第4話「有象無象よ、洗脳してやろうではないか!!」
「八神は俺を認めさせろと言ったが、一体どうすればいいんだ?」
全く検討がつかない。
力で認めさせるのか、知恵で認めさせるのか、武器コレクションで認めさせるのか……
「八神は具体的には言ってなかったから、とりあえず認めさせればいいんだな」
どうすれば認めるか、訊いておけばよかった……
あまり後悔しない気質なのだが、この時ばかりは頭を抱えるほど後悔した。
「俺が使える武器はなんだ?」
「え?」
通行人がわざわざ足を止めた。
とぼけた顔をし、キョトンとしている。
エリナなら可愛げがあると言えるのだが、40ほどのおっさんにやられては胸が苦しい。
「あ、いや貴方には聞いてないです」
その男の顔は見る見るうちに紅潮し、怒号を放った。
「うるせえぇぇぇわい!!」
うん。君の方がうるさい。
「俺はね、昔から五感が鋭いんだよ」
「あ?」
おっさんがこちらへ向かってきて、胸ぐらを掴んできた。
短絡的な奴だ。
「なんだ?」
「なんか始まるぞー!!」
「やれやれー!!」
人だかりができ、やじを飛ばしてくる連中も増えた。
ここで喧嘩しては大事になりそうだ。
まぁ俺は喧嘩するようなタチでもないんだけど。
しかしダリィな……
やっちまうか。
「”大衆洗脳“」
「が……っは……」
「あ……ッッ」
「キィぃぃぃ」
取り巻きの有象無象が殴り合ったり、武器を取って交戦している。
流石に武器を持っているやつと無手のやつを戦わせるのは可哀想なので
無手VS無手
剣VS剣
魔銃VS魔銃
槍VS槍
上記のように条件を揃えた。
ちなみに俺は平和主義者(?)なので洗脳されていない者には攻撃が当たらないように配慮している。
愉快、愉快。
俺は正義の味方でもない。
こうやって精神不安定な人間を戦わせ、精鋭を選び抜くのだ。
「おや?」
俺の胸ぐらを掴んでたおっさんも、どうやら洗脳された模様。
勿論、命令して胸ぐらから手を外させる。
そしてお咎めなしに戦わせた。
――十分後
正直、ここまでのやつがいるとは思わなかった。
その男は一人でおよそ60人と戦い、無傷で立っていた。
武器は一度も使用せず、魔法すら不使用。
「君、名は?」
「ま……マグロ」
「職業は何?」
「ぼ、ぼ、冒険者……」
「?」
人見知りなのか?
まぁ子供だからいいか。
俺は子供だからという理由で割り切り、残骸をざっと見渡す。
洗脳スキルは便利で、洗脳された者同士の戦いならば絶対に傷つかない特典が付いている。
紫白はこんな俺を捨てたんだ。
きっと後悔してるぜ……
「“大衆洗脳”解」
「えーと……何してたんだっけ?」
「あら? なんでここにいるのかしら」
「おぉ〜セナじゃないか」
「ゲッ、ラクミネ……」
先程までの有象無象の記憶は排除されている。
まぐろだけは洗脳を解除していないので排除されていない。
「魔王に対抗するにはやはり数が必要ではないのか……?」
さっきの光景は質が数を覆していた。
戦は数が最重要だった筈。
またこの人たちを洗脳するか?
もう少し知性があった方がいいな……
「とにかく六人の兵隊は欲しいところ」
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