第3話 領地
俺は土地を指す『▽』へ手を触れた。
すると鑑定結果が目の前に、光の文字と図で浮かび上がって来る。
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【鑑定】領地
称号: 庭
領土: 9マス
領民: 0人
□□□
□□□
家□□
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「?……ちょっとよくわかんないな」
とつぶやくと、また▽があらわれてそれぞれのワードの詳細を鑑定することができた。
≪領地 = 女神さまから開発を任された異世界の土地≫
≪称号 = 開発具合の目安。今は『庭』のようだ≫
「やっぱりこの空き地が女神様の土地なのか……」
そこで俺はもう一度回りを見渡してみる。
ひゅるるるる……
ペンぺン草の生えた空き地に、誰もいない。
これがかつてN県N市一帯を数千年治めてきた女神さまの今か。
寒くもないのにふきさすぶ風に木枯らしが見えるようで、貴種流離譚な感じがチョー泣けてくる。
「どうにか開発して、幸せそうな人々がたくさん暮らす土地にしてあげたいな……」
そうつぶやくと気を取り直して、また鑑定していく。
≪領土 = 領地の土地の広さ。ひとマス18尺(およそ5.5メートル)四方。魔石×1000でひとマス広げることができる≫
お、出た。魔石。
確かに、さっきの『魔石×5』の鑑定結果でも『領土拡張やスキルで使うことができる』ってあったもんな。
1000個っていうのがどれだけ大変かわかんないけど、いずれにせよ領土は魔石で広げることができそうだ。
でも、人はどうだろう?
≪領民 = 領地に暮らす民。『女神降臨』によって産すことができる≫
女神降臨??
≪女神降臨 = 女神を領地に降臨させること。民を産んでもらうことができる。お社(小)レベル3で開放≫
お社……神社か。
神社を建てれば女神さまとまた会えるってことかな?
一体どういうふうにやるかはわかんないけど、それで民を増やすことができる、と。
じゃあ、そのお社(小)はどうやって建てたらいいのか……と考えた時、さっきのガチャで『建設スキル』を引き当てたことを思い出した。
「ええと……あ、出た」
すると案の定、俺が『建設スキルを使いたい』と思うと光の文字が起こった。
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【建設スキル】
《建設済み施設》
小屋・レベル1……0%
《建設可能施設》
小屋(小)……必要魔石20
祠(小)……必要魔石10
井戸(小)……必要魔石10
田んぼ(低)……必要魔石20
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どうやら建設スキルを使うにも魔石が必要らしい。
建設済み施設とある小屋・レベル1というのは、さっき目覚めた畳の部屋、神棚のあるこの小屋のことだろう。
でも、『レベル』や『0%』というのがわからず鑑定で調べてみると、これも魔石で%を100にするとレベルを上げることができるとのこと。
そして、レベル3になると上位の建設可能施設が開放になる。
あんまりピンと来ないけど、やってればわかってくるだろう。
ただ、とにかく魔石を集めなきゃ何もできないってことだけはよくわかった。
手元にはガチャで出た『魔石×5』があるけど、やっぱりこれだけじゃ埒が明かない感じだな。
「確かモンスターを倒せば出るんだっけ?」
と、そうつぶやいた時だ。
ガサガサ、ガサ……
背後で音がして振り返ってみると、木々の隙間に白い影が目に入る。
よく見てみるとその白は骸骨で、コキコキと不気味な動きをしていた。
「う、なんだアイツ……」
【鑑定】
≪アンデッド = 森の闇に沸く骨のモンスター。弱い。魔石1つ。経験値10 ▽≫
アンデッドか。
なんにせよこんな不気味なものを目の当たりにすると、マジで異世界に来たんだって実感されるな。
でも、鑑定によればどうやら弱いらしい。
そう言えばガチャで銅の剣を出したんだっけ。
俺は急いで小屋の中から剣を取り出して、敵の方へ向かってそれを構えた。
別に剣道をやったこともないので、メチャクチャな構えだと思うけどな。
しかし……
「あれ? コイツ」
どうやらアンデッドはこちらに気づいていないようだ。
それでハッと気づいたのだけれど、この領地の四方には笹竹が立ち、御幣の取り付けられた荒縄が張られ、地鎮祭のような結界が張られているのだった。
ざっ……
で、その縄を一歩外に出るとアンデッドは途端に俺に気づき、攻撃を仕掛けてくる。
「キイイイイ! キイイイ!!」
「うわ、やべっ」
俺はあわてて銅の剣を振るった。
バシュ!……
ほとんど手応えはない。
だが、気づくとアンデッドはボロボロと崩れ、後に魔石だけを残して消滅してしまった。
「はぁはぁはぁ……よかった倒せた」
しかし、コイツを倒した後に残ったのは魔石1個である。
もっとたくさんの魔石を稼げる方法を考えないと……
そう考えながら俺は銅の剣と魔石×1を持って小屋へ引き返していった。




