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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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24/74

24話

ヤンデレは見てる側からすると面白い

重たい空気の中、最初に口を開いたのは祖母だった。


「響は……ずっと、我慢する子だからね」


柔らかい声だった。

でも、その奥に滲むものは軽くない。


響の肩が小さく震える。


「あなた達ありがとうね。この子を、ここまで連れてきてくれて」


俺は思わず背筋を伸ばした。


「俺はただ、一緒にいただけです」


「それが難しいのよ」


祖母はゆっくり笑う。


東さんは、正座したまま膝の上で拳を握っていた。


「……私は」


彼女が、口を開く。


「……響を引き取りたいって…思ってた」


静かな告白だった。

秋山が目を細める。俺は何も言えない。

東さんは視線を落としたまま続ける。


「…でも、無理やり……連れてくるのは違うと…思った」


響の指が、俺の袖をさらに強く掴む。

祖母が頷く。


「ここはね、いつでも戻ってきていい場所なの」


その言葉は、逃げ道ではない。

居場所だ。


「あなたが笑っていられるなら、どこにいてもいい。でも」


祖母の目が、まっすぐ響を見る。


「辛いなら、帰ってきなさい」


沈黙。長い、長い沈黙。

響は俯いたまま動かない。

俺は何も言わない。


この先の事を選ぶのは、俺たちではなく響だ。

東さんが、そっと響に近づく。


「……私ね、従姉妹って…言っても、ほとんど一緒に……遊べなかったでしょ」


小さく笑う。


「……だから…今度は、ちゃんと隣にいたい」


響の肩が、震える。


「……みんな、優しすぎる」


かすれた声。


「私……東海林さんの家にいるの、好き」


心臓が止まりかける。

秋山が横でこんな状況でもニヤけそうになっているのが分かるが、今は無視だ。


「でも……ここも、嫌いじゃない」


涙が、ぽたりと畳に落ちた。

祖母は微笑んだ。


「それでいいのよ」


東さんは、ほんの少しだけ安心した顔をする。

俺は、やっと口を開く。


「俺は、響が選んだ方でいい」


それだけだ。

響はゆっくり顔を上げる。


涙で濡れた目。

それでも、ちゃんと前を見ている。


「……もう少し、考えてもいい?」


祖母は頷く。


「もちろんよ」


その瞬間、空気が少しだけ軽くなった。

完全な答えは出ていない。


でも。追い詰める空気じゃない。

待ってくれる場所があるって、こんなにも強い。



帰り際。


玄関で東さんが小さく言った。


「……東海林さん」


「ん?」


「……響のこと、守ってくれて……ありがとう」


まっすぐな目。


「…でも独り占めは…しないでね」


小さく微笑む。宣戦布告かよ。

俺は苦笑する。


「それは響に聞いてくれ」


その横で、響が俺の袖をぎゅっと掴んでいる。


離さないと言わんばかりに。

選択は、まだ先。


でも居場所が二つあるって、きっと悪いことじゃない。


もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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