第十話 黒鋼岩地と幻穿黒魔弓
《黒鋼岩地》へ来た目的だった《黒鋼鉱》と《鋼刃蟷螂の鎌刃》。
その両方を十分すぎるほど手に入れた。
「依頼としては、もう帰ってもいいんだけど……」
私は周囲を見渡す。
黒灰色の岩山。
切り立った崖。
岩の隙間へ続く細い道。
少し離れた場所には、洞窟らしき穴まで見える。
《上級索敵》にも、まだいくつもの反応があった。
「せっかく来たんだし、もう少し見ていこう」
調査依頼なのだから、他にどんな魔物や資源が存在するのか調べるのも仕事だ。
決して素材が欲しいだけではない。
……たぶん。
◇◇◇
岩山の斜面を進む。
《自動収集》が次々と反応した。
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《高純度鉄鉱》×40
《黒鉄砂》×80
《硬岩石》×70
《魔力石英》×32
《火花石》×20
《黒鋼石片》×60
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「また知らない素材」
《魔力石英》を一つ取り出す。
半透明の灰白色。
内部には淡い魔力光が宿っていた。
「《上級鑑定》」
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《魔力石英》
分類:魔力鉱物
品質:普通
周囲の魔力を微量に蓄積した石英。
魔道具、
魔力回路、
錬金触媒などに利用される。
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「魔道具に使えるんだ」
次は《火花石》。
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《火花石》
分類:鉱石素材
品質:普通
強い衝撃を受けることで、
火花と微量の火属性魔力を発生させる鉱石。
着火具、
火属性錬金、
魔道具などに利用される。
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「これも取っておこう」
使い道は後で考えればいい。
さらに岩の隙間には、黒い苔と赤茶色の細い草が生えていた。
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《黒鋼苔》
分類:薬用素材
品質:普通
黒鋼鉱脈周辺に生える特殊な苔。
止血作用と耐熱性を持ち、
傷薬や耐熱薬の素材となる。
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《鉄根草》
分類:薬草
品質:普通
土中の金属成分を吸収して育つ薬草。
強壮薬、
硬化薬、
身体強化系錬金薬の素材となる。
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「硬化薬は作ってみたいな」
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《自動収集》
《黒鋼苔》×90
《鉄根草》×70
《岩蜜草》×60
《鉱脈茸》×40
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「いい感じ」
鉱石。
砂。
結晶。
薬草。
苔。
茸。
同じ岩山でも、探せば色々ある。
こういう場所は歩いているだけでも楽しい。
◇◇◇
《上級索敵》へ複数の反応が入った。
「前に七体」
岩陰から現れたのは、大型犬ほどもある黒灰色の鼠だった。
前歯だけが妙に大きい。
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《鉱喰い鼠》
Lv21
種族:獣系魔物
鉱石を齧って生きる大型鼠。
非常に硬い前歯を持ち、
小規模な群れを形成する。
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「鉱石食べるんだ」
一体が岩壁へ齧りついている。
「あ、それ黒鋼鉱じゃない?」
まだ私の物ではないけど。
できれば食べないでほしい。
《ボア・コンポジットボウ》を構える。
「《五連射》」
五本の鉄矢が連続して飛ぶ。
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《鉱喰い鼠》
×5
討伐
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「《瞬速射》」
シュッ!
シュッ!
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《鉱喰い鼠》
×2
討伐
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「弓、やっぱり便利」
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《自動収集》
《鉱喰い鼠の硬歯》×70
《鉱喰い鼠の毛皮》×80
《鉱喰い鼠の胃石》×30
《鉱喰い鼠の魔石》×70
鉱喰い鼠の遺骸×7
収納完了
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「胃石?」
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《鉱喰い鼠の胃石》
分類:魔物素材
品質:普通
胃内部で鉱物成分が凝縮した塊。
破砕・精製することで、
少量の鉱石や魔晶素材を得られる。
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「ガチャみたい」
後でまとめて割ってみよう。
その時だった。
倒した魔物がいた場所に淡い光が集まる。
「ん?」
木製の箱が二つ。
その隣には銅色の箱。
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《宝箱ドロップ》
《木の宝箱》×2
《銅の宝箱》×1
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「……宝箱?」
私は固まった。
「宝箱、出るんだ」
LGOなら見慣れた光景だった。
なのに、この世界へ来てから一度も開けていない。
「待って」
今まで倒した魔物を思い出す。
ブルースライム。
角兎。
ロックリザード。
鉄牙狼。
フォレストウルフ。
アーマーボア。
鋼刃蟷螂。
「……いっぱい倒してるよね?」
嫌な予感がした。
《インベントリ》を開き、宝箱で検索する。
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《未開封宝箱》
検索中……
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《木の宝箱》×128
《銅の宝箱》×67
《鉄の宝箱》×31
《銀の宝箱》×12
《金の宝箱》×3
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合計
241個
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「…………」
二度見する。
「二百四十一個?」
表示は変わらない。
「あ……《自動収集》」
今まで出現した宝箱まで、全部へ回収されていたらしい。
しかも。
「全部未開封」
試しに木の宝箱を一つ取り出して触れる。
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《木の宝箱》
開封しますか?
