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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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39話

夜。

昼間の出来事のせいで、家の空気はどこか妙に静かだった。


夕飯のとき、母は何も言わなかったし、父は普通にテレビを見ながら笑っていた。

ただ、時々ちらっと俺と響を見るのが気になったくらいだ。


そして今。俺の部屋。

布団が三枚並んでいる。


いつもの配置だ。

俺が真ん中、右に響、左に秋山。

電気を消してしばらく経つ。


「……東海林さん」


小さな声がした。


響だ。


「どうした」


「……起きてる?」


「起きてる」


すると、布団が少し動く音がした。

次の瞬間ぎゅっ。

響が抱きついてきた。


「……」


「……」


相変わらず距離が近いというか、近すぎる。

顔が胸に埋まっている。


「今日はやけに甘えるな」


「……昼」


「ああ」


昼のキス。

思い出して少しだけ気まずくなる。


「……嫌だった?」


「嫌じゃない」


「……よかった」


響は安心したように、さらに抱きついてきた。

完全に猫みたいだ。すると反対側から声がした。


「僕も起きてるよ」


秋山だ。


「寝ろ」


「ひどいね」


秋山は笑いながら言った。


「響君ばっかりずるいなと思って」


「何がだ」


「甘えるの」


すると、響が少しだけ顔を上げた。

暗いけど、目が合う。


「……秋山さんも来る?」


「いいの?」


「……うん」


おい。


次の瞬間。布団が動く。

秋山が寄ってきた。


「失礼」


そして――俺の手を握った。


「……」


「……」


「これが僕のポジション」


「お前らな」


俺を中心に、右に響左に秋山

完全に挟まれている。


「動けないんだが」


「いいじゃないか」


「……うん」


二人とも離れる気はないらしい。

しばらく沈黙が続いた。外から虫の声が聞こえる。


夏の夜。

その静かな時間の中で響が、小さく言った。


「……東海林さん」


「ん」


「……もう一回」


「何を」


少しだけ間があった。

そして。


「……キス」


俺は少し黙った。

秋山が小さく笑う。


「昼間のやつ気に入ったんだね」


「……うん」


「……」


俺は少しだけため息をついた。


「秋山」


「何だい」


「見るな」


「えー」


「いいから」


「はいはい」


秋山はわざとらしく目を閉じた。

絶対聞いてるだろこいつ。


俺は響を見る。

暗い中でも、じっとこっちを見ているのがわかる。

少し緊張してる顔。


「……本当にいいの?」


響が聞いた。


「……東海林さんが嫌なら」


「嫌じゃない」


「……」


「ただ」


俺は言った。


「慣れてないだけだ」


響は少しだけ笑った。


「……私も」


そしてゆっくり顔を近づけてくる。

昼と違って。今度は逃げ場がない。


軽く。本当に軽く。

唇が触れた。


ちゅ。


数秒。


すぐ離れる。

響はそのまま俺の胸に顔を埋めた。


「……」


「どうした」


「……恥ずかしい」


今さらか。

秋山が言った。


「終わった?」


「聞いてたのか」


「当然」


「お前な」


秋山は笑いながら言った。


「僕もキスしていい?」


「ダメだ」


「残念」


そして秋山は俺の手を握ったまま言った。


「でもまあ」


「?」


「こうやって三人でいるのも悪くないね」


響が小さく頷く。


「……うん」


そしてさらにぎゅっと抱きついてきた。

完全に離れる気はないらしい。

俺は天井を見ながら言った。


「お前ら」


「ん?」


「……このまま寝るのか」


「寝るよ」


「……うん」


左右からくっつかれたまま。

俺はため息をついた。


「……寝れるかこんな状況」


でも、二人ともすぐに寝息を立て始めた。


「……早すぎだろ」


結局。そのまま動けず。

俺も目を閉じた。

夏の夜は、まだ長い。

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