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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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62/75

62話

夜。


部屋は暗かった。電気は消してある。

窓の外から、かすかに街灯の光が入っている。


布団の中。


真ん中に俺。左に響。右に秋山。

いつもと同じ配置。


ただ今日は少し違う。

体が重い。

頭もぼんやりしている。


熱のせいだ。


目を閉じていた。

しばらくして布団が少し動く。


「……東海林さん」


小さな声。響だ。

俺は目を開ける。


「何」


響の顔が近い。かなり近い。

じっとこっちを見ている。


「……起きてる?」


「起きた」


響は少し安心した顔をする。


「……よかった」


「どうした」


響は少し黙る。

それから小さく言う。


「……熱」


手を伸ばす。俺の額に触れる。


「……まだ」


「そうだな」


響は眉を少し寄せる。


「……苦しい?」


「大丈夫」


「……ほんと?」


「ほんと」


響は少し黙る。でも手は額のまま。

秋山が反対側で少し動く。

まだ寝ている。


部屋は静かだ。

響がまた小さく言う。


「……東海林さん」


「何」


「……死なない?」


一瞬。俺は少し驚く。


「風邪だぞ」


響は黙る。

俺の服をぎゅっと掴む。


「……でも」


声が少し小さい。


「……嫌」


「何が」


「……いなくなるの」


俺はため息をつく。


「大げさ」


響は首を振る。


「……やだ」


そしてぎゅっと抱きつく。

さっきより強い。


顔を胸に埋める。


「……東海林さん」


「何」


「……いる?」


「いる」


「……明日も?」


「たぶんな」


響は少し黙る。

それから小さく言う。


「……ずっと」


俺は少し考える。


「まあ」


「……ほんと」


「たぶんな」


響はやっと少し安心した顔をする。

でもまだ離れない。


むしろさらに抱きつく。

腕の力が強い。


「……響」


「……なに」


「暑い」


「……やだ」


「風邪うつる」


「……いい」


俺は少し笑う。


「良くない」


響は小さく言う。


「……でも」


「?」


「……怖かった」


俺は少し黙る。

こんな声はあまり聞かない。


「……夢」


響が続ける。


「……東海林さん」


「うん」


「……いなくなってた」


「夢だろ」


「……うん」


でもまだ服を掴んでいる。


ぎゅっと。


「……だから」


「?」


「……起きてて」


「寝ろ」


「……やだ」


「なんで」


響は小さく言う。


「……見てる」


「何を」


「……東海林さん」


俺はため息をつく。


「変な奴」


響は少しだけ笑う。

でもまだ目は少し不安そうだ。

その時反対側で秋山が動く。


「……ん」


目を開ける。

ぼんやりしている。


「東海林君?」


「起きた」


秋山は体を起こす。


「響君?」


響は少しだけ見る。


「……起きてた」


秋山は二人を見る。

それから少し笑う。


「看病?」


響は小さく頷く。


「……うん」


秋山は言う。


「熱どう?」


俺が言う。


「まだある」


秋山は俺の額に手を当てる。


「まだ熱いね」


響がすぐ言う。


「……さっきも」


秋山は少し笑う。


「響君ずっと見てたの?」


響は小さく言う。


「……うん」


秋山は少し優しい顔になる。


「大丈夫だよ」


「……ほんと」


「うん」


秋山は言う。


「東海林君簡単にいなくならない」


俺が言う。


「当たり前だ」


響は少し黙る。

それからまた俺に抱きつく。

さっきより強く。


「……じゃあ」


「?」


「……離れない」


秋山も布団に戻る。


「僕も」


反対側から軽く腕を回す。

俺は天井を見る。


「看病じゃない」


秋山は笑う。


「ついで」


響は小さく言う。


「……うん」


それから二人とも静かになる。

しばらくして響の呼吸が落ち着く。


やっと安心したらしい。

胸に顔を埋めたまま。

眠っている。秋山もまた眠った。


俺も目を閉じる。


少しだけ響の腕の力が強くなった気がした。

そのまま三人で朝まで眠り続けた。

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