第2話 特典ガチャ
ガチャコン!……
俺が【ガチャを回す】を押すと、また神棚の扉から『玉』が転がり出て来た。
キャッチして見ると、今度も白い。
開けてみると、
≪レア度☆ 『100フレン』≫
と文字が浮かんで、ボンッと煙が生じると10枚のコインが出て来た。
どうやらお金らしい。
どれくらいの価値なのかはわからないけど、薬草×10で同じレア度☆だったので、『10フレン≒薬草ひとつ』くらいなんだろうとあたりはついた。
≪→【ガチャを回す】← 残り8/10≫
で、また神棚をあおぐとちゃんと残りが減っている。
あと8回か。
ここらで何かいいものを引いておきたいところだ。
「南無三!」
ガチャコン!……
拝む弾みの念仏で【ガチャを回す】を押すと、今度は緑色の玉が飛び出てきた。
「お、これいいんじゃないか?」
玉の色の違いに期待しながらパカッと開けてみると、
≪レア度☆☆☆☆☆☆ 『索敵スキル』≫
という文字が浮かび、その光の文字が俺の胸に吸い込まれていった。
「スキルもあるのか……今ので身に付いたってことかな?」
試してみようかとも思ったが、今は先にガチャを引いて、あとからまとめていろいろ確かめてみるのがいいと思った。
俺は神棚の方を見る。
「あと7回……」
そう呟きながら引くとこれは青玉でレア度☆☆『銅の剣』だったが……
ガチャコン!
その次に出てきたのはなんと銀玉であった。
パカッ……
≪レア度☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 『鑑定スキル』≫
開くとそんな光の文字が浮かび、俺の胸へ吸い込まれていく。
「おお! やったぞ。多分これはスゲー使えるヤツだろ」
自分のヒキの強さを誇らしく思うと共に、結構スゴそうなものもあるってわかると俄然ヤル気がわく。
「よし、まだまだ引ける。この調子でいこう」
ガチャコン! ガチャコン!
どんどんガチャを引いて行く俺。
5回目は黄玉でレア度☆×4『風の腕輪』。
6回目は青玉でレア度☆×2『携帯食10日ぶん』。
7回目は赤玉でレア度☆×8『建設スキル』。
8回目は黄玉でレア度☆×5『索アイテムスキル』。
9回目は緑玉でレア度☆×6『成長率3倍』。
そして……
≪→【ガチャを回す】← 残り1/10≫
とうとう残り一回である。
そういえば銀玉は一回出たけど、それなら金もあるんじゃないかな。
ここまで来たら金玉を狙ってみるか。
「金玉来い! 金玉金玉金玉……」
と念じながら【ガチャを回す】にタップする。
そして、ガチャコンっと神棚から飛び出してきたのは……
「あ~、白玉かぁ」
そう。
玉は白かった。
だから期待しないで開けてみたのだが、
≪レア度☆ 『魔石(小)×5』≫
とビー玉くらいの光沢ある石が現れたのでこれがちょっと気になる。
と言うのは、名前と形だけではよくわからなかったからだ。
ガチャも引き終わったことだし、【鑑定スキル】を試してみたいな。
そう思った瞬間、『▽』マークが点滅して石の上に浮かぶのに気づき、直感的にそれが鑑定スキルのように思われたので触れてみる。
すると、
【鑑定】
≪魔石=モンスターを倒すと手に入れられる。領土拡張や建設スキルに使える≫
と文字が浮かぶ。
おお、これは便利そうだ。
やっぱり鑑定スキルを引けたのは大きい。
「次は何を鑑定してみよう」
そう思って見渡すと、神棚に、
≪→【ガチャを回す】← 残り0/10≫
と表示が残っていたので、これにしようと思い付く。
【鑑定】
≪ガチャ=日本初の異世界開発者に与えられるビギナー特典ガチャ。女神さま渾身の加護 ▽≫
やっぱりこれ女神さまの加護だったのか。
どういうわけでこんな仕様になっているのかはよくわからんけど、あの瞬間見た荒ぶるパワーを思い起こすとそれくらいのことはできそうな感じはした。
で、さらに。
この鑑定結果には続きがありそうだと気づく。
説明文の最後のところで▽が点滅しているからだ。
というワケで▽をタップしてみる。
≪▽ このガチャは最初に10回、以後は1日1回券が与えられる。※受け取り期間は10日まで≫
どうやらまたガチャが引けるらしい。
だけど最初に10回引けるようにしてくれたのはマジ助かったな。
「女神さま、ありがとうございます」
と、神棚へ柏手を打つ俺。
すると、本来の目的が思い出されてきた。
そうだ。
女神さまの土地を開発しに来たんだった。
「まずは土地がどういうものか確認しておかないとな」
そう思って、俺は畳の部屋の障子を開け放つ。
チュンチュン……
障子の向こうは縁側をはさんですぐ外だった。
小鳥が囀ずり、晴れてよく陽が射している。
「ひょっとして、これが女神さまの言ってた土地?」
そこは鬱蒼とした木々の中にポカンと空いた小さな空き地だった。
広さはこの家も合わせてバスケット・コートより少しせまいくらいか。
「い、いや……さすがにこれだけってことはないだろう」
と考えた時。
その土地へ向かって『▽』のマークがぱかぱか点滅しているのに気づく。
どうやら土地も【鑑定】できるらしい。




