第127話 秋色のディスティニー
少し肌寒くなった時の頃。ユラがたんすの中を整理すると1人こんな事を思い始める。
「そろそろ衣替えかー」
そう言うと夏用の制服を整えその場に佇むユラ。するとどこから入ってきたのか。通りすがったヤスチヨにこんな事を言われる。
「どうなさったのですか?」
「いや、そろそろ衣替えの時期だなーって思って」
ユラがそう言うとヤスチヨが不思議そうにこちらを見つめる。どうしたのだろうか。ヤスチヨの目線に不思議に思うとヤスチヨがユラに向かってある質問をする。
「ユラって本体は植物なんですのよね?」
「そうだけど」
「植物なら寒さとか感じないのでは?」
「そう思ってたんだけど意外と身に染みるんだよね」
「そうなのですか?」
「うん、意外でしょ?」
ユラがそう言うとヤスチヨがコクリコクリと飛びながら触覚で頷く。その光景に少々笑いながら制服を見ていると寮の外からノック音が響き渡る。
「ねーユラ!いる?」
突然のノック音。誰かと覗いてみるとそこにはミオリオがいた。ミオリオが唐突に尋ねたかと思うとユラに対しこう言う。
「ねえユラ!2人でショッピング行かない?」
「ショッピング?」
「そそ、服買いに行くの」
そうミオリオが言うとキョトンとした顔になるユラ。2人でショッピング。とても楽しそうだ。そう思うとユラは肯定の意思を示す。
「いいね、それ!」
「でしょ!」
それじゃあ2人でGOとミオリオが叫ぶと早速外に行く準備をするユラ。今日は暖かい格好をしよう。そう意気込むと着替えをしてどこかへと駆けていった。
◆ ◇ ◇
「ねー知ってる?制服の色にはそれぞれ意味があるんだって」
「あー先生が言ってたね、占い的な要素が込められてるって」
秋に染まった街の中。ミオリオと共にショッピングを楽しむとユラが元気よく話し始める。
「例えば水色の制服なら水難の意味が込められてるって聞いた」
「ちょっとちょっと!あたし丁度水色の制服なんだからやめてよー」
「って事は水に注意って事になるよね?」
「まあそうなんだけど……まだその話引っ張る気?」
「あはは……ごめんごめん」
そう言うと渋い顔になるミオリオ。その話を持ち出したのはミオリオのはずなのだが……ユラが気にする事なく話を進めるとミオリオがこんな事を言う。
「でもあの制服を着てから一度も水難にあった事ないんだよねー……ひょっとしてあの制服に守られてるって事?」
「ミオリオってばポジティブ!……でも確かにそうかも?」
「そういえばユラの制服は紫だよね……何か闇魔法に捕まる事とかあったり?」
「それもないなー」
「所詮占いだもんねー」
そう言い合いながらも2人で服を選びまくるミオリオ達。白いニットの服やカラフルな服、制服の外に着れそうな服までジャンルは様々。2人で秋のコーデを楽しむと着こなせそうな服を選んでその場を後にした。
「ミオリオどんなの買った?」
「それは明日からのお楽しみ!」
「それじゃあ私もそうしようかな」
「えーユラは言っちゃえばいいじゃん!気になる〜」
そんなたわいのない話をすると秋風がなびき始める。ほんのりと肌寒くなった秋の空。2人で空を見上げると大きな魔法陣の下から小さな秋の葉っぱが舞散って。2人の心をほんの少し笑顔にした。




