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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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60/75

60話

英語の授業が終わる。


チャイムが鳴った瞬間、教室の空気が一気に緩んだ。

椅子を引く音、話し声、次の授業の準備をする音。


俺は軽く肩を回す。理由は簡単だ。

まだ響が膝の上にいる。


胸に顔を埋めたまま、腕を回している。


完全に寝ている。

隣の席の東がぽつりと言う。


「……まだいる」


「見れば分かる」


東は少しだけ響を見る。


「……熟睡」


俺は肩を軽く揺らす。


「響」


反応なし。


「おい」


「……ん」


少しだけ動く。でも目は開けない。

むしろさらに抱きついてくる。


「……東海林さん」


「起きろ」


「……やだ」


また寝る。東が静かに言う。


「……帰らない」


「帰らないな」


その時、後ろの男子が笑いながら言う。


「東海林」


「何」


「まだいるじゃん」


「いるな」


「もうこのクラス来れば?」


周りの何人かが笑う。

女子も言う。


「確かに」


「席作ればいいじゃん」


東がぽつり。


「……四人席」


俺はため息をつく。


「無理だろ」


その時、教室のドアが少し開く。


ガラッ。


隣のクラスの女子が顔を出す。


「響ー?」


教室を見渡す。

そして俺の席を見る。


「……あ」


苦笑い。


「また東海林のとこで寝てる」


クラスの男子が言う。


「いつもの」


女子は言う。


「先生探してたけど」


俺は聞く。


「次の授業?」


「うん」


俺はもう一回肩を揺らす。


「響」


「……ん」


「起きろ」


「……いや」


「授業」


響は少しだけ顔を上げる。

目が半分開いている。

ぼんやりしている。


「……次」


「うん」


「……まだ?」


「始まる」


響は少し黙る。

それからまた俺の胸に顔を埋める。


「……いい」


「よくない」


隣のクラスの女子が笑う。


「もう連れて帰って」


「無理」


東が静かに言う。


「……引き剥がす」


俺が言う。


「無理」


響の腕はかなりしっかり回っている。

女子が言う。


「響ー」


「……ん」


「授業」


響は目を閉じたまま言う。


「……後で」


女子がため息をつく。


「もういいや」


「すまん」


女子は笑う。


「東海林が悪い」


「なんでだよ」


女子は去っていく。

教室がまた普通の空気に戻る。


東がぽつり。


「……すごい」


「何が」


「……完全」


確かに、完全にくっついている。

その時、後ろの男子が言う。


「東海林」


「何」


「彼女?」


俺は答える。


「違う」


響が小さく言う。


「……好き」


教室が一瞬静かになる。

秋山が遠くの席から笑っている。


俺は言う。


「寝言だ」


響はもう一度。


「……好き」


完全に寝言だ。

東が小さく言う。


「……本音」


俺は聞こえないふりをした。

響はそのまま、また静かに寝息を立て始める。

俺は天井を見る。


「動けない」


東が言う。


「……慣れてる」


確かに慣れていた。

そのまま次の授業の準備の時間になっても、響は俺の膝の上から動かなかった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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