↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『プロジェクト・ジュラ~恐竜は超古代文明の生体重機でした~』  作者: KYORyu


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/28

第9章 2:群れなす爪!緑鉄の里(フェロ・ヴェルデ)【馬なみ】

 鉄鉄(くろがね)の居留区から南、どこまでも地平線の向こうへと広がる、美しいエメラルドグリーンの広大な草原 。


 心地よい白亜紀の風が、青々と茂る畑や色鮮やかな草花を優しく揺らすその大自然の真ん中を、駆(かける)たちドックの仲間たち足音がどっしりと進んでいた 。


 ロッソの操るティラノサウルスは、メインフレームを鈍く輝かせ、その巨大な三趾の足で、優しく大地の土を噛み締めている 。


「――君たち、本当に凄いんだね! わたしたちの里へようこそ。さあ、中へ案内するわ!」


 最前列で、自分のコンプソグナトゥス『アルファ』の手綱を軽やかに引き絞りながら、ミカが、大きなおめめを輝かせてこれ以上ないほど誇らしげに駆たちを振り返った 。


 ミカの案内でドックの仲間――駆、ラーナ、ロッソ、パタ、そしてバルト隊長をはじめとする、ハンス、ギル、カイル、トードがその集落へと足を踏み入れた瞬間、誰もがその驚異的な光景に、脳のボルトが吹き飛ぶほどの衝撃を喰らって立ち往生した !


「ピ、ピギィィィッッッ!? なんだか、ちっちゃくてモフモフしたトカゲ重機が、信じられない数ツギツギとハネ回ってるのぱたーーーっ!!」


 駆のツナギの襟元からおめめを丸く剥いたパタが、生の最高に驚いた声を響かせる !


「――おいおい、マジかよ……ッ!! ざっと見渡しただけでも、200頭はくだらねえぞッ!!」


 バルト隊長がその髭を震わせ、ギルやハンスたちも「なんて徹底された管理システムだ……!」と、ドックの職人目線でその美しき飼育スペースに息を呑んだ 。


 そこは、徹底した管理のもとで、小型恐竜コンプソグナトゥスを専門に飼育・育成している、白亜紀の歴史のなかの隠れ里。――ミカの故郷、【緑鉄(りょくてつ)の里】だったのだ !


「わあ……っ! あっちの子たち、背中に頑強な『鞍』を乗せて、両側に重そうなバック(荷物)をぶら下げて走ってるよ!」


 ロッソがティラノのハッチから身を乗り出して叫び、ラーナも「なるほど、あの軽量チタンフレームの鞍なら、小型のコンプの剛性(骨格)でも一歩もへし折れずに質量を分散できるんだね!」

 と、亡き父ガロンのスパナを掲げて激しく感嘆の声を上げた 。


 ラーナの言う通り、この里のコンプたちは、現代の地球における『馬』のように、人間を乗せるための軽快な乗り物であったり、両側に荷物バックを装着して大量の物資を運搬することができる、この時代の地上においては最も広く普及している最高の移動用の相棒(乗り物)だったのだ !


 この緑鉄の里は、コンプたちを卵から大切に育て上げ、そのド頭へと、独自の【手綱型の伝達神経インターフェース】と【チタン製のリミッターヘッドギア】を取り付けてミリ単位の油圧微調整を施し、各地の居留区へと安全に出荷する、一大育成ドックとしての役割を担っていた 。


「――ねえ、ミカちゃん。でも、きみがさっき10頭のコンプを一瞬で自分の脳波と同調させて、命令に従属させるやり方』……。

……あれは、この里の出荷用のマニュアルには載っていない力学バグだよね?」


 エメラルドグリーンの瞳をギラリと知的に輝かせた駆(かける)が、その天才的な骨の目の数式(スキャン)を回しながら静かにミカへと問いかけた 。


「うん……、流石は駆さん、お見通しだね」


 ミカは少しだけ切なげに微笑み、自分のアルファの頭を優しく撫でた 。


「複数の恐竜の生体フラックスを自分の一本の手綱へと『完全同期・従属』させるやり方は、一般的には絶対に普及していないの。」


 その言葉にバルトも同調した。


「ああ。駆……あれはな、キルガ要塞軍が極秘裏に開発を進めていた、最悪の軍事力学――【『斥候群体戦術(せっこうぐんたいせんじゅつ)』】の、初期型システムなのさ」


 バルトの口から語られた、衝撃の要塞軍の暗黒の系譜 。


「――あたしは昔、今は亡き大好きなおじいちゃんから、リミッターの安全な完全解体と、手綱を繋ぎ止める本当の調律のやり方をすべて教わっていたんだ。悪いやつや盗賊団からこの里のコンプたちを守るために使えって……、でも、キルガ軍の技術なのかどうかは…、わからない。聞いてないんだよね。でもこの技術のおかげでコンプたちといるのが、すっごく楽しいんだ!」


 おじいちゃんの形見の調律技術を胸に抱きしめ、里を守る意思を真っ正面から睨み据えるミカの気高き顔 があった。

 ドックの仲間たちはミカの話しを静かに受け止め聞き入っていた。


 しかし、その静寂を切り裂くように、洞窟のさらに深い闇の奥から、ガチガチと下俗な金属音が響き渡り、怪しい松明の明かりがいくつも近づいてきた。


「ヒャッハハハ! たんまりあるじゃねえか。ありがてぇ、黒チタン鉱も、その恐竜重機も、全部俺たちがいただくぜ!」


 現れたのは、キルガ要塞軍でもこの里の住人でもない。


 頭部に不気味な骸骨のマークを掲げ、リミッターを奪って恐竜たちを強引に武装させた、狂気の『地下盗賊団』の集団だった。


 彼らはミカの里の鉱脈を狙い、牙を剥いて周囲を完全に取り囲んだのだ。


恐竜・古生物重機図鑑(第9章)

挿絵(By みてみん)

【緑鉄の里・『コンプソグナトゥス・重機酪農移送形態(馬仕様)』】

 分類: 白亜紀中型酪農恐竜・手綱型伝達神経インターフェース搭載機

 特徴・力学: 鉄鉄の居留区の南にある「緑鉄の里」で徹底管理のもと、常時200頭以上が飼育されている小型恐竜重機 。

 背にチタン製の鞍を乗せ、両側のバックに物資を積むことで、現代の『馬』の如く人間を乗せて荷物を運ぶ移動手段として広く普及している 。

 戦術の系譜: 通常はリミッターヘッドギアによる安全制御で出荷されているが、ミカは亡くなった祖父から【キルガ要塞軍・『斥候群体戦術』初期型】の完全解体と従属のやり方を直伝されていた。




「少しでも面白い、続きが気になると思ったら、ページ下部の【ブックマークに追加】や評価(★★★★★)で応援していただけると、更新の励みになります!」


Xのほうにも画像をあげてるので、【恐竜・古生物重機図鑑】チェックしてみてください。

なろうは、みてみんを通してるので画像荒目です。

https://x.com/kyoryukrr?s=11


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。