灰銀色。


 普通の鉄や黒鋼より、明らかに魔力の通りがいい。


「これ、防具にしたいな」


 黒い戦闘服。


 胸や肩。


 腕。


 腰。


 脚。


 そこへ灰銀色の装甲板。


「帰ったら作ろう」


◇◇◇


 さらに奥。


 《上級索敵》へ巨大な反応が入った。


「何かいる」


 洞窟の広間へ出る。


 中央。


 岩と鉱石が積み重なったような巨体が、ゆっくり立ち上がった。


━━━━━━━━━━


鉱石ゴーレム(オアゴーレム)


Lv36


種族:ゴーレム系魔物


危険度:中~高


鉱脈周辺の魔力によって

自然発生する鉱石系ゴーレム。


高い物理防御力を持ち、

討伐時には大量の鉱物素材を残す。


━━━━━━━━━━


「Lv36」


 今の私はLv41。


「ちょうどいい」


 《ボア・コンポジットボウ》を構える。


「《穿甲矢》!」


 ドンッ!


 胸部の岩が砕ける。


 でも倒れない。


「ゴオオオッ!」


 巨大な拳が振り下ろされた。


 横へ跳ぶ。


 地面が砕ける。


「硬い」


 なら。


 《魔力強化》。


 《武器強化魔法》。


 弓へ魔力を流す。


「《鷹眼射》」


 狙う。


 胸。


 砕けた岩の奥。


 魔力が集中する一点。


「そこ」


 放つ。


 シュウッ!


 矢が核を貫いた。


 ドンッ!


━━━━━━━━━━


鉱石ゴーレム(オアゴーレム)


討伐


━━━━━━━━━━


 巨体が崩れ落ちる。


━━━━━━━━━━


《自動収集》


《鉱石ゴーレムの岩核》×10


《鉄鉱塊》×160


《黒鋼鉱片》×90


《魔晶核》×10


黒鋼鉱ブラックスティール》×120


創晶石(アルケリウム)》×40


━━━━━━━━━━


 そして。


━━━━━━━━━━


《強敵討伐》


宝箱確定


━━━━━━━━━━


 金色の光が集まった。


━━━━━━━━━━


《金の宝箱》


×1


━━━━━━━━━━


「金!」


 これは我慢できない。


「一個だけ」


 誰に許可を取っているのか分からないけど。


 宝箱へ手を掛ける。


「開封」


 カチッ。


 眩しい金色の光が洞窟を満たした。


━━━━━━━━━━


《金の宝箱》


開封


━━━━━━━━━━


幻穿黒魔弓ファントム・ブラック・ムーン》×1


《魔導書:魔力弓》×1


《狙撃の大宝玉》×1


《高純度魔晶核》×5


《高純度創晶石(アルケリウム)》×12


魔鋼鉱マナスティール》・良質×20


《上級魔力ポーション》×10


金貨×120


━━━━━━━━━━


「……いっぱい出た」


 宝箱一個から八種類。


「金箱すごい」


 《宝箱品質上昇》。


 《幸運強化》。


 女神様の幸運補正。


 色々重なっているんだと思う。


 でも、今はそれより。


「この弓……」


 金色の光の中から現れた魔導弓へ手を伸ばす。


 黒銀色。


 少し大型。


 月の弧を思わせる滑らかな弓身。


 黒い魔力光が薄く漂い、その中を銀白色の細い光が流れている。


 弦まで魔力によって形成されていた。


「《上級鑑定》」


━━━━━━━━━━


幻穿黒魔弓ファントム・ブラック・ムーン


装備ランク:A(ランク)


品質:逸話級(エピック)