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「ちゃんと自分で開けられる」
これは嬉しい。
勝手に中身だけ回収されるより、絶対こっちの方が楽しい。
「帰ったら全部開けよう」
新しく出た三箱も収納する。
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未開封宝箱
241
↓
244
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「楽しみ増えた」
◇◇◇
さらに奥へ進む。
今度は岩壁そのものに見えていた影が動いた。
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《黒岩蜥蜴》
Lv27
種族:爬虫類系魔物
黒い岩肌に似た鱗を持つ大型蜥蜴。
高い防御力と保護色を持ち、
岩場での奇襲を得意とする。
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一体。
二体。
さらに岩陰。
「九体」
《生命感知》があるから、保護色もほとんど意味がない。
「《五月雨》」
複数の矢を上空へ放つ。
雨のように鉄矢が降り注いだ。
ガキンッ!
「硬い」
倒し切れなかった個体へ。
「《穿甲矢》」
ドシュッ!
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《黒岩蜥蜴》
×9
討伐
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《黒岩蜥蜴の鱗》×180
《黒岩蜥蜴の皮》×130
《黒岩蜥蜴の爪》×90
《黒岩蜥蜴の魔石》×90
遺骸×9
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《宝箱ドロップ》
《木の宝箱》×2
《銅の宝箱》×2
《鉄の宝箱》×1
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「また出た」
素材。
経験値。
技能熟練度。
戦技熟練度。
宝箱。
「狩りがどんどん楽しくなる」
◇◇◇
黒鋼岩地には、さらに別の魔物もいた。
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《黒鉄山羊》
Lv28
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黒灰色の金属質な角。
「武器素材になりそう」
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《鉄殻蠍》
Lv32
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「蠍」
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《鉄棘百足》
Lv31
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「百足まで」
種類が多い。
そして全部素材が違う。
「いい場所だなあ」
私は弓を構えた。
◇◇◇
しばらく狩り続ける。
《黒鉄山羊》には《鷹眼射》。
《鉄殻蠍》には《穿甲矢》。
群れで動く《鉄棘百足》には《五月雨》。
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《追加討伐》
《黒岩蜥蜴》×22
《鉱喰い鼠》×34
《黒鉄山羊》×18
《鉄殻蠍》×16
《鉄棘百足》×21
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素材も次々増える。
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《黒鉄山羊の角》
《黒鉄山羊の毛皮》
《黒鉄山羊の蹄》
《鉄殻蠍の甲殻》
《鉄殻蠍の鋏》
《鉄殻蠍の尾針》
《鉄殻蠍の毒袋》
《鉄棘百足の外殻》
《鉄棘百足の棘》
《鉄棘百足の脚甲》
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宝箱も。
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《追加宝箱》
《木の宝箱》×39
《銅の宝箱》×20
《鉄の宝箱》×8
《銀の宝箱》×2
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「銀!」
《宝箱品質上昇》と《幸運強化》。
それに女神様の幸運補正。
色々効いているみたいだ。
「開けたい……」
でも我慢。
今日は探索。
大量開封は王都でやる。
◇◇◇
岩山の奥。
小さな洞窟を見つけた。
「ここも見ていこう」
《暗視》。
《上級索敵》。
洞窟へ一歩入った瞬間、天井から無数の影が飛び立った。
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《晶羽蝙蝠》
Lv23~26
×28
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翼膜に混ざる半透明の結晶が、洞窟内の光を反射して輝いている。
「綺麗」
でも全部こちらへ向かってくる。
「《五連射》」
五本。
さらに五本。
また五本。
矢筒から減った分は《インベントリ》から即座に補充される。
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《晶羽蝙蝠》
×28
討伐
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《晶羽蝙蝠の晶膜》×280
《晶羽蝙蝠の牙》×190
《晶羽蝙蝠の魔石》×280
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《宝箱ドロップ》
《木の宝箱》×4
《銅の宝箱》×6
《鉄の宝箱》×4
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「また増えた」
先に素材を確認する。
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《晶羽蝙蝠の晶膜》
分類:魔物素材
品質:良質
魔力結晶成分を含んだ軽量な翼膜。
高い魔力伝導性を持ち、
魔導具
軽装防具
魔力布
隠密装備
などの素材として利用できる。
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「隠密装備……」
黒い外套が頭に浮かんだ。
「これ、絶対作ろう」
さらに奥へ。
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《鋭晶鉱》
品質:良質
×36
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「剣に使える」
その近く。
青白い魔力光を放つ鉱脈。
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《魔鋼鉱》
分類:希少魔力金属鉱石
品質:普通
高濃度の魔力を長期間受けた
鉄鉱脈から生成される魔力金属。
高い強度と魔力伝導性を持つ。
