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マルス適合者~二度死ぬ彼女は雑草の姿をした魔法使い~  作者: しがない草
第七章 真夏のデートプランD

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第59話 初めて同士

 期待からの行列か。ユラ達はテーマパークなるものに訪れると早速チケットを購入する。そして行きたいところはないかとエルに尋ねられるとユラは悩むようにこう話す。


「うーん行きたいところって言ってもいまいちよく知らない場所だからなあ」


 見知らぬ賑わい。この空間だけが何だか未知なるものな気がして。ほんの少し気が引けているとエルから少し回らないかと誘われる。


「大丈夫だ、僕の傍から離れるなよ」


 エルがそう言うと安堵させるかのようにその左手を握る。少しこそばゆい心。何だかほっとするような気持ちになる。いつもなら気にしない人混みをかき分けるとザワつく思いが温かく包まれた気がして。別の理由でそわそわしてしまう。


(エルの手温かいな)


 その言葉どおり離れないようにしっかり握るとエルの体温が左手ごしに伝わってきた。ほんのり温かい手だ。そう思っていると目の前にコーヒーカップの形をした乗り物が現れる。


「エル、あれ何」

「……コーヒーカップっていう乗り物らしい……乗ってみるか?」


 いつの間手にしてたのだろう。左に持つマップを見ながら彼がそう答えるとユラは乗りたいという意思を表示させる。するとエルが無言でゆっくりと手を引き段差につまづかないよう丁寧に案内させる。


 コーヒーカップとやらに乗ると次第にゆっくりと動き始めた。どうやら回転する乗り物らしい。その周辺をくるくると回るその動作はどこか可愛らしく心を豊かにした。


「さっきのやつ面白かったー!次何乗ろうかな?」


 ユラ達がコーヒーカップから降りると次に乗る乗り物を探し出す。


「エルはこういう場所初めてなの?」


 そう聞くとエルはどこか遠い目をした。どうしたのだろうか。聞いてはいけない事を聞いたような気がして。内心動揺しているとエルは何事もなかったかのようにその質問に答える。


「……初めてだな、こんな場所は来た事がない」


 透き通る風とどこか澄んだ顔。こんな表情は今まで見た事がなかった。そんなエルにみとれながらパーク内を歩いているとエルが引き続き話を進める。


「ユラ、お前も初めてだよな?」

「うん、そうだけど」

「なら俺達は初めて同士ってわけだ?」


 初めて同士。とてもいい言葉だ。そう思うとエルの方を見返しクスリと笑うユラ。心なしか優しく頭を撫でられたような感じがして。何だか心が温まったような気がした。


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