分類:魔導弓


━━━━━━━━━━


黒月の魔力を宿す

高位隠密型魔導弓。


実体矢・魔力矢の双方へ対応。


姿と魔力反応を隠しながら、

遠距離から標的を穿つことに特化している。


━━━━━━━━━━


《魔力矢生成》


《魔力矢威力大幅増幅》


《射程大幅延長》


《矢速大幅上昇》


《高貫通補正》


《長距離狙撃補正》


《射撃音消去》


《射撃時気配遮断》


《魔力反応隠蔽》


《魔力消費軽減》


《魔力充填射撃》


━━━━━━━━━━


「Aランク……」


 今の私はEランク冒険者。


 武器だけ三つ上。


「強すぎない?」


 少しだけ考える。


「……使うけど」


 当然だった。


 強い武器が出たのに、使わない理由はない。


 続いて魔導書。


━━━━━━━━━━


《魔導書:魔力弓》


品質:高品質


使用することで

スキル《魔力弓》を習得する。


━━━━━━━━━━


「使う」


━━━━━━━━━━


《魔力弓》Lv1


習得


━━━━━━━━━━


 さらに《ファントム・ブラック・ムーン》と相性の良さそうな技能もまとめて取得する。


━━━━━━━━━━


《追加スキル取得・強化》


《魔力弓》Lv10


《魔導弓術》Lv10


《魔力矢》Lv10


《魔力収束》Lv10


《魔力隠蔽》Lv10


《無音射撃》Lv10


《超遠距離射撃》Lv10


《狙撃強化》Lv10


《貫通射撃強化》Lv10


《魔力照準》Lv10


《射撃気配遮断》Lv10


━━━━━━━━━━


取得・強化完了


消費SP:109


残存SP:27,311


━━━━━━━━━━


「よし」


 細かい説明は後でいい。


 今は撃ちたい。


 《ファントム・ブラック・ムーン》を構える。


「軽い」


 見た目よりずっと軽い。


 弦へ指を掛ける。


 矢はつがえていない。


 それでも弦を引くと。


 シュウッ――。


 銀白色の魔力が集まり、一本の細長い矢を形成した。


━━━━━━━━━━


《魔力矢》


生成


━━━━━━━━━━


「これが……」


 洞窟の奥。


 かなり離れた岩壁へ狙いを定める。


 《魔力照準》。


 《魔力収束》。


「撃ってみよう」


 指を離した。


 音がしなかった。


「え?」


 矢が消えたように見える。


 次の瞬間。


 ズドンッ!


 遠くの岩壁に大穴が開いた。


「…………」


 私は弓を見る。


「強い」


 今までの弓とは明らかに違う。


 しかも射撃音がほとんどない。


 撃った瞬間の魔力反応まで薄い。


「これ、隠れて撃ったら……」


 《上級隠密》。


 《気配遮断》。


 《魔力隠蔽》。


 《無音射撃》。


 《射撃気配遮断》。


 そこへ《ファントム・ブラック・ムーン》自身の性能まで加わる。


「見つからないまま一方的に狩れる?」


 ものすごく楽しそうだった。


「これ好き」


 一発撃っただけで分かった。


 この弓はかなり使う。


◇◇◇


 残りの金箱報酬も確認する。


━━━━━━━━━━


《狙撃の大宝玉》


分類:特殊宝玉


品質:逸話級(エピック)