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《魔鋼鉱》×18
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「魔鋼」
手に取る。
鈍い灰銀色。
普通の鉄や黒鋼より、明らかに魔力の通りがいい。
「これ、防具にしたいな」
黒い戦闘服。
胸や肩。
腕。
腰。
脚。
そこへ灰銀色の装甲板。
「帰ったら作ろう」
◇◇◇
さらに奥。
《上級索敵》へ巨大な反応が入った。
「何かいる」
洞窟の広間へ出る。
中央。
岩と鉱石が積み重なったような巨体が、ゆっくり立ち上がった。
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《鉱石ゴーレム》
Lv36
種族:ゴーレム系魔物
危険度:中~高
鉱脈周辺の魔力によって
自然発生する鉱石系ゴーレム。
高い物理防御力を持ち、
討伐時には大量の鉱物素材を残す。
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「Lv36」
今の私はLv41。
「ちょうどいい」
《ボア・コンポジットボウ》を構える。
「《穿甲矢》!」
ドンッ!
胸部の岩が砕ける。
でも倒れない。
「ゴオオオッ!」
巨大な拳が振り下ろされた。
横へ跳ぶ。
地面が砕ける。
「硬い」
なら。
《魔力強化》。
《武器強化魔法》。
弓へ魔力を流す。
「《鷹眼射》」
狙う。
胸。
砕けた岩の奥。
魔力が集中する一点。
「そこ」
放つ。
シュウッ!
矢が核を貫いた。
ドンッ!
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《鉱石ゴーレム》
討伐
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巨体が崩れ落ちる。
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《自動収集》
《鉱石ゴーレムの岩核》×10
《鉄鉱塊》×160
《黒鋼鉱片》×90
《魔晶核》×10
《黒鋼鉱》×120
《創晶石》×40
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そして。
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《強敵討伐》
宝箱確定
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金色の光が集まった。
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《金の宝箱》
×1
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「金!」
これは我慢できない。
「一個だけ」
誰に許可を取っているのか分からないけど。
宝箱へ手を掛ける。
「開封」
カチッ。
眩しい金色の光が洞窟を満たした。
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《金の宝箱》
開封
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《幻穿黒魔弓》×1
《魔導書:魔力弓》×1
《狙撃の大宝玉》×1
《高純度魔晶核》×5
《高純度創晶石》×12
《魔鋼鉱》・良質×20
《上級魔力ポーション》×10
金貨×120
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「……いっぱい出た」
宝箱一個から八種類。
「金箱すごい」
《宝箱品質上昇》。
《幸運強化》。
女神様の幸運補正。
色々重なっているんだと思う。
でも、今はそれより。
「この弓……」
金色の光の中から現れた魔導弓へ手を伸ばす。
黒銀色。
少し大型。
月の弧を思わせる滑らかな弓身。
黒い魔力光が薄く漂い、その中を銀白色の細い光が流れている。
弦まで魔力によって形成されていた。
「《上級鑑定》」
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《幻穿黒魔弓》
装備ランク:A級
品質:逸話級
分類:魔導弓
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黒月の魔力を宿す
高位隠密型魔導弓。
実体矢・魔力矢の双方へ対応。
姿と魔力反応を隠しながら、
遠距離から標的を穿つことに特化している。
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《魔力矢生成》
《魔力矢威力大幅増幅》
《射程大幅延長》
《矢速大幅上昇》
《高貫通補正》
《長距離狙撃補正》
《射撃音消去》
《射撃時気配遮断》
《魔力反応隠蔽》
《魔力消費軽減》
《魔力充填射撃》
━━━━━━━━━━
「Aランク……」
今の私はEランク冒険者。
武器だけ三つ上。
「強すぎない?」
少しだけ考える。
「……使うけど」
当然だった。
強い武器が出たのに、使わない理由はない。
続いて魔導書。
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《魔導書:魔力弓》
品質:高品質
使用することで
スキル《魔力弓》を習得する。
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「使う」
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《魔力弓》Lv1
習得
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さらに《ファントム・ブラック・ムーン》と相性の良さそうな技能もまとめて取得する。
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《追加スキル取得・強化》
《魔力弓》Lv10
《魔導弓術》Lv10
《魔力矢》Lv10
《魔力収束》Lv10
《魔力隠蔽》Lv10
《無音射撃》Lv10
《超遠距離射撃》Lv10
《狙撃強化》Lv10
《貫通射撃強化》Lv10
《魔力照準》Lv10
《射撃気配遮断》Lv10
━━━━━━━━━━
取得・強化完了
消費SP:109
残存SP:27,311
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「よし」
細かい説明は後でいい。
今は撃ちたい。
《ファントム・ブラック・ムーン》を構える。
「軽い」
見た目よりずっと軽い。
弦へ指を掛ける。
矢はつがえていない。
それでも弦を引くと。
シュウッ――。
銀白色の魔力が集まり、一本の細長い矢を形成した。
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《魔力矢》
生成
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「これが……」
洞窟の奥。
かなり離れた岩壁へ狙いを定める。
《魔力照準》。
《魔力収束》。
「撃ってみよう」
指を離した。
音がしなかった。
「え?」
矢が消えたように見える。
次の瞬間。
ズドンッ!
