表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻ったら前世で私を殺した宿敵が溺愛してきます  作者: しののめ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/53

17-2

 試験後の休日が明けた平日の朝、迎えにきたローランに告げられた。


「リアーヌ。昼休みに少し付き合って欲しいんだが」

「え、嫌です」


 即答した。昼休みは女友達と昼食を取りながら、のんびり過ごすと決めている。何が悲しくて朝も昼もローランと過ごさなければならないのか。しかし。


「……俺たちは友達だよな?」


 にこっと微笑むその顔には、どこか剣呑な色を帯びている。リアーヌは無言の圧力に即座に負けた。


「友達だから、お付き合いします」


 言いながら、


(友達って、そんなに便利な言葉じゃないと思うんだけどなぁ)


と改めて思った次第である。


⭐︎


 そして昼の休憩時間になった。


 学食で買った軽食を持ち、ローランと連れ立って中庭に向かう。テーブルと椅子が並べられ、学生が談話や休憩ができるよう整えられている場所である。テーブル同士は適度に離れているので、学食のように隣の話が丸聞こえになることはない。

 しかし。


(やっぱり視線は感じるな……)


 学園一のイケメンであるローランと、不本意ながら学園の女神と呼ばれているらしいリアーヌの組み合わせだ。とにかく目立つ。


 ローランは昼食の他に何かお洒落な紙袋を持っている。先日の話の流れから、それが何かは見当がついた。


「学年一位だった君へのお祝いを考えてみたんだが」


 予想どおりの展開である。


「……私、いらないって言いましたよね?」

「いや、友人ならお祝いすべきだとマリアンヌさんが言っていただろう?」


 ……どうやらローランはマリアンヌを味方に付けてしまったらしく、彼女はローランに呼び出されたリアーヌを「いってらっしゃい」と快く見送ったのだった。


(マリアンヌに何を吹き込んだんだか……)


 用意周到なことである。

 呆れつつも感心していると、


「これくらいしか思いつかなかった」


 そう言いながらローランは、袋から深い藍色をした四角い箱を取り出した。

 その箱には、城下町で流行りの装飾品店の印が入っていた。女性受けの良い意匠のものが揃っている店だ。そして。


(あの店なら、そこまで高価ってこともないかな)


 知識を総動員する。

 城下町の住民ならば、少し頑張れば買えるお手頃価格であり、学生同士の友達がちょっとした贈り物をするのに丁度良い店だ。

 相手にも負担をかけない、絶妙な選択肢である。また、


(受け取らないと、いつまでも付きまとわれそう)


と想像すると大層うっとうしかったので、このくらいの贈り物なら受け取っても良いか、と判断した。


 リアーヌは安堵しつつ、


「ありがとうございます」


と受け取った。するとローランは嬉しそうな顔で、


「開けてみてくれないか」


と開封を促した。


「うん」


と頷き、割と気楽に箱を開けた。中には柔らかい布に包まれた装飾品らしきものがあり、布から「それ」を取り出したーー瞬間、リアーヌは固まった。


(え、何これ……え、何で??)


 それは小さな碧い宝石が嵌め込まれた、品の良い指輪だった。


(やばい……)


 小さく、そして湖の底のように神秘的なゆらめきを持つ、その宝石。


 その名を「ライカの涙」という。

 装飾品としての価値もさることながら、魔力を一定以上貯蔵することができる、優れた魔道具だ。

 武闘大会の後、ローランに木剣で追いかけ回された時に「魔力を貯蔵する魔導具があれば」と思った、その魔道具である。

 この宝石は大きさより純度が大切だ。その辺に出回っているものは純度が低いものばかりだが、これはーー違う。


(やばい……)


 目の前の貴重すぎる一品に、語彙が崩壊した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