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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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52/74

52話

夜。


風呂も終わって、家の中は静かだった。

俺の部屋。布団は三人分。

いつも通り。


電気を消して、部屋は薄暗い。

俺は仰向けで寝る。

右と左に布団。いつもの位置。

……のはずだった。


「……東海林さん」


左から声。響。

もうすぐ隣まで来ている。


「何」


「……寝る」


「寝ろ」


次の瞬間。

響が近づく。そして当然みたいに――抱きつく。

腕を回して、胸に顔を埋める。


「……ここ」


「いつもの」


「……落ち着く」


完全に定位置。

そのとき右側の布団が少し動く。


秋山の声。


「それさ」


「何」


「僕もいい?」


響が少し顔を上げる。


「……なに」


秋山が少し体を寄せる。


「僕も甘える」


響がじっと見る。


「……昨日の」


「うん」


「……宣戦布告」


秋山は笑う。


「覚えてた?」


そして遠慮なく近づいてくる。

俺の腕を掴んで。

そのまま――抱きつく。


右側から腕にしがみつく形。

俺は真ん中。両側から挟まれる。


数秒沈黙。


俺が言う。


「……暑い」


響が言う。


「……我慢」


秋山も言う。


「我慢だね」


俺は天井を見る。


「なんでこうなる」


響は胸に顔を埋めたまま。


「……安心」


秋山は腕に顔を寄せている。


「僕も」


少し静かになる。でも二人とも離れない。

むしろ少しだけ距離が詰まる。


響が小さく言う。


「……秋山さん」


「ん?」


「……近い」


「響君もね」


「……ここ私」


秋山が笑う。


「真ん中は東海林君だよ」


響が少し黙る。

それから小さく言う。


「……半分」


「何が」


「……東海林さん」


秋山が吹き出す。


「分けるの?」


響は真面目。


「……公平」


俺が言う。


「物じゃない」


響は聞いてない。

腕を少し強く抱く。


「……ここ私」


秋山も少し力を入れる。


「じゃあこっち僕」


俺は完全に挟まれていた。

数分後。響の呼吸が少しゆっくりになる。


「……すー……」


寝た。早い。

秋山が小さく笑う。


「響君寝るの早いね」


「いつも」


秋山も少しだけ静かになる。

でも腕は離さない。


小さく言う。


「東海林君」


「何」


「これさ」


「うん」


「普通じゃないよね」


「だろうな」


秋山は少し笑う。


「でも」


少し間。


「嫌じゃないでしょ」


俺は少し考える。

右には秋山。左には響。

両方抱きついている。


暑い。動けない。

でも。


「……まあ」


俺は言う。


「悪くはない」


秋山が小さく笑う。


「よかった」


そのあと秋山も静かになる。

呼吸がゆっくりになる。

寝たらしい。俺だけ起きている。


両側から抱きつかれたまま。

身動きが取れない。


天井を見ながら思う。


……これ、毎日続くのか。


でも二人とも安心した顔で寝ていた。

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