遠くの岩壁に大穴が開いた。
「…………」
私は弓を見る。
「強い」
今までの弓とは明らかに違う。
しかも射撃音がほとんどない。
撃った瞬間の魔力反応まで薄い。
「これ、隠れて撃ったら……」
《上級隠密》。
《気配遮断》。
《魔力隠蔽》。
《無音射撃》。
《射撃気配遮断》。
そこへ《ファントム・ブラック・ムーン》自身の性能まで加わる。
「見つからないまま一方的に狩れる?」
ものすごく楽しそうだった。
「これ好き」
一発撃っただけで分かった。
この弓はかなり使う。
◇◇◇
残りの金箱報酬も確認する。
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《狙撃の大宝玉》
分類:特殊宝玉
品質:逸話級
使用すると、
遠距離命中
遠距離威力
有効射程
へ恒久的な補正を与える。
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「使う」
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《狙撃の大宝玉》
使用
━━━━━━━━━━
《遠距離命中補正》
《遠距離威力補正》
《射程補正》
恒久上昇
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「金箱すごいなあ」
高純度素材やポーション、金貨も全部へ収納する。
「まだ金箱三個残ってるんだよね」
帰ったら絶対開けよう。
◇◇◇
洞窟を出た頃には、夕方が近づいていた。
「そろそろ帰ろう」
獲得した素材を確認する。
━━━━━━━━━━
《黒鋼岩地・追加調査結果》
《黒岩蜥蜴》×22
《鉱喰い鼠》×34
《黒鉄山羊》×18
《鉄殻蠍》×16
《鉄棘百足》×21
《晶羽蝙蝠》×28
《鉱石ゴーレム》×1
ほか
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《主な新規素材》
《高純度鉄鉱》
《黒鉄砂》
《魔力石英》
《火花石》
《黒鋼苔》
《鉄根草》
《岩蜜草》
《鉱脈茸》
《鋭晶鉱》
《魔鋼鉱》
《晶羽蝙蝠の晶膜》
━━━━━━━━━━
そして宝箱。
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《未開封宝箱》
《木の宝箱》×175
《銅の宝箱》×96
《鉄の宝箱》×44
《銀の宝箱》×14
《金の宝箱》×3
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合計
332個
━━━━━━━━━━
「三百三十二……」
一個開けたのに増えている。
「これは明日かな」
大量開封。
絶対楽しい。
◇◇◇
王都へ戻る。
まず冒険者ギルドへ向かった。
「ただいまです」
「お帰りなさい、リリスさん」
エレナさんへ調査報告を提出する。
鋼刃蟷螂。
黒岩蜥蜴。
鉱喰い鼠。
黒鉄山羊。
鉄殻蠍。
鉄棘百足。
晶羽蝙蝠。
鉱石ゴーレム。
さらに鉱脈や採取素材。
「……これ、一日分ですよね?」
「はい」
「調査依頼でしたよね?」
「ちゃんと調査しました」
「討伐数が調査の量じゃないんですよ……」
「でも色々見つけました」
「そうなんですけど」
エレナさんが額へ手を当てた。
そして私が持つ弓を見る。
「ところで、その弓……朝は持ってませんでしたよね?」
「あ」
「また作ったんですか?」
「宝箱から出ました」
「宝箱?」
「金の宝箱です」
「ちょっと見せてもらえます?」
「どうぞ」
鑑定用の魔道具へ《ファントム・ブラック・ムーン》を近づける。
光が走る。
表示が出る。
エレナさんが固まった。
「…………」
「どうしました?」
「Aランク」
「はい」
「品質、エピック」
「はい」
「リリスさん」
「はい」
「Eランクになった翌日に、Aランクのエピック武器を持って帰ってこないでください」
「宝箱がくれたので」
「宝箱に言ってください」
「無理です」
「でしょうね……」
なぜか疲れた顔をされた。
◇◇◇
報告を終えた私は、そのまま錬金術師ギルドへ向かった。
「作りたい物が三つ」
まず剣。
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《黒鋼刃剣製作》
