77話
クリスマス当日。
昼過ぎ。
「……寒いな」
「……冬だね」
「だから当たり前だって」
三人でこたつに入ってる。
今年は外に出る気は一切ない。
「……ケーキ」
「さっき買ってきただろ」
「……まだ食べない?」
「早い」
テーブルの上には、買ってきたケーキと、適当に作った飯。
いつもよりちょっと豪華。
「……クリスマスっぽい」
「そうか?」
「……うん」
満足そうなら良いか。
「じゃあ食べるか」
「……うん」
「いただきます」
三人でケーキを食べ始める。
「……甘い」
「ケーキだからな」
「……おいしい」
「それは良かった」
そのまま食べ終わって——結局、やることがなくなる。
「……暇だな」
「イベントってそんなもんだよ」
「……くっつく」
「理由になってない」
でも——すとん
「乗るな」
響がいつも通り上に乗ってくる。
ぎゅっ
「……今日くらいは許して」
「毎日許してる」
「……じゃあ今日も」
「そうなるな」
しばらくそのまま、静かな時間。
「……東海林さん」
「ん?」
「……クリスマス」
「うん」
「……キス」
「ああ、その話あったな」
「……いい?」
「……軽くだぞ」
「……うん」
ちゅ
静かに、短く。
でも今日は、少しだけ長い。
「……満足か?」
「……うん」
そのまま胸に顔を埋める。
「……僕もいい?」
「お前な」
横から秋山。
「ダメ?」
「……」
一瞬考える。
「……軽くだぞ」
「やった」
「なんで許可したんだよ俺」
秋山が近づいてくる。
「……」
「……おい」
「ちょっとだけだから」
そのまま——ちゅ
今度は、頬じゃない。
ちゃんと唇。
「……」
「……どう?」
「どう?じゃない」
「クリスマスだし」
「理由になってない」
「……」
上にいる響が、じっと見てる。
「……秋山さん」
「なに?」
「……だめ」
「もうした後だよ?」
「……だめ」
「遅いね」
ぎゅっ
「……強いって」
「……東海林さんは……私の」
「またそれか」
「……」
少しだけむっとしてる。
「……もう一回いい?」
「どっちだよ」
「……私」
「……軽くだぞ」
「……うん」
ちゅ
さっきよりも、少し強め。
「……満足か?」
「……うん」
でも——そのまま離れない。
「……負けたくない」
秋山がぼそっと言う。
「何と戦ってるんだ」
「響君」
「やめろ」
「もう一回いい?」
「多いな」
「クリスマスだよ?」
「万能ワードかよそれ」
でも——
「……軽くだぞ」
「やった」
ちゅ
またキスされる。
「……お前らな」
「楽しいよ?」
「楽しそうだな」
「……東海林さん」
「ん?」
「……今日、ずっと一緒」
「外出ないしな」
「……寝る時も」
「いつも通りだろ」
「……うん」
こたつの中でソファの上で、三人でくっついたまま。
たまにキスして、たまに笑って。
「……特別?」
「ん?」
「……今日」
「……まぁ、ちょっとはな」
「……よかった」
「来年も一緒にいるのかな」
秋山がふと呟く。
「いるだろ」
「……うん」
「……一緒」
結局、特別なことはあまりしてない。
でも——三人で過ごす時間は、ちゃんと特別だった。
もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。




