表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/75

45話

夏休みが終わって、数日。


学校もようやく普通の空気に戻ってきた。

まだ暑さは残っているけど、教室の窓から入る風は少しだけ秋っぽい。


昼前のホームルーム。

担任が教卓の前に立って言った。


「はい、静かにー。今日は文化祭の出し物決めるぞ」


教室がざわつく。


「文化祭かー」


「まだ先じゃね?」


「何やるんだろ」


俺は窓側の席に座ってぼんやり外を見ていた。


その隣。


東が静かに座っている。腕を組んで、前を見ているだけ。


「……文化祭」


東がぽつりと言う。


「うん」


「……何やると思う」


「知らん」


東は少しだけ考える。


「……カフェ」


「ありそう」


そのとき、教室の後ろの方から声。


「お化け屋敷やりたい!」


「じゃあ映画!」


担任が黒板に大きく書く。

文化祭 出し物


「はい、案出してー」


クラスのあちこちから声が出る。


「カフェ!」


「屋台!」


「ゲーム!」


俺は少し後ろを見る。

秋山の席。教室の中央より少し後ろ。


何人かと話している。

秋山はこっちに気づいて軽く手を振る。


俺は軽く手を上げるだけ。

そのとき教室のドアが開く。


がら。


クラスの何人かが振り向く。


「あ」


「また来た」


そこにいたのは――響。

いつもの顔。

響は教室を見回してすぐ俺を見つける。

まっすぐ歩いてくる。


クラスの男子が笑う。


「響ちゃんまた来てる」


「もう普通だな」


響は俺の席の前まで来る。


「……東海林さん」


「何」


「……文化祭?」


「今決めてる」


響は少し黒板を見る。


「……楽しそう」


「まだ何も決まってない」


東が響を見る。


「……来てた」


「……うん」


「……席ある」


響は首を振る。


「……ここ」


次の瞬間。響は迷いなく動く。

そのまま俺の膝の上に座る。


「……おい」


「……座った」


東が少しだけため息をつく。


「……いつも」


響は俺の肩に顎を乗せる。


「……落ち着く」


前の席の男子が振り返る。


「文化祭の話してるのに東海林の上に座ってるやついる」


クラスが少し笑う。響は気にしてない。

担任も一瞬見るけどもう何も言わない。


諦めている。


「はい、他に案ない?」


誰かが言う。


「カフェいいじゃん」


「メイド喫茶!」


「普通の喫茶店でいいだろ」


教室のあちこちで議論。

響は小さく言う。


「……東海林さん」


「何」


「……文化祭」


「うん」


「……楽しみ?」


「普通」


響は少し考える。


「……私は」


「何」


「……楽しみ」


「なんで」


響は俺の肩に顔を寄せる。


「……東海林さんいる」


後ろから声。


「東海林君」


秋山だった。

席から少し身を乗り出している。


「カフェになりそうだね」


「みたいだな」


秋山は響を見る。


「響君」


「……秋山さん」


「またそこ?」


「……うん」


秋山が少し笑う。


「羨ましいな」


響が小さく言う。


「……満席」


「知ってる」


担任が黒板を叩く。


「はい、じゃあ多数決!」


黒板にはいくつか案。

その中で一番多いのが――カフェ


「カフェやりたい人ー」


クラスの半分以上が手を挙げる。


「決まりだな」


教室が少し盛り上がる。


「接客やる人ー」


「料理担当!」


「装飾!」


いろいろ声が飛ぶ。響はそのまま俺の上。

静かに言う。


「……東海林さん」


「何」


「……文化祭の日」


「うん」


「……来る」


「知ってる」


「……ずっといる」


東がぽつり。


「……客じゃない」


響が小さく言う。


「……違う」


「じゃあ何」


響は少し考える。


それから言う。


「……東海林さんのところ」


俺はため息をつく。

東が小さく笑う。


「……いつも通り」


後ろで秋山も笑っていた。

文化祭の準備が始まる。

でも俺の周りだけは夏休み前と同じ空気のままだった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