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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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94/114

94話

放課後。


結局そのまま一日が終わった。

帰り道。


「……」


「静かだな」


「……うん」


でも——ぎゅっ


「……重い」


「……ここ」


腕にしがみつく響。

いつもより強い。


反対側。


「僕もいい?」


「お前もか」


「だってさ」


ぎゅ


「……増えたな」


「……東海林さん」


「ん?」


「……離れない」


「分かってる」


「……ほんと?」


「ほんと」


そのまま三人で帰る。

距離はずっとそのまま。



家。


「……ただいま」


「ただいまー」


「……ただいま」


靴もそこそこに—ぎゅっ


「……はいはい」


「……ここ」


「座ってからにしろ」


リビング。

ソファに座った瞬間——


「……よいしょ」


「乗るな」


響がそのまま上にくる。


「僕も」


「来るな」


でも——ぎゅ

横から秋山もくる。


「……完全に包囲されてるな」


「そうだね」


「……うん」


「……東海林さん」


「ん?」


「……今日」


「ん?」


「……怖かった」


「……」


顔を埋める。

ぎゅっ


「……見られたのが?」


「……うん」


「……でも」


「?」


「……こうしてれば大丈夫」


「……そうか」


「僕もさ」


秋山がぽつり。


「ちょっと思った」


「何を」


「このままでいいのかなって」


「……」


「でも」


ぎゅ


「やめる気はないけどね」


「開き直るな」


「……東海林さん」


「ん?」


「……キス」


「またか」


「……だめ?」


「……」


少しだけ考えて、


「……いいけど」


「……うん」


ちゅ

すぐにぎゅっ

離れない。


「僕もいい?」


「流れで来るな」


「流れでしょ」


「違う」


でも——


「……いいよ」


「ありがと」


ちゅ


「……」


「……」


両側からくっつかれる。


「……これさ」


秋山が小さく言う。


「完全に依存だよね」


「自覚ある」


「あるんだ」


「……でも」


響が小さく言う。


「……やめない」


「……だろうな」


「……東海林さん」


「ん?」


「……私だけ見て」


「無理だって言っただろ」


「……やだ」


ぎゅうっ

今日一番強い。


「……苦しいって」


「……やだ」


「……ねえ」


秋山が静かに言う。


「ちょっと落ち着こうか」


「……やだ」


「……響」


「……なに」


「……いるだろ」


「……うん」


「……ここに」


「……うん」


少しだけ、呼吸が落ち着く。


「……でも」


「?」


「……足りない」


「何がだ」


「……全部」


「無理だな」


「……やだ」


そのまま——ぐっと押し倒される。

ソファの上。


「……お前らな」


「……離れない」


「……僕も」


「増えるな」


三人でそのまま絡まる。


「……東海林さん」


「ん?」


「……もっと」


「だから何をだ」


「……全部」


「抽象的すぎる」


「……一緒」


「……」


「……東海林君」


秋山が少しだけ真面目に言う。


「ん?」


「このままだとさ」


「……」


「壊れるよ、どっかで」


「……」


でも—ぎゅっ

離れない手。


「……今は」


ぽつりと言う。


「……これでいい」


「……」


秋山は何も言わない。


「……東海林さん」


「ん?」


「……好き」


「知ってる」


そのまま、ソファで三人くっついたまま。

不安を埋めるみたいに、何度も距離を確かめて、何度も触れて、何度もキスして——



結局、

そのまま夜まで、ほとんど離れずに過ごした。


でもその距離は、安心というより、「離れたら壊れる」みたいな、少し危ういものに変わっていた。

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