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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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22話

完結…するんですかねこれ

目が覚めて、起きようとすると響が抱きついていたので、全然動くことができない。

ひっつき虫みたいに、がっちり腕と足を絡められている。


……軽いのに重い。

物理じゃなくて精神的に。


「……朝から全力だな」


小声で呟くと、響は胸元に顔を埋めたまま小さく返事をした。


「……東海林さん……いる?」


「いる」


「……ならいい」


ならいい、じゃない。

この状態でいいのは響だけだ。


どうにか腕を引き抜こうとすると、ぎゅっと力が強まる。

学習機能付きかこの子は。


「響、学校あるぞ」


「……五分」


「信用できない五分だな」


その時だった。

背後から、布団がもぞりと動く音がした。


「東海林君、朝から随分モテてるね」


嫌な予感しかしない。

振り向けないが、声で分かる。秋山だ。


「お前いつから起きてた」


「割と前からだよ」


「見てただけか?」


「羨ましくて」


怖いこと言うな。

次の瞬間、背中にふわっと体温が触れた。


「ちょ、お前まで何してる」


「混ざろうかなって」


完全に挟まれた。

前に響、後ろに秋山。

サンドイッチか俺は。


「狭い」


「安心するでしょ?」


「しない」


「嘘だね」


後ろから腕が回ってくる。

響は更に強くしがみつく。


「……秋山さん……ずるい」


「響君が独占してるからだよ」


「独占してない……」


「してるよ」


おい、朝から火花散らすな。


「お前ら、俺を取り合うな」


「取り合ってないよ」


「取り合ってない……」


ハモるな。

でも、妙に静かになる。二人の呼吸が近い。

……これ、外から見たら完全に終わってる構図だよな。


「東海林君」


「なんだ」


「ずっとこうだったら良いと思わないかい?」


珍しく、少し真面目な声。

響も小さく言う。


「……ずっと」


朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいる。

なんでもない日常。


でも、こういう時間って意外と脆い。


「ずっとは無理だろ」


正直に言う。


「でも、今日くらいならいい」


背中の秋山の力が少し強くなる。

前の響も、ほっとしたみたいに息を吐く。


「……今日も一緒?」


「学校あるからな」


「現実的だね」


「社会不適合者に言われたくない」


「否定できない」


響が顔を上げて、俺を見上げる。


「……置いていかない?」


「置いていかないよ」


それを聞いて、ようやく少しだけ腕の力が緩んだ。


その瞬間を狙って俺は言う。


「よし、起きるぞ」


「え」


「え?」


二人の声が重なる。


「このままだと遅刻だ」


「もう少し……」


「五分」


「信用ならん」


どうにか腕を外して体を起こすと、響が名残惜しそうに服を掴んだままになる。

秋山はというと、妙に満足げだ。


「朝から体力使ったな」


「何もしてないのに?」


「精神的にな」


布団から抜け出しながら思う。

俺、これ普通の高校生活なのか?

前から依存、後ろから好意。

どっちも軽くない。


でも。


「腹減った」


結局そこに戻る。


「朝飯作るぞ」


「東海林君、主夫みたいだね」


「否定はしない」


「……一緒にキッチン行く」


「響はまず顔洗え」


「……はーい」


ドタバタと布団を抜ける二人を見ながら、少しだけ思う。

今日も、多分悪くない。


……飯作ったら遅刻じゃね…

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