《黒鋼鉱》・良質
《鋼刃蟷螂の鎌刃》
《鋭刃核》
《鋭晶鉱》
《創晶石》
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「《上級錬金術》」
「《魔導装備製作》」
━━━━━━━━━━
《製作成功》
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《黒鋼刃剣》
品質:上質
分類:中型片刃剣
全長:約105cm
刃渡り:約80cm
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黒灰色のやや幅広な片刃。
刃先は鈍い銀色。
刀身内部には
銀白色の魔力経路が走る。
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高斬撃力
切れ味強化
刃持ち強化
貫通性能上昇
高耐久
魔力伝導
硬質素材特効
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「できた」
黒い片刃剣。
思い描いていた通り。
次。
「防具」
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《新規防具製作》
《魔鋼鉱》
《魔鋼鉱》・良質
《晶羽蝙蝠の晶膜》
《アーマーボアの柔毛皮》
《黒鉄山羊の毛皮》
《魔力石英》
《創晶石》
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「《上級錬金術》」
「《魔導装備製作》」
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《製作成功》
━━━━━━━━━━
《魔鋼板戦闘服》
品質:高品質
分類:軽装甲戦闘服
━━━━━━━━━━
黒色の高強度戦闘服。
胸部
肩
前腕
腰
膝
脛
などの要所へ、
灰銀色の魔鋼装甲板を備える。
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高防御
高耐衝撃
耐斬撃
軽量化
可動補助
魔力伝導
魔力防御補助
高耐久
━━━━━━━━━━
「これいい」
全身を金属で固めた重装鎧ではない。
黒い服。
灰銀色の装甲。
動きやすい。
見た目もかなり好みだった。
最後。
━━━━━━━━━━
《隠密外套製作》
《晶羽蝙蝠の晶膜》
《晶羽蝙蝠の魔石》
《黒鉄山羊の毛皮》
《魔力石英》
《創晶石》
━━━━━━━━━━
《上級錬金術》
《上級裁縫》
《魔導装備製作》
━━━━━━━━━━
《製作成功》
━━━━━━━━━━
《晶影隠密外套》
品質:高品質
分類:隠密外套
━━━━━━━━━━
黒から暗灰色を基調とする
フード付き隠密外套。
光の角度によって、
ごく薄い晶質の光沢が浮かぶ。
━━━━━━━━━━
気配遮断補助
足音抑制
衣擦れ音抑制
魔力反応隠蔽
光学迷彩補助
遠距離視認低下
隠密行動補助
━━━━━━━━━━
「完成」
◇◇◇
新しい装備へ着替える。
黒い《アーマード・コンバットウェア》。
胸や肩、腕、腰、脚を守る灰銀色の魔鋼板。
その上から《クリスタル・シャドウクローク》。
顔には黒い布マスク。
腰には《ブラック・ファング》。
そして手には。
━━━━━━━━━━
《幻穿黒魔弓》
装備ランク:A級
品質:逸話級
━━━━━━━━━━
「……急に強そうになった」
黒。
暗灰。
灰銀。
全体的に落ち着いた色でまとまっている。
「好きかも」
外套のフードを被る。
《上級隠密》。
《気配遮断》。
《魔力隠蔽》。
存在感が急激に薄くなる。
そこへ《ファントム・ブラック・ムーン》。
「遠くから、見つからないまま撃って……」
無音。
高威力。
高貫通。
長射程。
「絶対楽しい」
《ブラック・ファング》も試したい。
《ファントム・ブラック・ムーン》も本格的に使いたい。
新しい防具と外套の性能も確かめたい。
そして。
━━━━━━━━━━
《未開封宝箱》
332個
━━━━━━━━━━
「……これもある」
やりたいことが多すぎる。
宝箱を開けるか。
新装備で狩りへ行くか。
少し考えて。
「両方やればいいか」
明日も忙しくなりそうだった。




