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第六話「極道対決」

 石塚は指をポキポキと鳴らすと懐から一本のナイフを取り出し、襲いかかってきた。

 

帝王の支配欲(ウォッジャーサモンズ)


 石塚は目にも留まらぬ速さで短い斬撃を撃ち込んでいくが桜木はそれに対してスキルで対抗。


 相手を洗脳できなくとも、こちらも仲間を召喚して戦わせられる。

 


「帝王の支配欲」この技は桜木が犯罪組織のトップに成り上がるために作ったもので、洗脳されたものを十二人までなら召喚することが出来る。

 勿論、召喚兵に応じて疲弊度は増す。

 ヴァメロマンがSSS級だったのは帝王の支配欲による貢献度も高いだろう。


「ボス、お呼びでしょうか?」


 彼は藤原頼政。

 桜木の仲間達の中では最も強く、凛々しい。

 いや、美しさなら女であるエリザベスも負けていないか。


 頼政は炎魔扇子でナイフの斬撃を防ぐと、扇子で下半顔を隠し、サイコパスに満ちた目を俺に向けた。


「殺していいですか?」


 頼政は本来なら陰陽寮にいるべき人間。

 だが、そのサイコパスな性格が原因で追放されたのだ。

 彼は殺しに飢えている。

 目の前の小動物を殺したくてたまらない、そんな表情だ。


「いや、殺しはするな」

「……はい」


 落胆混じりの返事をすると頼政は石塚にナイフのような鋭い目を向けた。


 地面を強く踏み込み、石塚の間合いに入った事を確認して扇子を横に振る。


「火炎・滅却陣」


「なっ!?」



 石塚の足元には炎の円が現る。

 驚嘆しているようだが、すぐに冷静さを取り戻し、ひとまず宙へ飛び上がり、迎撃態勢に入る。


 石塚は空中戦のエキスパートだ。

 石塚のスキルは空中移動III

 実はIIIクラスは上級であり、空中移動も洗脳同様希少スキルである。

 

「桜千流・増殖点火」


 無数のナイフが空中から頼政のいる地上へと浴びさせられる。

 まるでナイフのシャワーだ。


「これなら避ける隙間もねぇし、ナイフの串刺しにされておしまいよっ!!」


 頼政は実に冷静だ。

 じっと自分に矛先を向けたナイフと睨めっこして、避ける動作もなく、受ける。

 実はナイフ攻撃は跳ね返すと、操縦魔法で迎撃される可能性があるからだ。

 


(かかったな)


 石塚は満面の笑みを貼り付けると、指パッチンをする。

 

 これは炎魔法の派生、爆烈魔法だ。

 爆裂魔法は炎魔法とは違い、魔力の消費量が多いが威力は段違い。

 

 発動したらみんな死ぬ

 しかし桜木は逃げろと言わなかった。

 

「ありがとうございます、我が主君」


 そう言い、口の端だけ持ち上げて見せると、即座に術式を展開する。

 

 頼政の「炎魔扇子」にはある術式が記述されていた。

 扇子についた指紋から当時の使用者を再生する「再生魔法」の術式。


 陰陽師は式神を操り、戦闘に参加するだけではなく超越型魔法についても熱心に研究している。


「ハッ!!」


 咆哮で爆裂魔法はかき消された。

 砂が爆風によって宙に舞い、視界が悪い。

 


 石塚は咆哮を耳にして、理解してしまった。

 渾身の魔法が自身より脆弱であろう奴に敗れた事を。


(あり得ない、あり得ない、あんな奴に俺は……)


 砂煙が引くと、その中からは豪炎に包まれている一体の怪物が姿を現した。


 


 

 


 


 


 

 


 


 

 


 


 




読んで頂きありがとうございます

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