第三話「最強&最恐の六大魔王」
三日後、優秀な白魔術師のおかげで退院できた。
そしてあれからエリナと連絡を取ってみたところ、無事みたいだ。
本当によかった。
しかし、まだまだ安心できない。
その為にも俺は魔王の弟子になる必要があるのだ。
さて、その肝心の六大魔王はどこにいる?
洗脳スキルを使って何人かに聞いたところ、六大魔王はそもそもこの国にはいないらしい。
噂によると隠居中の者が多く、見た目年齢は60から90。
高齢者だったのか……
本当に強いのか疑念してしまう。
しかもこの国にもいないのか?
ちなみに今いる場所は「アミダログチ都市西端部」
戦闘犯罪組織の領域からは離れているため、比較的安全。
この都市にはダンジョンが多く、強者が多いらしい。
ダンジョンは、主に古びた城に現れる。
ダンジョンの中には六大魔王直属ではない魔物がウヨウヨと散乱していて、魔王は放浪している魔物を見つけてはスカウト活動を行なっていると聞いたことがあるのだが……
それは噂に過ぎなかったということか。
肩を突き落とし、落胆すると再び顔を上げてキョロキョロと周囲を見渡す。
このまま魔王の真の手がかりも掴めずに終わるわけにはいかないからな。
「……」
俺の洗脳スキルで新参者を見つけては洗脳して聞き出すスタイルなのだが、
あたりを見渡すもやはりいない。
「今度こそ駄目……か」
ん……?
初めて見る人がいる。
背丈は小さく、150センチほどしかない。
まだ子供なのだろう。
その子供は武器屋の前にある看板を凝視していた。
黒いローブに身を纏わせ、子供とは思えない、異質な奴だ。
「おい」
その子供がこちらに振り向いた。
「”洗脳“」
俺の目を見た者は必ず洗脳される。
ただしそれにはある条件がある。
心が砕かれていること。
こいつはどうかな?
「!? 魔人族……」
その男の目はオッドアイだった。
以前、本で読んだことがある。
オッドアイは魔人族のみに宿る特別なものだと。
「君は僕を探してるようだね」
「どういうことだ?」
俺は恐る恐る訊いた。
子供とは言え相手は魔人族。
魔人族とは純人間3人分の力をもつ種族だ。
その魔人族は何やら満足げに喉を鳴らして、微笑む。
「僕は六大魔王の一人、八神銀二郎だ」
【無二無双】の八神銀二郎。
六大魔王の中でも一番強く、八神に敵う者はこの世にはいないと言われている。
あの世にもいるかどうか……
そういえば魔王は全部お見通しだっけ?
エリナへの愛もお見通しだったのか!?
俺は思わず後ろに飛び跳ねる。
「傷つくんだけど……」
あれ? 魔王は高齢者じゃないのか?
よりにもよってこんな子供が魔王?
いやいや、ちょっと待て。
人を見た目で判断してはいけない。
俺は目を凝らしてじっと目の前の魔人族を見る。
「君が六大魔王の八神……なのか?」
「お前、疑ってんのか?」
「いや、そういうわけでは……」
魔王(?)が詰め寄ってきたので後ろに後ずさる。
「それ以上、後ずさるならば殺す」
突如、漆黒に染まった魔力が、魔王から溢れ出る。
全身の細胞が震え上がるようなこの恐怖感。
間違いないこいつは「魔王」だ。
魔力とは魔法を使うための媒介であり、色は六段階ある。
《赤》《白》《緑》《青》《金》《黒》
そして、六大魔王と呼ばれる由縁はこの魔力の色にあると言われているそうだ。
この世界は弱肉強食。
弱い者が強い者の餌食となる。
あの子供が伝説の八神だとしても不思議ではない。
「そういえばお前、僕に何の用?」
「俺に……修行をつけて欲しい」
「いいよ」
「ほんとに!?」
俺は感極まったあまりその場で飛び跳ねたい感情に駆られた。
しかし、目の前の八神は微動だにしない。
相手が喜んでりゃあ、無表情が綻ぶもんだろう。
まぁこれが六大魔王なのかな……
「ただし一つ条件がある」
「条件?」
八神は俺の目の前に人差し指を上に向けて突き出す。
「俺を認めさせろ。手段は問わない」
「……ッッ!!」
驚きのあまり目を見開く。
目の前の魔王は俺を認めさせろというのだから。
「怖気付いたか?」
その逆だ。
俺は魔王に少しは認められたということだろう。
でなければ修行をつけてやる気にはならない筈……
でも、何で認められたか謎だけど。
俺は満面の笑みを浮かべて魔王に“魔銃”を突きつけた。
「……?」
「首を洗って待っとけよ」
「あぁ、楽しみだ」
読んで頂きありがとうございます!!
面白くなければ☆で構わないので、自由に評価してみてはいかがでしょう
モチベが大UPするので。
☆おまけ☆
Q.八神さん、魔銃とは何ですか?
A.あぁ僕に突きつけられた物ね。魔銃そのものの構造は通常の銃とほぼ変わらない。
魔銃は一部の極道が常備していて、主に極道の中でも魔力量が少ない奴が装備してるイメージがあるね。
でも、魔銃はねぇ〜武器としては一流だよ?
だって六大魔王直属の鍛冶職人が製造した物だから。




