第∞の問い「異世界で逆ハーレムは成立したのか?」
あっけないものだった。
生徒会長:『俺、生徒会あったんだけど……何の用?』
見覚えのある画面の前で、あたしは呆然と座っていた。
「……戻ってきたんだ……」
とりあえず目の前のゲームをセーブして、部屋を見渡す。
汚い部屋だ。あの世界の水色を貴重とした部屋とは大違いだ。天と地。いや、水と炎。いや、清潔と不潔。
あの出来事は夢だったのかと思う。不安になったので、とりあえずおでこに触れてみる。
「……短かった」
今となっては出てくる言葉がそれだけだ。思えば、レイに抱いた感情はいつ以来だろうか。確か幼稚園年中ごろ以来だ。
目を閉じれば向こうの人たちの顔が思い出せる。笑顔も、泣き顔も、照れた顔も。
「……本当に現実だったのかな?」
この思い出も、きっと少しの間見た夢だ。だから、今度は現実に目を向けてみよう。
あたしは汚くて床が見えない部屋を横断し、クローゼットを無理やり開けた。
「あるかなぁ? や、なかったら大問題なんだけど」
一人ごとをつぶやきながら、お目当てのものを取り出す。
紺色のブレザーに、緑のリボン、ワイシャツ。チェックのスカート。今までろくに持ったことも着たこともないそれは、ずっしりと重かった。
「着方忘れた。とりあえずがんばろう」
五分くらい苦闘し、何とかさまになる。次は持ち物だ。教科書は置き勉しているからいいとして、バックと筆箱はどこだっけ……?
今にでも雪崩が起きそうな机から筆箱を、洋服の溜まり場となっているベッドの近くからバックを取り出す。
合計十分ほどで用意ができた。靴はとりあえずあるのをはいていこう。行き方は覚えていない気がする。徒歩通学だったっけ?
「不安がいっぱいだけど……とりあえず、いってきます」
茶色い玄関のドアを開き、一歩足を踏み出す。
かつん、という靴の音が、あたりにやけに大きく響き、近くにいた鳥が飛び立つ。同じ制服を着た生徒がちらほらと道を歩いている。
不安のほうが大きいかもしれない。でも、久しぶりに直で浴びた日光は気持ちいい。
何だ、世界はこんなに楽しく、大きいんだ。
ねえレイ、あたし気がついたよ。あんたのおかげだと思う。この選択肢が正しい答えをさしているのかは分からないけど、いつかあんたに会えたらこう問いたいな。
たくさんの友達を引き連れて。
『Q、異世界で逆ハーレムは成立したのか?』
遂に異世ハーも完結致しました^^
作者としては、嬉しくもあり悲しくもあり……。とにかく複雑な気分です^^;
最後だけ何故かケータイ投稿です^^;
実は最終回、結構前に書き終えていたんですよね←
なんとなく先延ばししていました(おい
でもまあ、終わる事ができて、私としてはとても満足しています^^
次回作は二作同時進行のつもりです
それでは、これからも星野由羽をよろしくお願いします!!