86 真剣に考えるときが来た
レイチェル騎士団が篭っているというシェルタの手がかりは、今もあのごみ焼却場しかない。
むしろ、連日、攻撃に晒され、シェルタ探しもままならないというのが実態。
「十日間。もう一度、シェルタの入口探しに全力を尽くそう。それでも見つからない場合、作戦は練り直しだ」
すでに、あそこは徹底的に調べてあった。
新たな発見の可能性は低い。
「その上で、必要となればカットラインを使う。最後の手として」
作戦の練り直し。
それは、政府建物への、正面突入作戦への転換を意味する。
シェルタ経由のレイチェルの居住区への近道作戦は使えない。
「真剣に考えるときが来たようだ」
「同感だ!」
腕まくりしそうなほど、パキトポークがいきり立った。
「作戦の大筋は、前に話し合ったとおり」
「うむ」
「問題は、いつ実行に移すか」
話題は新たな作戦の吟味に移った。
政府建物内の状況は、かなり把握できつつある。
タールツーがいると思われる建物も、掴んでいる。
そこへ至るルートも頭に入っているし、万一の場合の退避ルート、そしてタールツーを取り逃がした時の追尾ルートも。
そして、隊をいくつかの小隊に分け、それぞれの役割も決めてある。
「特別なタイミングなど、あるか?」
ンドペキはコリネルスに聞いた。
「おいおい。見損なうなよ。いつでも準備はできてるぞ」
作戦のための武器弾薬、エネルギーパット、特殊な工具、非常用の通信機器、食料、救命救急のための用品など、携行品はいつでも手に持ちさえすればいいように集積してあった。
「よし。そっちはどうだ?」
パキトポークは、意見などあるか! と吼えた。
「今からでも行こうぜ!」
「うむ。ロクモンはどうだ?」
「うーむ」
こちらは慎重のようだ。
騎士団と連動してこその作戦、というのがロクモンの持論である。




