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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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61話

午後の授業。


教室は静かだった。

黒板にチョークの音が響いている。


先生の声。ノートを取る音。


その中で俺の膝の上にはまだ響がいる。

腕を回して、胸に顔を埋めたまま。


完全に寝ている。

もう何時間も隣の席の東が小さく言う。


「……まだ」


「まだ」


東は少し響を見る。


「……すごい」


確かに全く起きない。

遠くの席から秋山が時々こっちを見ている。

少し笑っている。


授業はそのまま終わった。


チャイムが鳴る。

やっと響が少し動く。


「……ん」


目をゆっくり開ける。

ぼんやりしている。

周りを見る。


「……あ」


それから俺を見る。


「……東海林さん」


「起きたか」


「……うん」


数秒。


考える。

それから小さく言う。


「……授業」


「終わった」


響は固まる。


「……え」


教室の何人かが笑う。


「寝すぎ」


「ずっといたぞ」


響は少しだけ顔を赤くする。

でも離れない。むしろまた抱きつく。


「……いい」


俺はため息をつく。


「よくない」


秋山が席から来る。


「おはよう」


響が見る。


「……おはよう」


東がぽつり。


「……昼寝」


響は少し考える。


「……気持ちよかった」


クラスの男子が笑う。


「東海林ベッド」


そんな感じでその日の学校は終わった。



帰り道。


三人で歩く。秋山が言う。


「響君」


「……なに」


「今日寝すぎ」


響は少し俺の腕にくっつく。


「……東海林さん」


「何」


「……落ち着く」


秋山が笑う。


「知ってる」


家に帰る。

リビング。


俺はソファに座る。響がすぐ膝に乗る。秋山は隣に座る。


いつも通り。

でもその夜だった。

少し寒気がする。


「……」


頭が重い。響が顔を上げる。


「……東海林さん」


「何」


「……顔」


手を伸ばす。額に触れる。


「……熱い」


秋山も見る。


「ほんとだ」


俺はため息をつく。


「風邪っぽい」


響の顔が少し変わる。


「……やだ」


「風邪だろ」


「……やだ」


秋山が言う。


「熱ある?」


俺は立ち上がる。少しふらつく。


「あるかも」


体温計。


数分後。


ピッ。


秋山が数字を見る。


「38.1」


響が固まる。


「……高い」


「まあまあ」


俺は言う。


「寝る」


部屋に行く。布団に入る。

響と秋山も来る。

響がすぐ横に座る。


「……東海林さん」


「大丈夫」


響は額に手を当てる。


「……熱い」


秋山が言う。


「水持ってくる」


キッチンへ。

響はそのまま俺を見ている。

少し不安そう。


「……東海林さん」


「何」


「……どこ行かない?」


「行かない」


「……ずっと」


「寝るだけ」


響は少し黙る。

それからぎゅっと抱きつく。


「……離れない」


「暑い」


「……でも」


秋山が戻ってくる。


「水」


俺に渡す。


「ありがと」


秋山は少し笑う。


「珍しいね」


「何が」


「東海林君が弱るの」


響はすぐ言う。


「……弱ってない」


俺は言う。


「風邪だ」


響は俺の服を掴む。


「……嫌」


「何が」


小さく言う。


「……いなくなるの」


俺は少し驚く。


「風邪で?」


響は黙る。

秋山が優しく言う。


「大丈夫」


「……ほんと」


「うん」


俺は言う。


「寝れば治る」


響は少しだけ安心した顔をする。

それから布団の中に入ってくる。


「おい」


「……看病」


そしてぎゅっと抱きつく。

秋山も反対側に座る。


「僕も」


俺は言う。


「二人とも風邪うつるぞ」


響は小さく言う。


「……いい」


「よくない」


でも響は離れない。

むしろいつもより強く抱きつく。


「……東海林さん」


「何」


「……ここいる?」


「いる」


「……ずっと?」


「今日はな」


響は小さく頷く。

そのまま俺の胸に顔を埋める。

秋山が静かに言う。


「今日は僕たちが看病だね」


俺は目を閉じる。

少し安心したのか。

響の腕の力がまた強くなった。


その夜は三人で同じ布団のまま、静かに時間が過ぎていった。

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