シーモア様でコミカライズが配信直前記念SS「王子の運命が変わる日」②
城を抜け出して城下町を散歩する。誰も私のことを王子だとは思うまい。
国の将来のトップとしても、こういう世間を学ぶことも重要だ。さて、ひとりで遊ぶのも寂しい。
まずは、貴族学校の宿舎にでも行って、暇そうな貴婦人でも誘おうか。もちろん婚約者がいることは有名だが、王の側室でも将来的には権力を握れるチャンスがあると考える貴族の女はたくさんいる。
正直に言えば、引く手あまたなのだ。遊ぶ女なんてこの地位があれば、いくらでも作れる。マリアが王都を留守の間に遊ぶ。それは最高の息抜きになる。
さて、宿舎のほうにでも行くかなと思って、郊外に向かうと噴水のわきで何やら事件が起きていた。
「やめてください」
一人の女の子が叫んでいた。見たことがある。たしか、異例の手順で貴族学校に入学した女子生徒だ。たしか、名前はミーサとか言ったな。
「おいおい姉ちゃんよ。あんた貴族だろう。俺たちが貴族様は知らない遊びを教えてやるって言っているんだよ」
「一緒に楽しいことをしようよ」
まるで、演劇の世界にいるようなテンプレ悪役のセリフだな。ここは白馬に乗った王子が颯爽と助ける。うん、実に絵になるな。もしかしたら、噂になって民の好感度もあがるかもしれない。
そう思って、「やめろ。女性が怖がっているではないか」と叫び、剣を抜きチンピラを退散させた。かっこいいな、俺。
「大丈夫か、ケガはないか?」
そう言って、ミーサに手を差し伸べると……
「でん、か……」
彼女はすぐに私のことに気づいたようで、顔を赤く染めていた。
今日のターゲットが決まった瞬間だった。
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いよいよ明日から配信です!




