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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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20話

そろそろ前書きも思いつかなくなりました

二人も食べ終わり、片付けをしていると風呂が沸いた電子音が鳴った。


「東海林君、これもっと洗った方が良いかい?」


「それくらいでいいよ。完璧求めなくていい」


今日は量が多かったので、秋山が隣で皿を拭いている。

三人並ぶにはキッチンは狭い。響はソファに座って待機中だ。

ふと振り向くと、響がじっとこちらを見ていた。


何その目。

完全に遊んでもらうの待ってますみたいな犬ポジションなんだが。


「これで最後だね」


「助かった。ありがとな」


「僕は料理できないからね。その分働くよ」


全部終わって、俺と秋山はソファへ戻る。

自然と座る順番は、俺・響・秋山。

最近ずっとこれだな。


「誰も風呂入らないのか?」


「東海林君が先でいいよ」


「……うん」


圧倒的多数決。


「じゃあ行ってくる」




東海林君が風呂に行った。

つまり今、リビングには僕と響君だけ。

横を見ると、少し眠そうな顔。


「響君、眠いのかい?」


「……少し」


「寝ててもいいよ。どうせあの人長いし」


「……頑張って起きてる」


そう言いながら、目が半分閉じている。

なんとなく、頭に手を伸ばしてみた。

さら、と柔らかい髪。


「小動物みたいだね」


「……東海林さんにも言われた」


やっぱりか。少し沈黙。

それから、ずっと思っていたことを口にする。


「僕たちさ、東海林君に依存してるよね」


「……うん」


否定しないんだ。


「僕と東海林君に、してほしいことある?」


響君は少しだけ考えて、


「……これからも、そばにいてほしい」


まっすぐすぎる。


「いるよ。三人でいる」


それは嘘じゃない。少なくとも、今は。


「……ありがとう」


東海林君が響君を甘やかす理由が、少し分かる。甘やかしたくなるんだ。守りたくなる。


「……二人は、私にしてほしいこと、ないの?」


「一人で抱え込まないでほしいかな」


「……あの人のこと、あまり知らないかも」


出会う前の東海林君。

僕も知らない。


「響君は?」


「……秋山さんは、どんな人だったの?」


少しだけ笑う。


「昔は、いじめられてたよ」


「………」


空気が重くなる。


「でもそれで東海林君に会えた。結果オーライだ」


「……今は楽しい?」


「楽しいよ。友達は少ないけどね」


というか友達はほぼ居ない。

だけど二人がいてくれるから。


「風呂、長いね」


「……うん」


「一緒に入ってくれば?」


「……いいのかな」


「行ってみなよ」


響君は立ち上がる。

その背中を見送りながら、胸の奥が少しだけ疼いた。

……最初に嘘なんて、つかなければよかった。




湯船に浸かると、やたら考え事をしてしまう。今日、何やってたっけ。

そんなことを考えていると、扉が開いた。


「響か」


「……一緒に入ろう」


即答かよ。


「狭いぞ?」


「……大丈夫」


まあいいか。

響は体を洗い始める。

家の風呂で同級生と入る未来、誰が想像した?


「頭洗ってあげようか?」


冗談半分だった。


「……洗ってほしい」


マジか。

仕方なく湯船から出て、髪を洗う。

泡立てて、指で優しくなぞる。なんだこれ。

完全に保護者ポジション。


「……ありがとう」


洗い終えて湯船に戻ると、響も入ってきた。

やっぱ狭いな。目の前に響の頭が目の前にあるしとりあえず撫でる。


「響って、何されても嫌がらないの?」


「……特にない」


「嫌じゃないのか?」


「……東海林さんは、嫌?」


「嫌じゃない」


「……なら、私も嫌じゃない」


まっすぐだな。


「親戚の集まり、大丈夫か?」


「……巻き込んじゃう」


「一緒に居たいんだろ?」


「……うん」


「なら一緒に行く」


それだけだ。

響は少しだけ安心した顔をした。


姉と妹の話も出た。

でも親が離婚前までの話つまり、ほぼ一人。


「会う可能性あるな」


「……あるかも」


「何かあったら、その時考えよう」


響は何度も言う。


「……一緒に居たい」


湯気の中で、その言葉がやけに静かに響く。

眠そうになってきた響を見て、


「ここで寝たら溺れるぞ」


「……眠い」


「上がるか」


二人で風呂を出る。



リビングに戻ると秋山が座っていた。

なんか寂しそうな犬みたいな顔してる。


「長くて悪い」


「僕が次入るよ」


入れ替わりで俺と響はソファへ。


「暇だな」


「……うん」


「寝るか?」


「……膝、乗っていい?」


「いいよ」


響が膝に乗る。

向かい合わせ。


「キスできそうなくらい近いな」


「………」


顔赤い。

分かりやすすぎる。


「キスしたいの?」


「人にキスしたいと思ったことはないな」


本音を言う。


「……そう」


「寝るんじゃなかったのか?」


「……おやすみ」


即寝。早すぎるだろ。

後ろに倒れないよう、腕を回して支える。


完全に保護者だな。


「甘えたがりだな」


高校で出会って、まだそこまで時間経ってないのにこの距離感。普通じゃない。


でも今は、膝の上で安心しきって寝てる響と、風呂場で鼻歌歌ってる秋山がいる。

面白い人生だな。


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