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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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74話

朝。


「……手」


「はいはい」


玄関を出た瞬間からこれ。

ぎゅっ


「……今日も強いな」


「……普通」


「それ昨日も聞いた」


「……今日も」


「そうかよ」


登校中。

今日はいつも以上に距離が近い。

というか——


「……腕まで組むな」


「……離れない」


「離れる気ゼロじゃん」


「……うん」


素直すぎる。

秋山が横で苦笑する。


「完全に固定だね」


「外れないなこれ」



学校到着。

靴を履き替えて、教室に向かう。


「……東海林さん」


「ん?」


「……また来る」


「昼な」


「……今も」


「今はダメ」


「……」


少しだけ不満そうな顔。

でも一応、ここでは離れる。



教室に入って席に座って、数分。

ガラッ


「……来たな」


「……東海林さん」


いつもより早い。

そして


「おい、まだ朝だぞ」


そのまま椅子の横に来る。


「……ここ」


「席戻れ」


「……やだ」


「ダメ」


「……ちょっとだけ」


「ダメ」


「……」


数秒だけ固まって——すとん


「乗るな」


結局乗ってきた。


「……少しだけ」


「それ毎回言ってる」


「おい東海林、それアウトじゃね?」


クラスのやつが普通に言ってくる。


「知ってる」


「先生来たら怒られるぞ」


「その前に降りるだろ、多分」


「……降りない」


「降りろ」


授業前ギリギリで、なんとか響は自分のクラスに戻った。


「……あれは時間の問題だね」


秋山がぼそっと言う。


「だな……」




昼休み。

ガラッ


「……来た」


そして——ドン


「……よいしょ」


「もう隠す気ないな」


完全に自然に乗ってくる。

しかも今日は——ぎゅっ


「……強い」


「……離れたくない」


「学校だぞ」


「……関係ない」


「関係ある」


でも——今日は引かない。

弁当を食べながらも、ずっとくっついたまま。


「……東海林さん」


「ん?」


「……ずっとここにいたい」


「それは無理」


「……なんで」


「授業あるだろ」


「……やだ」


「子供か」


「……そうかも」


否定しない。



食べ終わった後、いつもなら寝る。

でも今日は——寝ない。


「……どうした」


「……起きてる」


「珍しいな」


「……離れたくないから」


「寝ても離れてないだろ」


「……起きてたい」


ずっと俺を見てる。



午後の授業。


問題発生。


「……戻らないな」


「うん」


秋山が後ろから言う。


「完全に帰る気ないね」


「……響」


「……やだ」


即答。


「戻れ」


「……やだ」


「先生来るぞ」


「……来てもいい」


「よくない」


ガラッ

先生が入ってくる。


「おい東海林、それはどういう状況だ」


「すみません」


「響、お前自分のクラス戻れ」


「……やだ」


教室が一瞬静まる。


「……」


先生も少し困る。


「……理由は?」


「……離れたくない」


「……」


先生、詰まる。


「……とりあえず、席戻れ」


「……」


少しだけ考えて——ぎゅっ

最後に強く抱きついてから、ゆっくり降りる。


「……後で来る」


「来なくていい」


「……行く」


「やめろ」


放課後。

三人で帰り道。


「……今日やばかったな」


「完全に我慢できてなかったね」


「……ごめん」


珍しく謝る。


「……離れるの、怖かった」


「……」


その言葉に、少しだけ詰まる。


「……何かあったのか?」


「……ない」


「嘘だろ」


「……でも」


少しだけ視線を逸らす。


「……いなくなりそうで、怖い」


「誰が」


「……東海林さん」


「……」


昨日の話、引きずってるな。


「……東海林さん」


「ん?」


「……今日、一緒に寝るよね?」


「当たり前だろ」


「……ほんと?」


「毎日言ってるだろ」


「……うん」


少しだけ安心した顔。

家に着いて—ドサッ


「……またか」


即座に上に乗ってくる。

そして——ぎゅっ


「……今日は強いな」


「……怖かった」


「学校でか?」


「……うん」


「……」


少しだけ、頭を撫でる。


「……大丈夫だよ」


「……ほんと?」


「ちゃんといるだろ」


「……うん」


「……キスしていい?」


「またか」


「……だめ?」


「……軽くだぞ」


「……うん」


ちゅ

少しだけ長い。


「……」


「……落ち着いた?」


「……うん」


でも——その後もずっと、前よりも強く、離れないように抱きついてきた。



「……これ、どうする?」


秋山が小声で聞く。


「……どうするも何もな」


響を見ながら答える。


「……今は、離すの無理だろ」


「だね」


依存は確実に強くなってる。

でも——無理に引き離すのも違う気がする。


「……めんどくさいことになったな」


そう思いながらも、その手を振りほどくことは結局、出来なかった。

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