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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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37話

夜。

風呂も終わって、親もそれぞれ自分の部屋へ。

俺たち三人は、いつもの寝室。

布団は並べて敷いてあるが、意味はあまりない。


「両親いるけど大丈夫か?」


「……いつも通りでいい」


響が即答する。秋山も頷く。


「変に隠すほうが怪しいよ」


それもそうか。俺は仰向けに寝転がる。

その瞬間、響が迷いなく俺の胸に顔を埋めてくる。


「……落ち着く」


「重い」


「……我慢して」


我慢するしかない。右手側から、そっと指が絡む。

秋山だ。


「僕はこれくらいでいいよ」


「お前も大概だけどな」


「控えめだろ?」


確かに響ほどの破壊力はない。

左側、胸に顔を埋めてる響。右側、手を握ってくる秋山。


俺は天井を見上げる。


「俺、身動き取れないんだが」


「……逃げないで」


「逃げないよ」


「僕も逃がさない」


誰から逃げるんだ。

そのまま、三人とも静かになる。

響の呼吸がゆっくりになる。


寝るの早いな。

秋山も目を閉じる。手は離さない。

俺はしばらく天井を見ていたが、そのまま眠りに落ちた。



数時間後。


トイレに起きた母が、何となく様子を見にくる。


「ちゃんと寝てるかしら……」


軽くドアを開ける。視界に入る光景。

仰向けで寝ている俺。

胸に顔を埋めて、がっちり抱きついている響。

俺の右手を両手で握ったまま眠っている秋山。


完全固定。

母、沈黙。


「……」


一歩だけ近づく。

響は小さく寝言。


「……いなくならないで……」


秋山も無意識に指を強く握る。


「……好き……」


母、静止。

数秒。

そっとドアを閉める。

廊下に出る。そこに父。


「どうだ?」


母が小声で答える。


「想像以上だったわ」


「どんなだ?」


「三人で一本の生き物」


父が吹き出しそうになるのを堪える。


「ほう」


母は額を押さえる。


「うちの子、完全に中心じゃない」


「昔からだら」


「違う意味でよ」


父は少し考える。


「まぁ、誰も無理しとらん顔だな」


母も思い出す。響の寝顔。

秋山の穏やかな表情。

俺の無防備な顔。


「……幸せそうだったわ」


「ならええじゃん」


母は小さくため息。


「将来が怖い」


「将来は将来だ」


二人はそれ以上踏み込まないことに決める。



朝。


俺が目を覚ますと響はまだ胸に顔埋めたまま。秋山はまだ手を握ったまま。

指が痺れている。


「……おはよ」


響が目を開ける。


「……おはよう」


右手側からも声。


「おはよう、東海林君」


「お前ら離れろ」


「やだ」


「無理」


即答。その瞬間、ドアがノックされる。

母の声。


「起きてる?」


三人、固まる。

俺は仰向け。響は胸に密着。

秋山は手を握ったまま。


「……起きてる」


「朝ごはんできてるわよ」


「今行く」


足音が離れる。

沈黙。


俺が呟く。


「多分バレてるぞ」


秋山が微笑む。


「昨日の夜、ドア開いた音した」


「言えよ」


響が小さく言う。


「……でも何も言われなかった」


確かに。怒られてない。

止められてない。


俺は天井を見る。


「公認か」


秋山が言う。


「家族ぐるみで依存だね」


響が俺に顔を擦り付ける。


「……ずっとこう」


「ずっとは無理」


「……じゃあ今は」


俺はため息をつく。


「今はな」


両側から、同時に抱きつかれる。

完全拘束。


俺の両親、これを知った上で朝飯作ってるのか。


肝が据わってるな。


「……とりあえず離れろ」


「やだ」


「もう少し」


今日も一日、始まる。


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