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512 そして偽ホメム

「んーと、長官が誰かなんてことじゃなく、もっと大切なこと。船長には、こういうことを話したの」

「うん?」

「パリサイド、アギからパリサイドになった人、マト、マトからパリサイドになった人、メルキト、アンドロ、クローン、そして偽ホメム、みんな人として同じじゃないかって」



 グループを意識する必要もないんじゃないか。

 そんな区別さえ必要ない。

 忘れてしまえばいい。

 みんな同じ。

 みんな同じ人類。地球の。



「昔、人種の壁、民族の壁、国境という意識は消えたでしょ。人類はそれを乗り超えたじゃない、って。今、もう一度それができないはずはないって」

「ああ」

「船長も同意してくれたよ。元々、パリサイドにはそういう垣根の意識はないって」



 コリネルスが発言した。

「それでこそ、ニューキーツ長官レイチェルってことだな。君でなければ出てこない発想だし、君でなければ言えないこと」


 拍手が起きた。


「コリネルス、ありがとう。でも、もう私、長官なんてできない。そんな気がしないもの」

「まあ、いいじゃないか。まだ、体調も万全じゃないんだから」



 ンドペキは立ち上がった。


「さてと、そろそろ夜も更けた。コリネルスが上手く纏めてくれた結論を持って、お開きにしようか。すべての謎は解けた、ってことでいいよな。最後に聞いておきたいこと、あるか?」



「聞いてみたいことはある」

 そう言ったのは、コリネルスだった。

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