使用すると、


遠距離命中


遠距離威力


有効射程


へ恒久的な補正を与える。


━━━━━━━━━━


「使う」


━━━━━━━━━━


《狙撃の大宝玉》


使用


━━━━━━━━━━


《遠距離命中補正》


《遠距離威力補正》


《射程補正》


恒久上昇


━━━━━━━━━━


「金箱すごいなあ」


 高純度素材やポーション、金貨も全部インベントリへ収納する。


「まだ金箱三個残ってるんだよね」


 帰ったら絶対開けよう。


◇◇◇


 洞窟を出た頃には、夕方が近づいていた。


「そろそろ帰ろう」


 獲得した素材を確認する。


━━━━━━━━━━


《黒鋼岩地・追加調査結果》


《黒岩蜥蜴》×22


《鉱喰い鼠》×34


《黒鉄山羊》×18


《鉄殻蠍》×16


《鉄棘百足》×21


《晶羽蝙蝠》×28


《鉱石ゴーレム》×1


ほか


━━━━━━━━━━


《主な新規素材》


《高純度鉄鉱》


《黒鉄砂》


《魔力石英》


《火花石》


《黒鋼苔》


《鉄根草》


《岩蜜草》


《鉱脈茸》


《鋭晶鉱》


《魔鋼鉱》


《晶羽蝙蝠の晶膜》


━━━━━━━━━━


 そして宝箱。


━━━━━━━━━━


《未開封宝箱》


《木の宝箱》×175


《銅の宝箱》×96


《鉄の宝箱》×44


《銀の宝箱》×14


《金の宝箱》×3


━━━━━━━━━━


合計


332個


━━━━━━━━━━


「三百三十二……」


 一個開けたのに増えている。


「これは明日かな」


 大量開封。


 絶対楽しい。


◇◇◇


 王都へ戻る。


 まず冒険者ギルドへ向かった。


「ただいまです」


「お帰りなさい、リリスさん」


 エレナさんへ調査報告を提出する。


 鋼刃蟷螂。


 黒岩蜥蜴。


 鉱喰い鼠。


 黒鉄山羊。


 鉄殻蠍。


 鉄棘百足。


 晶羽蝙蝠。


 鉱石ゴーレム。


 さらに鉱脈や採取素材。


「……これ、一日分ですよね?」


「はい」


「調査依頼でしたよね?」


「ちゃんと調査しました」


「討伐数が調査の量じゃないんですよ……」


「でも色々見つけました」


「そうなんですけど」


 エレナさんが額へ手を当てた。


 そして私が持つ弓を見る。


「ところで、その弓……朝は持ってませんでしたよね?」


「あ」


「また作ったんですか?」


「宝箱から出ました」


「宝箱?」


「金の宝箱です」


「ちょっと見せてもらえます?」


「どうぞ」


 鑑定用の魔道具へ《ファントム・ブラック・ムーン》を近づける。


 光が走る。


 表示が出る。


 エレナさんが固まった。


「…………」


「どうしました?」


「Aランク」


「はい」


「品質、エピック」


「はい」


「リリスさん」


「はい」


「Eランクになった翌日に、Aランクのエピック武器を持って帰ってこないでください」


「宝箱がくれたので」


「宝箱に言ってください」


「無理です」


「でしょうね……」


 なぜか疲れた顔をされた。


◇◇◇


 報告を終えた私は、そのまま錬金術師ギルドへ向かった。


「作りたい物が三つ」


 まず剣。


━━━━━━━━━━


《黒鋼刃剣製作》


黒鋼鉱ブラックスティール》・良質


《鋼刃蟷螂の鎌刃》


《鋭刃核》


鋭晶鉱レイザークリスタル


創晶石(アルケリウム)


━━━━━━━━━━


「《上級錬金術》」


「《魔導装備製作》」


━━━━━━━━━━


《製作成功》


━━━━━━━━━━


黒鋼刃剣ブラック・ファング


品質:上質


分類:中型片刃剣


全長:約105cm


刃渡り:約80cm


━━━━━━━━━━


黒灰色のやや幅広な片刃。


刃先は鈍い銀色。


刀身内部には

銀白色の魔力経路が走る。


━━━━━━━━━━


高斬撃力


切れ味強化


刃持ち強化


貫通性能上昇


高耐久


魔力伝導


硬質素材特効


━━━━━━━━━━


「できた」


 黒い片刃剣。


 思い描いていた通り。


 次。


「防具」


━━━━━━━━━━


《新規防具製作》


魔鋼鉱マナスティール


魔鋼鉱マナスティール》・良質


《晶羽蝙蝠の晶膜》


《アーマーボアの柔毛皮》


《黒鉄山羊の毛皮》


《魔力石英》


創晶石(アルケリウム)


━━━━━━━━━━


「《上級錬金術》」


「《魔導装備製作》」


━━━━━━━━━━


《製作成功》


━━━━━━━━━━


魔鋼板戦闘服アーマード・コンバットウェア


品質:高品質


分類:軽装甲戦闘服


━━━━━━━━━━


黒色の高強度戦闘服。


胸部



前腕





などの要所へ、

灰銀色の魔鋼装甲板を備える。


━━━━━━━━━━


高防御


高耐衝撃


耐斬撃


軽量化


可動補助


魔力伝導


魔力防御補助


高耐久


━━━━━━━━━━


「これいい」


 全身を金属で固めた重装鎧ではない。


 黒い服。


 灰銀色の装甲。


 動きやすい。


 見た目もかなり好みだった。


 最後。


━━━━━━━━━━


《隠密外套製作》


《晶羽蝙蝠の晶膜》


《晶羽蝙蝠の魔石》


《黒鉄山羊の毛皮》


《魔力石英》


創晶石(アルケリウム)


━━━━━━━━━━


《上級錬金術》


《上級裁縫》


《魔導装備製作》


━━━━━━━━━━


《製作成功》


━━━━━━━━━━


晶影隠密外套クリスタル・シャドウクローク


品質:高品質


分類:隠密外套


━━━━━━━━━━


黒から暗灰色を基調とする

フード付き隠密外套。


光の角度によって、

ごく薄い晶質の光沢が浮かぶ。


━━━━━━━━━━


気配遮断補助


足音抑制


衣擦れ音抑制


魔力反応隠蔽


光学迷彩補助


遠距離視認低下


隠密行動補助


━━━━━━━━━━


「完成」


◇◇◇


 新しい装備へ着替える。


 黒い《アーマード・コンバットウェア》。


 胸や肩、腕、腰、脚を守る灰銀色の魔鋼板。


 その上から《クリスタル・シャドウクローク》。


 顔には黒い布マスク。


 腰には《ブラック・ファング》。


 そして手には。


━━━━━━━━━━


幻穿黒魔弓ファントム・ブラック・ムーン


装備ランク:A(ランク)


品質:逸話級(エピック)


━━━━━━━━━━


「……急に強そうになった」


 黒。


 暗灰。


 灰銀。


 全体的に落ち着いた色でまとまっている。


「好きかも」


 外套のフードを被る。


 《上級隠密》。


 《気配遮断》。


 《魔力隠蔽》。


 存在感が急激に薄くなる。


 そこへ《ファントム・ブラック・ムーン》。


「遠くから、見つからないまま撃って……」


 無音。


 高威力。


 高貫通。


 長射程。


「絶対楽しい」


 《ブラック・ファング》も試したい。


 《ファントム・ブラック・ムーン》も本格的に使いたい。


 新しい防具と外套の性能も確かめたい。


 そして。


━━━━━━━━━━


《未開封宝箱》


332個


━━━━━━━━━━


「……これもある」


 やりたいことが多すぎる。


 宝箱を開けるか。


 新装備で狩りへ行くか。


 少し考えて。


「両方やればいいか」


 明日も忙しくなりそうだった。

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