第100話 各々のマジックショー
「ん?ふええええええ!!」
ミオリオが後ろの気配を察知すると、そこにはゴゴゴという音とともに走り出すユラの姿が見えた。その姿はミオリオからすると走り出す爆弾のようで。思いもよらない光線の威力に思わず度肝を抜かれてしまう。
「ちょっと、なにあれ!!」
ミオリオが息切れしながらユラの方を確認すると、既に真後ろまで追いつかれそうになっていた。その様子に思わず必死に逃げるミオリオ。このままでは光線に巻き込まれる。そう恐怖したまま必死の形相で追いつかれまいと逃げ足で走ると、ミオリオは未だかってないほどのスピードでその場を走り出していた。
「おおーっとここでようやく蔦のコースまで到着したミオリオ選手!……そして後ろにいるのは……な、なんだこれは!謎の光を纏ったユラ選手ですわ!」
「何かと思ったらユラか!ガッハハ!少しはやるようだな!」
ユラの思わぬ姿に実況席は大盛り上がり。あまりの光の眩しさに一瞬分からなかったようだが、それがユラだと確信するとマートル先生はすごい生徒だと関心を持った。
「皆!逃げてえええええ!!」
涙目になったミオリオが注意を促すと、他の生徒達は一斉にユラの方に視線を向ける。すると我慢の限界だったのか。ミオリオの足が縺れそのまま転倒してしまう。
「あーっと!ミオリオ選手ここで転倒!果たして大丈夫でしょうか!?」
「ユラのあまりの勢いにコケちまったといったとこだな……ガハハ!」
ミオリオが泣き顔で地面に伏せると、ユラはその勢いのままミオリオを追い抜きそのまま走り去る。そして蔦のエリアに臆する事なく駆けるとその瞬速のまま蔦を切り刻んで走り去っていった。
「なんという荒業!まるで暴君!ユラ選手、蔦に邪魔される事なくそのまま走り去っていくではないか!」
「おそらくユラに纏ったあの光が蔦を切り刻んでいるんだろうな……ガハハ!」
マートル先生が言うようにユラに纏った光は周りの蔦を破壊し、大きく道を切り開いていた。その姿はまるで暴れ馬のようで。ユラは1人自信に満ち溢れる。
「これなら先に進める!」
「……負けていられないな」
ユラが勢いよく蔦のエリアを進み出すと周りの生徒達も負けじと走り出そうとする。
「おっと!ルゼ選手!何やら剣を取り出した!」
「あの状況で剣を作り出すとは……大したものだ」
ルゼが剣を振り回すと周りにあった蔦等がパズル状と化してパラパラと落下していく。それはまるでフレームから落下したジグソーパズルのようで。ルゼが通った道跡は美しく綺麗に整備されていた。
「ルゼ選手!その姿は美しく舞う蝶のようです!」
「蝶であるヤスチヨに言われるとはな……ガハハ!」
「果たしてこのレースの行く末はどうなる事やら!」
ヤスチヨがそう言うと生徒達は一斉に最終地点である森のコースへと向かい駆けていく。果たしてこの最終レース。誰が一番になる事やら。そう思うとドキドキとハラハラが止まらないヤスチヨであった。




