25-2
それは主人公二人が、想いを交わし合った場面である。
ーーー
熱を帯びた二人の視線が絡み合う。
「クリス様……」
「……ニーナ」
クリスの熱い吐息がニーナの首筋にかかる。
やがてクリスの×××が、ニーナの×××を×××して、ニーナは喘ぐように吐息を漏らした。
以下、自主規制。
ーーー
(……)
パタン、と本を閉じた。ついでに目も閉じて天井を仰いだ。
限界だった。
顔から湯気が噴き出ているのではないかと思った。
(これは「ちょっと」大人な内容なの、か……?)
ユミナは、これを愛読しているということか。というか世の中の一般的な女子は、こういった本で色々なことを学んでいるのだろうか。
(お、大人だ……)
ユミナから見れば、自分はひよひよのひよこだったことだろう。
パタパタとノートで顔を扇ぐ。しかし、ここで諦めては挑戦した意味がない。
(私は絶対、恋愛巧者になる!)
そして、リアーヌがローランをたじろがせるのだ。
リアーヌは気合を入れて、続きに挑戦すべく問題の部分を開いた。
そう、これは勉強だ。
誓って、興味津々だというわけではない。
ーーー
「クリス様……!」
「……ニーナっ!」
クリスの×××い××に、ニーナは×××ず×××する。
ニーナはあまりの×××に、思わず×××の×××を××××した。
以下、略。
ーーー
先ほどより、さらに過激な文字が踊っている。
(こ……)
衝撃的過ぎた。
(こんなことを私とローランがするってこと!?)
さて。
深窓の令嬢のつもりであるリアーヌは男性経験がなく、何なら男だった時すら女性経験がない立派な童貞だった。
ーーリアーヌは、かつてないほどの敗北感を味わった。
(……無理だ)
少なくとも今すぐは。ローランの言うとおり、心の準備ができていない。
学生生活が終わるまでは、彼も言っているとおり待っていてもらおうと思った。
(って本当に待てるのだろうか……)
時々こちらが引くくらい、ぎらついた目で見てくることがある。それにしても。
(ローランは私とこういうことをしたい……んだよね?)
今世はともかく、前回のローランは自分のように未経験だったなどということはない。自分より色々なことを知っているはずだ。
(くっ……ローランめ……!)
敗北感と羞恥がないまぜになり、机の上で一人、悶え続けるリアーヌであった。
ーーーーーーー
登校のためにローランが、いつものようにリアーヌを寮の門の前で待っていると、
「リアーヌから、少し遅れるので先に登校してほしいと言付かっていましてよ」
とマリアンヌに声をかけられた。
その日、いつになくギリギリの時間に、ふらふらした足取りで登校してきたリアーヌは、上の空な様子で席についた。そして、チラチラとこちらを見てくるが、目が合うと高速で視線を逸らされる。
(……何だ?)
様子がおかしいと思ったローランは、昼休みになるなり、
「リアーヌ……」
体調でも悪いのか、と声をかけようとすると、
「ひ……っ」
とリアーヌは恐ろしいものでも遭遇したかのような表情でローランを見ると、顔を赤くしたり青くしたりしながら、
「ひいぃぃぃーー!」
と奇声を発して、走り去ってしまった。
「リ、リアーヌ……?」
あまりの奇行に呆然となる。
が、逃げるものは追いたくなるのが心境だ。相手がリアーヌなら尚更だ。ほとんど条件反射で追いかけようとしたローランを背後から引き止める声がした。
「シャルトル様」
マリアンヌである。彼女は深刻な表情で首をふるふると横に振った。
「リアーヌには少し時間が必要ですのよ」
その手には「もう一度、あなたと」という題名の本があった。
二度目の人生にして、ちょっとだけ大人の世界を垣間見たTSっ娘のお話でした。×××に入る言葉はお好みで!
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