87 安易に信じ込んでいいものか
「ヌヌロッチとユージンに、政府内の最新情報を聞こう」
ンドペキの提案に、パキトポークがげんなりした顔を見せた。
「何度も言うが、俺はあいつらを信用できん」
「わかっている。しかし、貴重な情報源だ」
「あのハワードのやつも、雲隠れしてしまったじゃないか」
パキトポークの言うとおりである。
あれほど親密にしていたハワードの姿が、ここ数日、見えなくなっていた。
ハワード以外のレイチェルSP達は、これまで同様、さまざまな情報をもたらしてくれる。
しかし、安易に信じ込んでいいものかどうか、という気分が生まれつつあるのも事実だった。
「まあ、そう言うな」
と応えるしかないが、ンドペキ自身、心に引っかかるものを拭いきれないでいた。
ハワード。
裏切ったのか。
あるいは、これまでのことはすべて、仕組まれた芝居だったのか。
そう考えてしまう一方、他方では彼の身に何か起きているのでは、とも思うのだった。
「そもそも、ハワードの行き先について、やつら誰も知らないと言いやがる。そんなはずがあるか!」
今、隊に出入りしているSPは、マリーリ、ヒカリの二名のみ。
従来どおり、ヌヌロッチは食料省の幹部として、ユージンはエネルギー省の幹部として、政府内にとどまっている。
防衛軍事務員であるスーザクは、エリアREFにいても、自分は役に立てないからと、職場に戻っていった。
そして、アンジェリナの行方は未だ知れない。




